ABWとは?
働く場所を自由に選び生産性を向上させる方法について解説

2020年1月20日公開 / 2025年8月22日更新
  • ABW
  • 生産性

働き方改革が進むなか、オフィスづくりのキーワードとして注目されているのが、ABW(Activity Based Working)です。ABWとは、仕事の内容や目的に合わせて、ワーカーが働く場所を自ら選ぶ働き方のことです。
フリーアドレスとの違いは、ABWはワーカー個人の自席の有無に関わらないこと、例えば固定席があっても実現できるワークスタイルであること、また、オフィスだけではなく、オフィス外を含めた多様な環境から働く場所を選択できることなどがあげられ、より自由度の高い働き方といえます。それでは、ABWについて、もう少し詳しくみていきましょう。

仕事はさまざまなのに、働く場所はいつも同じ?

人によっても、また1日の中でも、仕事にはいろいろな種類のものがありますよね。電話やメールでの対応から始まり、企画書や提案書の作成のような集中して思考したい業務、他部門の社員とのコラボレーションが必要な業務、また見積書の作成やデータ処理、書類チェックなどの個人で行う業務......。内容目的も多種多様であり、仕事としてひとくくりにはできません。チーム、個人のミッションなどによってもさまざまです。

ところが、こうした仕事を進めるオフィス環境はどうかというと、きわめて画一的で、デスクで仕事をするか、せいぜい会議室などを利用するぐらいしか選択肢がないという方もいらっしゃるでしょう。
それに対し、多様な仕事の内容や目的、その時々の状況に応じて、最も適した場をワーカーみずから選択できるように、オフィスにさまざまな場所を設けるオフィスも増えています。オカムラの調査によると、オフィスワーカーの約3割は、現在働いているオフィスに「選択して働くことができるさまざまなスペースがある」と回答し、その8割が「業務に合わせて働く場を使い分けている」ことがわかりました。

ABWとオフィスに設けるスペース

ABWを実践するためのオフィスといっても、必要となるスペースは、業務の内容や目的、さらにはオフィスの規模やワーカー数などによってもさまざまに異なるでしょう。ここでは、オフィスでみられるワーカー個人やチームでの活動をいくつか取り上げて、それらに適したスペースをあげてみます。

 ミーティングエリア: 通常の会議室のように壁で区切っていないミーティングスペース。オープンな雰囲気を保つことができる。
 ベース: 定型執務を行うためのデスクスペース。スタンディングデスクを導入して長時間の作業も健康的に行えるようにするのもよい。
 集中エリア: 速さや正確性を求められる作業、じっくり考えに専念したいときのための場所。パーティションによって外部からの視界と音を遮ったブース。
 BUSHITSU: チームの一体感を高め、メンバーが気軽に立ち寄り、交流できる場。グループワークやブレスト、クイックミーティングなども可能。
 共創エリア: セミナーやイベントなど社内外との交流や、研修などの社内グループワークにも活用できる場。
 収納・共用エリア: フリードレスの導入にあわせて個人の資料を共有スペースに収納し、さらに立ち仕事や立ちミーティングもできるスペース
 カフェエリア: コーヒーブレイクやランチ、くつろいだ雰囲気での作業に適した場。偶発的な出会いも生まれやすく、コミュニケーションが促進される。
 ワークラウンジ: ソファなどが置かれたくつろぎの場。仕事の合間のリフレッシュや、街のカフェのようなほどよい集中をもたらしてくれる場所として利用できる。

BUSHITSUはあまり馴染みがないかもしれませんが、「部室」をイメージしてオカムラが提案するチームの拠り所となる専有スペースであり、そこでの活動はチームに委ねられます。これらは一例ですが、他にも必要となるスペースが、オフィスごとにあるといえます。

働く場を選ぶという主体性が生産性向上につながる

ABWによってワーカーが働く場を選ぶということは、より主体的・能動的に行動することにもつながります。主体性とは、自らの意思や判断にしたがって行動することです。その「判断」で最も重視されるのが「目的」です。つまり、働く環境を主体的に選ぶということは、「その仕事を何のために行うのか」をワーカーが考えるということなのです。
また、人間は主体的な行動をとると、それによって生じる結果に対して自分が責任をとろうという意識が生まれ、失敗しないようにいろいろな工夫をこらします。このように、主体性が活かされることで仕事の生産性が向上することに結びついていくのです。実際に、オカムラの調査でも、ABWを実践する効果として、「集中できる」「仕事の効率が上がる」ことを実感しているワーカーは半数以上にのぼっています。

