
オフィス移転コンサルとは?
役割やメリット、選び方のポイント
オフィスの移転や改装は、物件探しから設計、工事、什器の手配、社内調整まで多くの業務が発生する大規模なプロジェクトです。通常業務と並行して進める必要があるため、担当者の負担が大きくなってしまうケースも少なくありません。
こうした負担を軽減し、移転プロジェクトを専門的な立場で計画立案から実行までを総合的にサポートしてくれるのが「オフィス移転コンサル」(以下、オフィスコンサル)です。業務の代行や進行管理、空間計画の提案などを通じて、移転を円滑に進める役割を担います。
本記事では、オフィスコンサルの役割とサービス内容、依頼するメリット、失敗しない選び方のポイントを分かりやすく解説します。
目次
1. オフィスコンサルとは?

オフィスコンサルとは、企業のオフィス移転や改装・リニューアルに伴う業務を代行・支援し、プロジェクト全体の進行をサポートするコンサルティングサービスです。物件選定やスケジュール管理、工事手配、什器選定など、多岐にわたる業務を専門的な立場から支援します。
提供主体は、不動産会社、建設・内装会社、オフィス家具メーカーなどさまざまです。それぞれ物件交渉、施工管理、空間設計、什器提案など、得意とする分野が異なります。
近年では、テレワークやハイブリッドワークの普及により働き方が多様化し、オフィスの役割を見直す企業が少なくありません。オフィスコンサルを活用すれば、専門的な知見や経験を取り入れながら移転や改装を進められるため、プロジェクトを効率的かつ円滑に進めやすくなります。
オフィスの役割を見直す「オフィス改革」の取り組みについては、以下の記事で解説しているので参考にしてください。
2. オフィスコンサルの役割とサービス内容
オフィスコンサルは、移転・改装に伴って発生するさまざまな業務を支援し、プロジェクト全体を円滑に進める役割を担います。その支援内容は大きく「業務の代行」「プロジェクトマネジメント(PM)」「プロジェクトのサポート・アドバイス」の3つに分けられます。
以下では、それぞれの役割と具体的な支援内容を解説します。
業務の代行
業務の代行とは、移転・改装に伴って発生する各種手配や調整を、企業に代わって進める役割です。具体的な対応範囲は業者によって異なりますが、物件探しや契約に関する手続き、工事の手配、スケジュール管理、什器の選定・調達、引っ越し準備など、移転に関わる幅広い業務が対象となります。
移転プロジェクトは、物件選定から移転完了まで1年以上かかるケースもあり、そのあいだには多くの確認や調整が継続的に発生します。これらを自社だけで対応すると担当者の負担が大きくなり、通常業務との両立が難しくなることも少なくありません。オフィスコンサルでは、必要な部分だけを任せられるため、社内の体制や進行状況に応じて支援を受けることで、移転を無理なく進めやすくなります。
オフィス移転の具体的な流れについては、以下の記事でも解説しているので、参考にしてみてください。
失敗しないオフィス移転の流れは? 注意点やスケジュール、チェックリスト
プロジェクトマネジメント
プロジェクトマネジメントは、移転・改装の検討段階から完了までを統括し、全体の進行を管理する役割です。各種業者との調整や手続きの取りまとめ、スケジュール管理などを一括して行うことで、プロジェクトを計画どおりに進めやすくします。
具体的には以下のような業務です。
■プロジェクトマネジメント業務の例
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内容 |
詳細 |
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タスク・スケジュール管理 |
・全体スケジュールの作成 |
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コスト管理 |
・予算案の作成 ・見積精査・コスト査定 ・コスト最適化の提案 など |
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体制構築 |
・社内体制構築のアドバイス ・業者間の役割分担の明確化 ・関係者連絡網の整理 など |
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運営 |
・定例会議の運営 |
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品質管理 |
・納入製品の検査および工事管理 |
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運用支援 |
