
オフィスの1人当たり面積とは?
最適な広さを独自データで読み解く
長年オフィスづくりの基準として用いられてきた「1人当たり面積〔㎡/人〕」は、ワーカー1人に対してどれほどの作業面積が確保されているかを示す指標です。効率性と生産性を両立する上で、この数値をどう設定するかは、オフィスづくりの重要なポイントといえます。
本記事では、オカムラの独自調査データをもとに、1人当たり面積の平均や業種・地域別の傾向、検討時のポイントと最適化によるメリットを解説します。
目次
- 【オカムラ調査】オフィス全体の1人当たり面積は「9.5㎡」
- オフィスを構成する主なエリア
- 1人当たり面積を検討する際のポイント
- オフィスの1人当たり面積を最適化するメリット
- 1人当たり面積を参考に、自社に合う面積に最適化しよう
1. 【オカムラ調査】オフィス全体の1人当たり面積は「9.5㎡」
オカムラの2025年の調査(※1)では、オフィス全体の1人当たり面積は9.5㎡で、2005年から減少傾向が続いてきました。その要因のひとつとして挙げられるのが、建築技術の進歩によるオフィスのメガフロア化です。ワンフロアの面積が広くなり、効率よくレイアウトできるようになったことが影響しています。

なお、オフィスの1人当たり面積は、「オフィス全体の床面積÷執務可能席数(または在籍人数)」で算出するのが一般的です。従来は在籍人数で算出されることが多かった1人当たり面積ですが、近年はフリーアドレスの普及などにより、実際に利用可能な席数を基準とするケースが多くなっています。
※1......オカムラで手掛けた日経ニューオフィス賞の応募資格に該当する先進的なオフィスが対象。本文中に記載されている各年の値は、その年のデータを含めた最新4年間の図面を計測・算出した平均値
オフィスの1人当たりの面積は業種・地域・所有形態でも異なる
1人当たり面積は、業種・地域・所有形態によっても異なります。同調査の結果をもとに、それぞれの傾向をまとめました。
■【業種別】各エリアの1人当たり面積
|
業種 |
オフィス全体の1人当たり面積 |
執務エリアの1人当たり面積 |
|
製造業 |
10.3㎡ |
5.3㎡ |
|
小売り・サービス業 |
8.0㎡ |
4.6㎡ |
|
卸売業 |
10.7㎡ |
5.4㎡ |
■【地域別】各エリアの1人当たり面積
|
地域 |
オフィス全体の1人当たり面積 |
執務エリアの1人当たり面積 |
|
東京都 |
8.2㎡ |
4.7㎡ |
|
政令指定都市 ※人口50万人以上を対象に政令で指定された20の都市 |
9.8㎡ |
5.2㎡ |
|
その他の都市 |
11.6㎡ |
5.2㎡ |
■【所有形態別】各エリアの1人当たり面積
|
所有形態別 |
オフィス全体の1人当たり面積 |
執務エリアの1人当たり面積 |
|
賃貸ビル |
8.3㎡ |
4.8㎡ |
|
自社ビル |
11.4㎡ |
5.3㎡ |
自社のオフィスの1人当たり面積を検討する際は、全体平均だけで判断するのではなく、業種・地域・所有形態などが自社に近いオフィスの数値と比較することが重要です。条件を揃えた上で比較することで、自社の面積が同条件のオフィスと比べて広いのか狭いのかを把握しやすくなります。
2. オフィスを構成する主なエリア
オフィスには執務エリアを中心に、さまざまな役割をもつ空間があります。オフィス全体がどのようなエリアで構成されているかを把握することは、面積配分のバランスを見直すヒントになります。
以下は、オカムラの調査からオフィスの主なエリアとその面積比率(2025年)をまとめた表です。
■オフィスを構成する主なエリア(2025年)
|
主なエリア |
面積比率 (2025年) |
例 |
定義 |
|
執務エリア |
52.5% |
- |
社員が執務を行う部屋 |
|
会議エリア |
12.6% |
- |
会議を行うための部屋 |
|
共創エリア |
2.3% |
- |
既存の組織の枠組みを超えた協働作業を行うための空間 |
|
受付エリア |
3.6% |
エントランス、ラウンジ、商談コーナー |
来訪者を迎えるための部屋 |
|
役員エリア |
3.5% |
役員室、秘書室、役員用会議室 |
役員が専用で利用する部屋 |
|
倉庫エリア |
3.7% |
書庫、資料庫、倉庫 |
物品や資料の保管・管理を目的とした部屋 |
|
福利厚生エリア |
6.4% |
