オフィスにアロマを取り入れるメリットは?
導入のポイントを解説

2026年3月3日公開
  • ウェルビーイング

働き方が多様化する中、オフィスにはただ働くだけの空間ではなく、心地よく働ける環境が求められるようになっています。その要素のひとつとして注目されているのが「アロマ」です。視覚や聴覚に加え、嗅覚を意識した空間演出は、社員の集中力や快適性を高めるだけでなく、企業イメージの向上にもつながります。

本記事では、オフィスにアロマを取り入れる目的やメリット、空間別に選ばれやすい香り、導入時のポイントや注意点、そして実際の事例をとおして、香りを活かした快適なオフィスづくりのヒントを紹介します。

1. なぜオフィスに「アロマ」が取り入れられるのか

近年、オフィス空間の設計においては「五感へのアプローチ」が重視されるようになっています。これまでのオフィスは、視覚(デザインやレイアウト)や聴覚(BGMや音環境)への配慮が中心でしたが、最近では、嗅覚(アロマによる演出)も空間づくりの一要素として注目を集めているのです。

アロマは視線を奪うことなく、さりげなく空間全体に働きかける特性があります。そのため、無意識のうちに人の感情や記憶に残すことができ、オフィスに対して「心地よい」「また来たい」といったポジティブな印象を与えられるでしょう。

実際に、アットアロマ株式会社が2024年に日本全国の2059歳のアロマ・香りに興味関心を持つ方・今までにアロマ製品を購入または利用した方を対象に実施した調査によれば、「香りの空間演出があるオフィスやコワーキングスペース」に対して、「また来たいと思う」「清潔感がある」「印象・記憶に残る」「集中力・生産性が向上する」といった肯定的な声が多数寄せられたという結果が出ています。

出典:アットアロマ株式会社「<意識調査> 香りによる空間演出がある施設は「好意的な印象 93.2%」「また行ってみたい 86.8%」」(2024年8月)より引用して作図

こうした調査結果からもわかるように、テレワークが定着しつつある今、オフィスは単なる「働く場所」以上の価値が求められています。アロマを活用した空間演出は、「ここで働きたい」「また来たい」と思えるような、体験価値の高いオフィスづくりを支える手段のひとつとして、企業から注目されるようになっているのです。

五感を刺激するオフィスとは? 視覚や聴覚を取り入れた環境づくり

2. オフィスにアロマを取り入れるメリット

オフィスにアロマを取り入れることで、空間の雰囲気づくりだけでなく、働く人の心身にもさまざまな良い影響をもたらします。ここでは、代表的な3つのメリットを紹介します。

気分転換やリフレッシュにつながる

アロマは、気分転換やリフレッシュなど気分を切り替えるきっかけとしても有効です。長時間のデスクワークや連続したオンライン会議の合間に、アロマがほんのり漂う空間に移動することで、心と体の緊張を一時的にほぐし、仕事から一時的に離れて気持ちをリセットしやすくなります。集中とリラックスのバランスを取るために、アロマは有効な手段のひとつといえるでしょう。

集中しやすい環境づくりを支える

集中しやすい環境づくりには、仕事を妨げる要素をできるだけ減らすことが重要です。アロマは、空間に清涼感や落ち着きをもたらすことで気分を切り替えやすくし、業務に集中しやすい環境づくりをサポートします。ただし、あくまでアロマは補助的な役割であることを忘れてはいけません。レイアウトや音環境、照明などと組み合わせて検討し、五感に働きかける環境をつくるための手段のひとつとして活用しましょう。

企業のイメージづくりにつながる

嗅覚は、視覚のように強く主張するものではありませんが、無意識のうちに空間の印象に影響を与える力があります。特に、エントランスや来客対応エリアは、企業の顔となる重要な空間です。アロマを取り入れることで、訪れた人に清潔感や心地よさを感じてもらいやすくなり、そうしたポジティブな体験が企業のブランディングにもつながります。アロマは、見えないおもてなしとして、企業イメージをさりげなく支える存在になるでしょう。

3. 【スペース別】選ばれやすいアロマの種類と選び方

オフィスでアロマを取り入れる際は、香りの「効果」だけでなく、「どのスペースで、どのように使うか」という視点がとても重要です。空間の用途に合ったアロマを選ぶことで、より効果的に雰囲気づくりや気分の切り替えをサポートできます。ここでは、代表的なオフィススペースごとに選ばれやすいアロマの種類と選び方のポイントを紹介します。

執務・集中スペースで使われやすいアロマ

執務スペースや個人作業を行うエリアでは、集中を妨げず、空間に清涼感をもたらすアロマが選ばれやすい傾向があります。ローズマリーやペパーミント、レモンなどの香りは、爽やかさとともに気分をクリアに整えてくれるため、集中力を高めたい場面に適しています。ただし、強い香りはかえって集中の妨げになる可能性もあるため、ほのかに香る程度に抑えて使うことがポイントです。

リフレッシュスペースで使われやすいアロマ

ラウンジやカフェなどのリフレッシュスペースでは、リラックスや気分転換を促すアロマが好まれます。ラベンダーやジャスミン、ゼラニウムなど、やわらかく落ち着いた印象の香りがよく使われます。このようなスペースでは、「気持ちを切り替える」ことを目的に、心身の緊張をほぐしやすい香りを選ぶとよいでしょう。

エントランスに使われやすいアロマ

来訪者を迎えるエントランスや共用部は、オフィス全体の第一印象を左右する重要な空間です。そのため、クセが少なく、万人受けしやすいアロマが選ばれる傾向があります。強い個性を出すのではなく、さりげなく空間の印象を整えてくれる香りを選ぶことがポイントです。