・文書削減の支援 |
これらをオフィスコンサルに任せることで、依頼主側は社内調整や意思決定に専念しやすくなり、判断の遅れによる手戻りや進行の停滞を防ぎやすくなります。
オカムラのプロジェクトマネジメントの考え方や支援内容を以下で詳しく紹介しているので、こちらも参考にしてください。
プロジェクトのサポート・アドバイス
プロジェクトのサポート・アドバイスは、複数業者との連絡・調整を一本化し、情報共有の漏れや認識のずれを解消しながら、意思決定を支援する役割です。企業側が個別に対応を行う場合、関係者が増えるほど情報が分散しやすく、全体像を把握しにくくなることがあります。オフィスコンサルがあいだに入ることでやり取りが整理されるため、必要な情報が集約された状態で判断しやすくなるでしょう。
加えて、予算や目的に応じた空間設計の提案、経験にもとづくリスクへの備え、働き方や組織課題を踏まえたオフィスづくりのアドバイスなども含まれます。具体的な支援内容は提供企業によって異なりますが、移転を単なる作業としてではなく、目指す姿の実現につなげる支援が行われる点が特徴です。
具体的な業務の例を以下の図にまとめています。

なお、ここで挙げた内容以外にも企業独自のサービスが提供されている場合があります。オカムラのコンサルティングについては、以下でも詳しく紹介しているので参考にしてください。
3. オフィスコンサルに依頼するメリット
オフィス移転や改装は、企業の働き方や組織運営にも影響する重要なプロジェクトですが、多くの工程が同時に走り、本来の業務との両立が難しいのも現実です。ここでは、オフィスコンサルを活用することで期待できるメリットを紹介します。
業務負担を軽減できる
オフィス移転では、物件探しや各種届出、業者手配、什器調達、スケジュール管理など、多くの業務が同時並行で発生します。これらを自社だけで対応すると、通常業務との両立が難しくなり、担当者に大きな負担が集中することも少なくありません。
オフィスコンサルが業務の一部を代行・管理することで、手配や調整にかかる工数を削減できます。さらに、複数業者との窓口を一元化できるため、情報整理や連絡調整の負荷も軽減されるでしょう。その結果、移転業務を効率的に進めやすくなり、担当者が意思決定や社内説明に充てる時間を確保しやすくなります。
コストの最適化につながる
オフィス移転では、多くの工程が並行して進むため、設計やスケジュールに変更が生じると追加対応が必要になり、結果としてコスト増につながることがあります。経験豊富なオフィスコンサルが関与することで、スケジュールや業者選定を適切に管理でき、手戻りや重複発注による余計なコストの発生を防ぎやすくなるでしょう。
また、見積もりの比較や条件交渉に関するノウハウを活かした提案により、予算に応じた最適な計画を立てやすくなる点もメリットのひとつです。
トラブルのリスクを低減できる
オフィス移転は頻繁に行う業務ではないため、社内に十分なノウハウが蓄積されていないケースも少なくありません。そのため、準備不足や確認漏れによって計画の遅延や追加対応が発生するなど、思わぬトラブルにつながることがあります。
オフィスコンサルは、これまでのプロジェクト経験をもとに想定されるリスクを事前に洗い出し、スムーズな進め方を提案します。事前の確認や調整を適切に行うことで、トラブルの発生を未然に防ぎやすくなるでしょう。このように、移転に関する経験や知見を補完できる点は、オフィスコンサルを活用する大きなメリットです。
働き方や目的に合ったレイアウトを検討できる
働き方や組織課題を見直す機会として、オフィス移転を検討している企業も少なくありません。オフィスコンサルの中には、企業の業務内容やコミュニケーションの在り方を踏まえながら、適切なレイアウトや空間構成の検討を支援するサービスを提供するケースもあります。
特にオフィス家具メーカーが提供するコンサルティングでは、家具や設備の特性や実際の運用まで見据えた提案を受けられるでしょう。空間設計と什器選定を一体で検討できるため、計画段階と運用開始後のギャップを抑えやすく、働きやすさにつながるオフィスづくりを実現しやすくなります。
移転後の運用・改善まで見据えられる
オフィスコンサルによっては、移転完了後も利用状況の確認やレイアウト調整などのフォローを行う場合があります。実際に運用を開始してから見えてくる課題に対応できるため、計画時には想定しきれなかった問題にも柔軟に対処しやすくなります。
運用状況を踏まえて改善を重ねることで、オフィス環境を継続的に最適化していける点もオフィスコンサルを活用するメリットのひとつです。
4. オフィスコンサルが必要な企業とは?

