
オフィスづくりの成功はコンセプトで決まる!
設計のコツと事例を紹介
オフィスづくりを進める際、「どんなデザインにするか」から考えてしまっていませんか?
見た目の印象も重要な要素のひとつですが、それだけでは働きやすいオフィスにはなりません。自社の働き方に合った理想のオフィスを実現するには、「どのような働き方を実現したいか」というコンセプトの設計が欠かせないのです。
本記事では、オフィスづくりにおけるコンセプトの重要性から、設定するメリット、具体的な手順やコツ、実際の事例まで解説します。
目次
1. オフィスづくりにおけるコンセプトの重要性
コンセプトというと、「カフェのような空間」「ホテルのようなエントランス」など、見た目のイメージを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、コンセプトはデザインテーマとは役割が異なります。
オフィスのコンセプトとは、「どのようなオフィスにしたいか」を明確にする基本方針のことです。例えば、「交流を増やしたい」「集中しやすくしたい」など、実現したい働き方を言葉にしたものであり、その空間で社員にどう過ごしてほしいかまで含めて考えます。レイアウトや内装、家具、運用に至るまで、あらゆる判断の軸になります。
コンセプトを考える際は、まず現状のオフィスにおける課題を洗い出し、それを解決する形で実現したい働き方を言語化していくと良いでしょう。「なんとなく雰囲気がいい空間」ではなく、「なぜそのオフィスが必要なのか」という目的と理由を持ったコンセプトにすることで、一貫性のあるオフィスにできます。
2. コンセプトを設定するメリット
コンセプトはオフィスづくりを進める上で欠かせません。ここでは、コンセプトを設定することによるメリットを3つ紹介します。
意思決定がしやすくなる
オフィスづくりでは、計画からデザイン、実行、運用に至るまで、多くの判断が求められます。そうした場面ごとに関係者の意見がまとまらず、議論が長引いてしまうケースは珍しくありません。
コンセプトがあると、「自社が目指す働き方に合っているか」という共通の基準で方向性を判断しやすくなります。関係者の意見が分かれたときも、個人の好みではなく共通の方針に沿って話し合えるため、合意形成を効率的に進められるでしょう。また、設計やデザインを担当する外部の専門家とのやり取りでも、言葉では伝わりにくいイメージを具体化しやすくなり、期待に近い仕上がりに近づけやすいメリットがあります。
企業らしさを伝えられる
コンセプトを設計すると、企業理念や価値観を空間に落とし込みやすくなります。社員にとっては、自社らしい働き方や大切にしたい考えを実感するきっかけになり、オフィスへの愛着を持ってもらいやすくなるでしょう。
また、取引先や求職者などの来訪者にとっても、企業の姿勢や雰囲気を知る上で重要な手がかりとなります。一貫したコンセプトのあるオフィスは、企業ブランドの発信にもつながるのです。
働き方の質を高められる
コンセプトを設計すると、社員にどのような働き方を促したいかが明確になります。働き方の方向性が明確になると、集中・交流・リフレッシュなど必要な場を計画しやすくなり、働き方の質を高められます。そしてそれは、社員の満足度やエンゲージメントを高めることにもつながるでしょう。
コンセプトは単にオフィスをデザインするためのものではなく、働き方そのものを方向づけ、企業の成長を支える原動力にもなるのです。
3. コンセプト設計の手順とコツ

コンセプト設計は、現状把握から言語化、空間要件への落とし込みまでを順番に進めることが重要です。ここではコンセプト設計の手順と、検討のコツを紹介します。
現状課題を整理する
最初のステップは、現在のオフィスで何が課題になっているかを確認することです。アンケートやヒアリング、ワークショップなどを行い、会議室不足、集中しづらい環境、部署間の交流不足、収納の使いにくさなど、具体的な困りごとを集めましょう。
コツは、経営層と現場の両方から意見を集め、課題の背景まで整理することです。現場の社員は日常の不便さに気づきやすく、経営層は組織の方向性を踏まえた課題を持っています。その両方を掛け合わせることで、空間づくりに結びつく本質的な課題が見えてくるはずです。「なぜその課題が起きているのか」まで掘り下げることが、コンセプト設計の質を左右します。
理想の働き方を描く
課題を洗い出したら、オフィスの改装や移転後にどのような働き方を実現したいかを考えます。組織として大切にしたい価値観や、社員にどのような行動を増やしてほしいかを整理しましょう。
また、組織として目指す姿だけでなく、社員が働きやすいと感じる状態も併せて整理することが大切です。数年後の事業計画や組織の変化も踏まえ、一時的な流行に左右されない方向性を考えます。トレンドを参考にしながらも、自社の状況に合うコンセプトを意識しましょう。
なお、オカムラの「OFFICE KIT」は、簡単な質問に答えるだけで自社に合ったオフィスタイプを無料で診断できます。理想の働き方を整理するきっかけとして、ぜひ活用してみてください。