食堂、喫煙室、更衣室 |
業務に直接関係のない福利厚生で使う部屋 |
|
特殊エリア |
5.1% |
サーバールーム、図書室 |
業務の補助行為をする部屋 |
|
通路エリア |
10.4% |
- |
居室間を移動するための空間 |
オフィスの半数以上を占める「執務エリア」(52.5%)に続き、割合が多かったのは「会議エリア」(12.6%)、「通路エリア」(10.4%)でした。このうち「執務エリア」と「通路エリア」の比率は、2005年からの10年ごとのデータと比較しても上昇し続けています。

これは単にスペースが増えているのではなく、働き方の変化に対応した結果と考えられます。テレワークやハイブリッドワークの普及により、執務エリアには個人が集中して作業できる環境や、チーム内でのちょっとした相談・打ち合わせがしやすい環境など、以前より多様な機能が求められるようになりました。
また、フリーアドレス化や部署間の連携強化などによって、人の移動を前提とした動線設計が重視されるようになったことも、通路エリアの拡張につながっていると考えられます。
3. 1人当たり面積を検討する際のポイント
1人当たり面積を検討する際は、いくつかの視点を押さえることが重要です。ここでは、設計時に意識したい重要なポイントを3つ解説します。
十分な通路幅を考慮する

1人当たり面積を検討する際は、通路幅への配慮も欠かせません。通路幅を十分確保できていないと、1人当たりの面積を単純に増やしても、執務スペースやその他のエリアが窮屈になってしまうことがあります。通路幅はオフィス全体の面積配分に直結するため、計画の初期段階から意識して設計に組み込むことが大切です。
メイン通路は1600mm以上を目安に確保することが推奨されています。条件に応じた通路幅の目安は、上図を参考にしてください。
家具占有率は45~55%を目安に
執務エリア内のレイアウトを検討する際、「狭さ」の感じ方に大きく関わるのが「家具占有率」です。家具占有率とは、家具が配置された面積が執務エリア全体に占める割合のことを指します。
オカムラの研究結果によれば、家具占有率が55%を超えると「狭い」と感じる人が急激に増加。その一方で、45%を下回るとスペースを十分に活用できていない状態になるとされています。そのため、家具占有率は45~55%の範囲に収めることが推奨されます。
執務エリアの面積を算出する際は、床面積だけでなく家具の占有割合も同時に確認するようにしましょう。
働き方を考慮する
1人当たり面積を検討する際は、単純な広さだけでなく、働き方に応じた空間の使われ方を踏まえることが重要です。近年はフリーアドレスやハイブリッドワークの普及により、「全員が同時に出社し、固定席で働く」という前提はすでに変わりつつあります。
例えば、出社率が日によって変動する場合、常に全席が埋まることは少なくなります。そのため、座席数を過剰に確保するのではなく、実際の利用率をもとに適切な面積やレイアウトを検討することが必要です。
併せて、座席数を利用率に応じて最適化して生まれた面積を、集中スペースや共用エリアなど別の用途に転用することも、面積を有効活用する方法のひとつです。
4. オフィスの1人当たり面積を最適化するメリット
1人当たり面積を適切に設計することで、コスト面や働きやすさなど、さまざまなメリットが得られます。ここでは、代表的な4つのメリットを紹介します。
オフィスコストの最適化
オフィスの賃料や光熱費は、面積に大きく左右されます。1人当たり面積を適切に見直すことで、無駄なスペースを削減し、コストの最適化につなげられます。浮いた予算を設備投資や福利厚生など、他の施策に回せる点も大きなメリットです。
ただし、過度に面積を削減すると快適性や生産性の低下を招く可能性もあるため、コストだけでなく働きやすさとのバランスを見ながら最適化を進めることが重要といえます。
働きやすさの向上
適切な面積が確保されたオフィスは、社員が働きやすい環境づくりに直結します。通路幅や動線が適切に設計されることで、移動やコミュニケーションもスムーズになり、業務効率の向上も期待できるでしょう。
反対に面積が不足している場合は、周囲の音や視線が気になりやすくなり、集中力の低下につながることもあります。オフィスでの業務は集中と交流のバランスで成り立っているため、どちらか一方に偏らない空間設計が働きやすさを支えます。
コミュニケーションの活性化