このようなABWの効果を発揮するためにも、オフィスに必要となる多様なスペースを用意しておくことが大切だといえます。

オカムラの家具で実現する「ABW」

オカムラでは、働き方やオフィス環境が多様化する中で使う人の個性を尊重し、心に響く家具を生み出しています。

ファニチュアシリーズ「Lives(ライブス)」

Lives(ライブス)は、チェアやテーブル、パネルなど多彩なラインナップが揃い、ABWを快適にするオフィスファニチュアシリーズです。一人での集中作業、少人数のアクティブなミーティング、カフェのようなリラックス空間など、さまざまなエリアをLivesシリーズで構築することが可能です。

ミニマムサイズのワークブース「drape(ドレープ)」

drape(ドレープ)は吸音パネルがワーカーを包み込む、ミニマムサイズのワークブースです。視線がブースの角に向かっているため、周囲の人の動きが視界に入りにくく、じっくり仕事に専念したい時の集中エリアに適しています。

おすすめ記事

おしゃれなオフィス実例10選! 共通点から学ぶ空間づくりのヒント

オフィスレイアウトパターン5選! デスク間の基準寸法も解説

固定席・フリーアドレス・グループアドレスの座席運用を比較!

20年でどう変わった? オフィスの1人当たり面積の推移をデータで読み解く

オフィスの休憩スペースのメリットとは? 働きやすさと生産性を両立

会議室の主要レイアウトを8種類ご紹介! シーン別に最適な配置を解説

コラム記事 一覧を見る

新着納入事例

異なる部門が交わり、自由なワークスタイルを実践するラボオフィス

株式会社オカムラ 名古屋ラボオフィス『Cent Labo』


巧みなゾーニングで交流と働きやすさを両立、造船メーカーの挑戦

今治造船株式会社 様


多くの社員が集う社員食堂をスムーズな動線で心地よく

株式会社村田製作所 様


長崎のエンジニア人材確保へ、働きやすくエネルギッシュな空間

ビーウィズ株式会社 様


店内で商品を選ぶように席を選ぶ、ドラッグストアの本社オフィス

株式会社ウェルパーク 様


固定席+共有エリアで集中と交流を両立。70周年企業の新拠点

株式会社シバタ 様


事例記事 一覧を見る

オフィスづくりに関するQ&A

Q1

オフィス移転や改装を検討しはじめるタイミングは、いつが良いですか?

A1

社員数や内容によって異なりますが、100名規模のオフィスの場合、移転予定の1年前、改装の場合は6か月前からの検討が理想です。
現状課題の整理や物件選定、レイアウト設計、施工期間などを考慮すると、余裕をもった準備期間を設けることでスムーズに進められます。
オカムラでは、初期段階からお客様のニーズや課題を伺い、スケジュール立案や検討資料づくりをサポートしています。 お問い合わせ

Q2

オフィスづくりを依頼すると、どこまでサポートしてもらえますか?

A2

オカムラでは、オフィスの企画・設計・施工・運用までを一貫してサポートします。
働き方や組織課題を丁寧にヒアリングし、レイアウト、家具、照明、ICT環境などを総合的にデザインします。
また、移転・改装後のアンケートや改善提案を通して、働き方の変化に寄り添った空間づくりを支援します。 オカムラのオフィスづくりソリューション

Q3

オフィス改装の費用はどのくらいかかりますか?

A3

改装の内容や規模、目的によって費用は大きく変わります。
例えば、部分的なリニューアルなのか、働き方改革を目的とした全面リニューアルなのかによっても必要な費用は異なります。
具体的な金額を知りたい場合は、現状の課題やご希望をお伺いしたうえで、最適なプランをご提案いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。 お問い合わせ

Q4

まだ具体的な計画がなくても、相談して大丈夫ですか?

A4

もちろん大丈夫です。
多くのお客様が「何から始めればいいか分からない」という段階からご相談されています。
オカムラでは、丁寧なヒアリングを通して課題整理や事例紹介、スケジュール・費用感の目安提示など初期検討をサポートします。
「移転か改装か迷っている」、「まずはイメージを膨らませたい」など、どんな段階でもお気軽にご相談ください。 お問い合わせ

Q5

自社に合った働き方やレイアウトがわかりません。どうすれば良いですか?

A5

オカムラでは、オフィスづくりの初期検討をサポートする無料ツール「OFFICE KIT」をご用意しています。
質問に答えるだけで、自社に合った働き方の方向性やレイアウトタイプが見えてきます。
まだ具体的な計画がなくても活用できる内容です。ぜひ一度お試しください。 OFFICE KITで診断する