コンセプトを設計する体制を決める
コンセプトづくりは総務担当者だけで進める方法もありますが、複数部門の社員を交えたプロジェクトチームで進めるのがおすすめです。各部門の実務担当者が参加することで、現場の声を拾いやすくなり、働き方と空間の両面から検討できるからです。
現場社員の声が反映されたオフィスには愛着が生まれ、納得感や主体性を持ってオフィス運用に関わろうとする意識が育まれます。また、プロジェクトチーム外の社員もアンケートや情報発信を通じて巻き込むことで、完成後の共感度も高まるでしょう。
社内だけで課題整理や言語化が難しい場合は、オフィスづくりの知見を持つオフィスコンサルを活用する方法もあります。オフィスコンサルでは、働き方の課題整理からコンセプト設計、空間づくりの方向性まで相談できます。
オフィス移転コンサルとは? 役割やメリット、選び方のポイント
課題と目的を結びつける
コンセプトは、抽象的な言葉を先に決めるのではなく、解決したい課題と実現したい目的から考えることが重要です。「なぜそのコンセプトが必要なのか」を説明できる状態にしてから言葉にしましょう。
「部署間の連携を増やしたい」なら、交流や共創を軸にしたコンセプトが候補です。「個人の集中力を高めたい」なら、集中環境の整備や選択性を重視する方向性が検討できます。
このほかに、以下のようなコンセプト案もありますので参考にしてみてください。
■コンセプト案の例
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種類 |
コンセプト例 |
内容 |
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帰属意識 |
自社にポジティブな感情を持つ |
社員のエンゲージメントが高まると、企業の経営にもプラスの影響をもたらすといわれる。企業と社員が絆を深めながら成長できる関係を築く |
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心身の健康 |
心身ともにいきいきと働く |
社員が幸福な状態であることは生産性や創造性を高めるほか、企業の収益性の面でも重要と考えられている |
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集中と交流 |
個人力とチーム力の両立 |
1人で集中できる環境とチームで協働する環境の最適なバランスをはかり、個人の力を引き出し、チームの協働をより効率的に進める |
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つながり |
チームや部門を超えた一体感 |
生産性向上には個人だけでなくチームのパフォーマンス向上が必要。社員同士のコミュニケーションが自然に生まれる一体感のある環境でチーム力を強化する |
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多様性 |
多種多様な働き方に対応 |
年齢や性別、人種などオフィスで働く人は多様化している。オフィスで働くさまざまな人が快適に効率よく働けるオフィス環境を整える |
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創造性 |
アイデアがひらめく空間 |
創造性や生産性を高めるには、リラックスして働ける環境や心地よい雰囲気が大切 |
コンセプトを言語化する
課題と目的が見えてきたら、プロジェクトで共有しやすい短い言葉にまとめます。「つながり」「集中と交流」「心身の健康」など、働き方の方向性が伝わる言葉にすることで、検討が進めやすくなります。
ただし、キーワードはそれ単体では意味が曖昧になりやすいため、そのキーワードでどのような行動や体験を生みたいのかをセットで言語化しておくことが大切です。
例えば、「つながり」というキーワードでも、「部署間の偶発的な出会いを増やす」のか「お客さまとの関係性を深める場をつくる」のかによって、空間設計の方向性は大きく変わります。
4. コンセプトをオフィスづくりに活かした事例
コンセプトを言葉にするとき、他社の事例を参考にすることも有効です。ここでは、オカムラが手がけた事例の中から、コンセプトが空間に活かされている5つの事例を紹介します。
お客さまとつながる場|株式会社アイネス 様

株式会社アイネス 様は、東京駅近くの八重洲に新たな営業拠点を開設しました。コンセプトは「お客さまとつながる場」。企業理念である「安心」と「革新」をキーワードに、来客対応と社員の働きやすさの両立を目指した空間設計を実現しています。
来客に驚きと感動をもたらす、新たな営業拠点|株式会社アイネス
学びとキャリアの交差点|株式会社オカムラ

オカムラの人財育成拠点「CROSSGATE(クロスゲート)」は、「学びとキャリアの交差点」をコンセプトに2025年に開設されました。人財開発部の想いを出発点に、空間デザインを担当したチームと対話を重ねながら構想を具体化。単なる知識習得の場にとどまらず、社員一人ひとりが自身のキャリアと向き合い、成長への一歩を踏み出せる場所としました。