面積を適切に配分することで、打ち合わせスペースや共有エリアを確保しやすくなります。これにより、部署間の連携や偶発的なコミュニケーションが生まれやすくなり、組織全体の活性化につながります。
近年では、こうしたコミュニケーションを促す空間設計が、イノベーション創出の観点からも重視されているのです。執務エリアの効率化で生まれた余白を、共創エリアや交流スペースとして活用する事例も増えています。
エンゲージメントの向上
適切な1人当たり面積が確保されたオフィスにすることで、社員が快適に働ける環境づくりにつながります。働きやすい環境は社員の満足度を高め、仕事への意欲や組織への愛着(エンゲージメント)の向上にも寄与するでしょう。
特に、集中スペースやコミュニケーションスペース、休憩スペースがバランスよく配置されているオフィスは、ストレスの軽減や心理的な安心感にもつながりやすいといわれています。その結果として、離職防止や生産性向上にも好影響をもたらすことが期待されます。
5. 1人当たり面積を参考に、自社に合う空間に最適化しよう
オフィスの1人当たり面積は、働きやすさや生産性に関わる要素のひとつです。しかし、数値そのものを絶対的な基準として捉える必要はありません。1人当たり面積を参考にする際は、平均値だけを基準にするのではなく、業種・地域・働き方に応じて最適なバランスを検討する必要があります。
同じ面積でも、会議スペースや通路、共用エリアといった空間の配分、家具占有率、通路幅などによって、使いやすさや快適性は大きく変わります。現状の使い方に課題を感じている場合は、こうした視点からレイアウトや面積配分を見直すことで、より働きやすい環境を実現できます。
オカムラでは、オフィスの企画・設計・施工・運用まで一貫してサポートしています。面積の見直しや最適なオフィス設計についてお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
本記事で紹介したデータは以下の資料でもご確認いただけます。
よくある質問
Q:オフィスの1人当たり面積の目安はどのくらいですか?
A:オカムラの2025年調査によると、オフィス全体の1人当たり面積の平均は9.5㎡でした。ただし、業種・地域・所有形態によって、数値は異なります。例えば、東京都は8.2㎡である一方、その他の都市は11.6㎡と、地域だけでも3㎡以上の差が見られました。
Q:1人当たり面積が狭くなると、どのような影響がありますか?
A:1人当たり面積が狭すぎると、周囲の音や視線が気になりやすくなり、集中力の低下につながる可能性があります。また、家具占有率が高くなりやすく、実際の広さ以上に窮屈さを感じやすくなる点にも注意が必要です。
Q:1人当たり面積はどのように計算しますか?
A:1人当たり面積は、一般的に「オフィス全体の床面積÷執務可能席数(または在籍人数)」で算出します。従来は在籍人数を基準に算出されることが多かったものの、近年はフリーアドレスの普及などにより、実際に執務利用が可能な席数を基準とするケースが増えています。
イラスト:Masaki
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- Q2
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- A2
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- A3
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例えば、部分的なリニューアルなのか、働き方改革を目的とした全面リニューアルなのかによっても必要な費用は異なります。
具体的な金額を知りたい場合は、現状の課題やご希望をお伺いしたうえで、最適なプランをご提案いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。 お問い合わせ
- Q4
まだ具体的な計画がなくても、相談して大丈夫ですか?
- A4
もちろん大丈夫です。
多くのお客様が「何から始めればいいか分からない」という段階からご相談されています。
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- Q5
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