オフィスコンサルは、移転・改装を検討するすべての企業が活用できるサービスですが、特に次のような状況や課題を抱える企業では、その効果を発揮しやすくなります。自社の状況にあてはまる項目があるかを確認し、必要に応じて活用を検討するとよいでしょう。
移転・改装の経験が少ない企業
オフィス移転や大規模な改装は、多くの企業にとって数年から十数年に一度のプロジェクトです。そのため、社内に進め方や判断基準に関するノウハウが十分に蓄積されていない場合は珍しくありません。
オフィスコンサルでは、現状の働き方や課題を整理するための調査やヒアリングを行い、移転の目的や方針を明確にした上で方向性を提案します。プロジェクト経験が豊富なオフィスコンサルに任せることで、経験不足による手戻りや判断ミスを防ぎながら、計画的に移転を進めやすくなるでしょう。
移転業務を兼任で進める必要がある企業
移転プロジェクトでは、物件探し、社内ヒアリング、レイアウト検討、見積もり比較、業者手配、社内調整など、多くの業務が発生します。専任の担当者を置けない企業では、総務や管理部門の担当者に業務が集中してしまうことも少なくありません。
通常業務と移転業務の両立が難しい場合、オフィスコンサルを活用することで、プロジェクト全体の進行管理や関係会社との調整を支援してもらえます。限られた人員でも計画を進めやすくなる点は、大きなメリットといえるでしょう。
コストやスケジュールの最適化を重視する企業
オフィス移転には、内装工事費や家具費用、引っ越し費用など多くのコストが発生します。移転スケジュールが遅れると、業務への影響が生じるほか、追加費用が発生する可能性もゼロではありません。
オフィスコンサルは、複数業者の見積もり比較や条件整理、工程管理などを通じて、コストとスケジュールの両面から計画の最適化を支援します。予算や移転時期に制約がある場合でも、実現可能性の高い計画を立てやすくなるでしょう。
働き方やオフィス環境の見直しを目的とする企業
近年では、オフィスに求められる役割が変化し、働き方やコミュニケーションの在り方を見直すことを目的に、オフィス環境を再設計する企業も増えています。こうした取り組みでは、働き方に合わせたゾーニングやレイアウト、家具配置などを総合的に検討することが不可欠です。空間設計や什器計画まで含めて検討したい場合には、働き方や運用まで見据えた提案ができるオフィスコンサルを活用しましょう。
5. オフィスコンサルを選ぶ際のポイント
オフィスコンサルは、提供企業によって支援内容や得意分野が大きく異なります。そのため、自社の目的や移転条件に合ったパートナーを選ぶには、いくつかの視点から比較・検討することが重要です。
以下では、オフィスコンサルを選ぶ際のポイントを紹介します。
移転・改装の目的や条件を明確化する
オフィスコンサルを選定する際は、まず「なぜ移転するのか」「新オフィスでどのような働き方を実現したいのか」といった目的や条件を社内で整理しておくことが重要です。移転の背景や目指す方向性が明確になると、各社の提案内容が自社の目的に合っているかを判断しやすくなります。
自社ニーズに合うオフィスコンサルを選定する
オフィスコンサルの提供主体には、不動産会社、建設・内装会社、オフィス家具メーカーなどがあり、それぞれ強みとする領域が異なります。そのため、自社の課題や移転の目的に応じて、適した支援を受けられる企業を選ぶことが重要です。
■業種別オフィスコンサルの強み
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業種 |
強み |
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不動産系 |
物件選定や契約交渉に強み |
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建設・内装系 |
設計・施工管理に強み |
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オフィス家具メーカー系 |
空間デザインや什器計画、運用を見据えた提案に強み |
例えば、働き方の見直しやレイアウト改善を目的とする場合には、オフィス家具メーカーが提供するコンサルティングが有効です。家具や設備の特性を踏まえながら空間設計と什器計画を一体で検討できるため、実際の運用まで見据えたオフィスづくりにつなげやすくなります。
さまざまなオフィス家具を提供するオカムラのコンサルティングサービスについては、以下で詳しく紹介していますのでぜひ参考にしてください。
支援範囲と費用体系を確認する
オフィスコンサルは企業によって対応範囲が異なり、物件探しから移転後のフォローまで一貫して支援する場合もあれば、特定の工程のみを担当するケースもあります。そのため、契約前にサービスの対象範囲や費用の算出方法、追加費用の有無まで確認しておくことが重要です。提供内容と自社の期待に差がないかを事前に把握することで、後から認識のずれが生じるリスクを抑えられます。
以下はオフィスコンサルにかかる費用の目安です。支援内容を正しく理解しておくことが、適切なパートナー選定につながります。
■オフィスコンサルにかかる費用目安
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規模 |
費用の目安 |
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小規模(50坪以下) |
30万円前後 |
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中規模(50~100坪) |
100~300万円程度 |
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大規模(100坪以上) |
300万円以上 |
※費用は依頼内容や支援範囲によって異なるため、上記はあくまで目安です
オフィス移転全体にかかる費用については、以下の記事でも詳しく解説しています。
6. オフィスコンサルの活用で理想のオフィスを実現する
オフィス移転や改装は、物件選定や設計、工事、什器調達、社内調整など、多くの工程が関わる大規模なプロジェクトです。限られた期間の中でこれらを適切に進めるには、専門的な知識と全体を見渡す視点が求められます。
オフィスコンサルは、こうしたプロジェクトを総合的に支援し、担当者の負担軽減やコスト最適化、円滑な進行を実現する存在です。また、企業によっては、働きやすいオフィスの検討や、移転後の運用まで見据えた提案をしてくれる場合もあります。コンサルティングの得意分野や支援範囲は企業ごとに異なるため、自社の目的や課題に合ったオフィスコンサルを選定することが重要です。
オフィス移転は、働き方や組織の在り方を見直す貴重な機会でもあります。移転の目的を明確にし、適切な支援を活用しながら計画を進めることで、移転後も活用しやすいオフィス環境を実現しましょう。
オカムラでは、企画・設計・施工・運用までを見据えたオフィスづくりを総合的に支援しています。移転や改装をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q:オフィスコンサルとは何ですか?