オカムラが描く、人財育成の新たな拠点「CROSSGATE」構築プロジェクト|株式会社オカムラ
CHOICE|株式会社ウェルパーク 様

ドラッグストアを展開する株式会社ウェルパーク 様のコンセプトは「CHOICE」です。空間を明確に区切らず全体をシームレスにつなぐことで、働く人がフロア内を移動しやすく、自分のスタイルに合わせて働く場所を選べるABWを採用。「店内を巡って気になる商品を探すように座席を選ぶ」という発想を空間設計に重ねています。
店内で商品を選ぶように席を選ぶ、ドラッグストアの本社オフィス|株式会社ウェルパーク
社員の一体感を高める大きなワンフロアのようなオフィス|ユニ・チャーム株式会社 様

ユニ・チャーム株式会社 様の本社オフィスの移転で設定したコンセプトは、「社員の一体感を高める大きなワンフロアのようなオフィス」です。40階から42階までの3フロアを内階段でつなぎ、大きな1フロアとして捉えるゾーニングを行いました。会社の取り組みを気軽に情報発信するスペースを設けたり、コーポレートカラーや同社製品のデザインを取り入れたりすることで企業の目指す姿を体現し、自社らしさを感じさせるオフィスデザインを目指しました。
複数フロアがひとつの空間としてつながり一体感を生むワークプレイス|ユニ・チャーム株式会社
Plug-in(プラグイン)|ビーウィズ株式会社 様

ビーウィズ株式会社 様のデジタルラボ長崎は、「エンジニアのためのワクワクする空間」という要望をもとに、エンジニアと親和性の高い「Plug-in(プラグイン)」をコンセプトに掲げた空間です。ソフトウェアに新機能を追加(プラグイン)していくように、オフィスをエンジニアの技術とアイデアが交差する場と捉え、柔軟性と拡張性を備えた空間にしています。
5. コンセプトをオフィスに反映する方法
コンセプトは、言葉として掲げるだけでなく、実際のオフィスづくりや運用に一貫して反映することが重要です。以下でコンセプトを反映する方法を紹介します。
レイアウトに反映する
レイアウトでは、コンセプトに沿ってオフィス内にどのような場を置き、各エリアにどのような役割を持たせるかを決めます。集中、交流、リフレッシュなど、必要な場の役割を整理し、オフィス全体のつながりを検討することが大切です。
例えば、交流を重視するなら人が集まりやすい場所を設けたり、動線を工夫して自然に社員が顔を合わせる機会をつくりやすくしたりすることが有効です。目指す働き方に合わせて各エリアの役割を決め、レイアウトに落とし込んでいきましょう。
オフィスのゾーニングとは? メリットや設計のポイント・事例を紹介
オフィスレイアウト変更の進め方! 成功のポイントや事例を解説
内装やデザインに反映する
内装やデザインは、企業らしさや空間の印象を伝える要素です。素材、色、照明、オフィスグリーンなどをコンセプトに合わせて整えることで、空間全体に統一感を持たせられます。特にカラーは印象を左右しやすく、コーポレートカラーやコンセプトに合う色を取り入れると企業らしさを伝えやすくなるでしょう。
オフィスグリーン導入のメリットは? 種類や選び方、導入事例を紹介
家具や設備に反映する
家具や設備は、目指す働き方を実際の行動に移しやすくするための要素です。コンセプトに合う家具や設備を選ぶことで、空間の意図が日常の働き方に自然と根付いていきます。
例えば、コミュニケーションを重視するならカフェカウンターにコーヒーメーカーを設置する、柔軟な働き方を重視するなら可動式の家具を取り入れて多用途に使える空間を用意するなどです。健康や快適性を重視する場合は、姿勢を変えながら働きやすい電動昇降デスクや、気分転換できるリフレッシュスペースの設置なども検討してみてはいかがでしょうか。
運用に反映する
新しいオフィスをコンセプト通りに使ってもらうには、社員にコンセプトや各エリアの使い方を共有することも大切です。エリアの名前、案内表示、説明会、社内イベントなどを通じて、どのような目的で使う場所なのかを伝えましょう。
移転や改装後もアンケートや利用状況を確認し、コンセプトに合った使い方へと改善を続けることで理想のオフィスに近づいていきます。コンセプトは、完成時点で役目が終わるものではありません。
6. コンセプトを設定して理想のオフィスを手に入れよう
オフィスのコンセプトは、企業が実現したい働き方や価値観を空間づくりに反映するための判断軸です。課題整理、理想の働き方、社員の使いやすさまで含めて考え、レイアウト、内装、家具・設備、運用のすべてに一貫して落とし込んでいくことが大切になります。
一方で、コンセプトと空間設計を結びつける作業は簡単ではありません。オカムラでは、課題整理からコンセプト設計、空間づくり、施工、運用改善まで一貫してサポートしています。コンセプトづくりの進め方でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q:オフィスのコンセプトとは何ですか?
A:オフィスのコンセプトとは、「どのような働き方を実現したいか」という基本方針のことです。レイアウトや内装、家具、運用に至るまで、オフィスづくりのあらゆる判断の軸になります。「カフェのような空間」というような見た目のイメージとは異なり、その空間で社員にどう過ごしてほしいか、どのような行動を促したいかまで含めて考えるものです。
Q:コンセプト設計はいつから始めるのが理想ですか?
A:コンセプトの設計は、オフィス移転やリニューアルのプロジェクト初期段階で決めるのが理想的です。早い段階でコンセプトの方向性を定めることで、物件選定やレイアウト検討、デザインなど後の工程においても判断に一貫性を保てます。コンセプトが曖昧なまま進めてしまうと、意思決定に時間がかかったり、当初の目的が見えなくなったりして、方向性を見失ってしまいかねません。プロジェクト全体の方針として、できるだけ早期に関係者と共有することをおすすめします。
Q:コンセプトを決める際は、どのような体制で進めれば良いですか?
A:コンセプトを決める際は、社員を積極的に巻き込みましょう。担当者だけでコンセプトを決めることも可能ですが、複数部門を交えたプロジェクトチームにすると、現場の声を反映しやすくなります。社員みずから関わったオフィスには愛着が生まれ、完成後の納得感や主体的な利用につながります。アンケートやワークショップを通じてプロジェクトチーム外の社員の意見を集めることも、コンセプトの精度を高める上で有効です。
イラスト:Masaki
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オフィスづくりに関するQ&A
- Q1
オフィス移転や改装を検討しはじめるタイミングは、いつが良いですか?
- A1
社員数や内容によって異なりますが、100名規模のオフィスの場合、移転予定の1年前、改装の場合は6か月前からの検討が理想です。
現状課題の整理や物件選定、レイアウト設計、施工期間などを考慮すると、余裕をもった準備期間を設けることでスムーズに進められます。
オカムラでは、初期段階からお客様のニーズや課題を伺い、スケジュール立案や検討資料づくりをサポートしています。 お問い合わせ
- Q2
オフィスづくりを依頼すると、どこまでサポートしてもらえますか?
- A2
オカムラでは、オフィスの企画・設計・施工・運用までを一貫してサポートします。
働き方や組織課題を丁寧にヒアリングし、レイアウト、家具、照明、ICT環境などを総合的にデザインします。
また、移転・改装後のアンケートや改善提案を通して、働き方の変化に寄り添った空間づくりを支援します。 オカムラのオフィスづくりソリューション
- Q3
オフィス改装の費用はどのくらいかかりますか?
- A3
改装の内容や規模、目的によって費用は大きく変わります。
例えば、部分的なリニューアルなのか、働き方改革を目的とした全面リニューアルなのかによっても必要な費用は異なります。
具体的な金額を知りたい場合は、現状の課題やご希望をお伺いしたうえで、最適なプランをご提案いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。 お問い合わせ
- Q4
まだ具体的な計画がなくても、相談して大丈夫ですか?
- A4
もちろん大丈夫です。
多くのお客様が「何から始めればいいか分からない」という段階からご相談されています。
オカムラでは、丁寧なヒアリングを通して課題整理や事例紹介、スケジュール・費用感の目安提示など初期検討をサポートします。
「移転か改装か迷っている」、「まずはイメージを膨らませたい」など、どんな段階でもお気軽にご相談ください。 お問い合わせ
- Q5
自社に合った働き方やレイアウトがわかりません。どうすれば良いですか?
- A5
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