A:オフィスコンサルとは、企業のオフィス移転や改装に伴う業務を代行・支援し、プロジェクト全体の進行をサポートするサービスです。物件選定、スケジュール管理、工事手配、什器選定など幅広い業務を専門的な立場から支援し、移転を円滑に進める役割を担います。
Q:オフィスコンサルに依頼するメリットは何ですか?
A:担当者の業務負担を軽減できることに加え、コストの最適化やトラブルリスクの低減につながる点が主なメリットです。また、オフィスコンサルによっては、働き方や組織の課題を踏まえたレイアウトの検討や、移転後の運用改善まで支援を受けられる場合もあり、得意とする分野はサービス提供企業によって異なります。
Q:オフィスコンサルが必要なのはどのような企業ですか?
A:移転や改装の経験が少ない企業、専任担当を置けない企業、コストやスケジュールを重視する企業などに適しています。また、働き方の見直しやオフィス環境の再設計を目的とする場合にも、適切なオフィスコンサルを活用することで、専門的な知見により計画を効率的に進めやすくなるでしょう。
イラスト:Masaki
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新着納入事例
オフィスづくりに関するQ&A
- Q1
オフィス移転や改装を検討しはじめるタイミングは、いつが良いですか?
- A1
社員数や内容によって異なりますが、100名規模のオフィスの場合、移転予定の1年前、改装の場合は6か月前からの検討が理想です。
現状課題の整理や物件選定、レイアウト設計、施工期間などを考慮すると、余裕をもった準備期間を設けることでスムーズに進められます。
オカムラでは、初期段階からお客様のニーズや課題を伺い、スケジュール立案や検討資料づくりをサポートしています。 お問い合わせ
- Q2
オフィスづくりを依頼すると、どこまでサポートしてもらえますか?
- A2
オカムラでは、オフィスの企画・設計・施工・運用までを一貫してサポートします。
働き方や組織課題を丁寧にヒアリングし、レイアウト、家具、照明、ICT環境などを総合的にデザインします。
また、移転・改装後のアンケートや改善提案を通して、働き方の変化に寄り添った空間づくりを支援します。 オカムラのオフィスづくりソリューション
- Q3
オフィス改装の費用はどのくらいかかりますか?
- A3
改装の内容や規模、目的によって費用は大きく変わります。
例えば、部分的なリニューアルなのか、働き方改革を目的とした全面リニューアルなのかによっても必要な費用は異なります。
具体的な金額を知りたい場合は、現状の課題やご希望をお伺いしたうえで、最適なプランをご提案いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。 お問い合わせ
- Q4
まだ具体的な計画がなくても、相談して大丈夫ですか?
- A4
もちろん大丈夫です。
多くのお客様が「何から始めればいいか分からない」という段階からご相談されています。
オカムラでは、丁寧なヒアリングを通して課題整理や事例紹介、スケジュール・費用感の目安提示など初期検討をサポートします。
「移転か改装か迷っている」、「まずはイメージを膨らませたい」など、どんな段階でもお気軽にご相談ください。 お問い合わせ
- Q5
自社に合った働き方やレイアウトがわかりません。どうすれば良いですか?
- A5
オカムラでは、オフィスづくりの初期検討をサポートする無料ツール「OFFICE KIT」をご用意しています。
質問に答えるだけで、自社に合った働き方の方向性やレイアウトタイプが見えてきます。
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