4. オフィスにアロマを導入する際のポイント

オフィスにアロマを取り入れる際には、「種類を選ぶ」だけでなく、どのように活用・運用していくかまで含めた設計が重要です。ここでは、アロマ導入時に押さえておきたい3つのポイントを紹介します。

スペースごとに使い分ける

オフィス全体に同じアロマを一律で使うのではなく、スペースの用途に応じて使い分けることが大切です。集中が求められる執務スペースには清涼感のある香り、リフレッシュスペースにはリラックスできる香り、エントランスには清潔感を印象づける香りなど、エリアごとの理想とする過ごし方に合わせてアロマを選ぶことで、空間の意図がより明確に伝わります。

香りの強さは「控えめ」を前提にする

オフィスでアロマを取り入れる際には、香りの強さに配慮することが欠かせません。香りは人によって感じ方が異なるため、導入時には「ほのかに香る」程度を基本とし、空間に自然に溶け込むよう設計することが大切です。社員が長時間過ごすオフィスだからこそ、みんなが快適に心地よく過ごせる空間にしましょう。

運用ルールをあらかじめ決めておく

アロマの導入は一度きりではなく、継続的な管理と運用が必要です。香りの強さや使用時間、メンテナンス方法、香りの変更頻度など、あらかじめルールを定めておくと、誰が管理しても安定的に運用しやすいでしょう。また、季節や空間の変化に合わせて香りを見直すのもおすすめです。こうした運用面を含めて計画的に設計することが、アロマを効果的に活用するカギになります。

5. オフィスにアロマを導入した事例

ここでは、アロマを空間づくりの一要素として取り入れ、五感に働きかける環境を実現している企業事例を紹介します。

個室ブースにアロマを取り入れた集中できる空間

株式会社セルム 様

株式会社セルム 様では、執務エリア内にフルクローズ型の個室ブースを設置し、WEB会議やオンライン研修など、少人数での利用に対応。このブースには、街並みをイメージした配置やグリーンの演出とともに、それぞれ異なる香りのアロマが取り入れられています。視覚と嗅覚の両面から落ち着いて作業ができる環境を整えることで、集中力を高め、心地よく作業に没頭できる空間を実現しました。

「行かなくてもいい」時代に「行きたくなる」オフィスをつくる意味|株式会社セルム

五感を刺激するエントランス空間を演出

株式会社エスユーエス 様

株式会社エスユーエス 様では、先端技術を活用した受付の先に、自然の映像と音に包まれたエントランス空間を設計。プロジェクションマッピング、自然音、そしてアロマの香りによって、視覚・聴覚・嗅覚に訴えかける演出を実現しています。視覚や聴覚だけでなく、嗅覚に働きかける香りを取り入れることで、印象に残りやすく、来訪者の体験価値を高める効果が生まれています。

社員同士の盛んな交流をブランディングに昇華するオフィス|株式会社エスユーエス

香りと音で集中と交流を切り替えるワークエリア

福井コンピュータホールディングス株式会社 様

福井コンピュータホールディングス株式会社 様では、フリーアドレスを導入した執務フロアを、集中と交流をゆるやかにつなぐ空間として設計しています。エリアごとにBGMとアロマの香りを使い分けることで集中とリラックスの切り替えを促し、社員が目的や気分に応じて自由に働く場所を選べる環境を構築。五感へのアプローチを通じて、メリハリのある働き方と快適なオフィス体験が生まれています。

社内外の交流とイノベーションを生み出すオフィス|福井コンピュータホールディングス株式会社

6. アロマはオフィス環境を整える要素のひとつとして機能する

嗅覚は、視覚や聴覚のように強く主張するものではありません。しかし、無意識のうちに空間の雰囲気に働きかけ、社員や来訪者の体験価値を高める力を持っているのです。例えば、執務スペースに清涼感のある香りを取り入れて集中を促したり、リフレッシュスペースにリラックスできる香りを漂わせて気分転換のきっかけをつくったりと、空間の用途に応じて香りを使い分け、働く環境にメリハリを与えます。

こうしたアロマの活用は、働きやすさや居心地の良さを感じやすくする助けのひとつとなり、社員の生産性やエンゲージメントの向上にも寄与するのです。一方で、アロマはあくまで空間づくりの一要素にすぎません。アロマだけに頼るのではなく、レイアウト、照明、音環境、家具選定などと組み合わせてトータルで設計することが、快適なオフィス環境をつくる上で重要です。自社の働き方や空間の目的に合った形でアロマを取り入れ、オフィスづくりを支える有効な手段としてみてはいかがでしょうか。

オカムラでは、働きがいを高めるウェルビーイングなオフィスづくりを支援しています。アロマをはじめとした空間設計にご興味のある方は、ぜひ以下の資料もご活用ください。

よくある質問

Q:オフィスにアロマを導入することで、どのようなメリットがありますか?

A:視覚や聴覚だけでなく、嗅覚への働きかけとしてアロマを取り入れることで、企業やオフィスのブランディングや気分転換、集中しやすい環境づくりに寄与します。ただし、アロマだけで快適な職場環境が完成するわけではありません。照明や音環境、レイアウトなど、ほかの要素と組み合わせて総合的に設計することで、香りの効果を最大限に活かした快適な職場環境が実現します。

Q:オフィスにアロマを導入する場合、どのように香りを選べば良いですか?

A:アロマの選定は「どの香りが良いか」よりも、「どの空間で、どのような目的で使うか」を基準に考えることが重要です。例えば、執務スペースではローズマリーやレモンなど清涼感のある香り、リフレッシュスペースではラベンダーやジャスミンなどリラックスできる香り、エントランスには清潔感があり万人に好まれやすい香りが適しています。空間の用途や過ごし方に合わせて香りを使い分けることで、効果を自然に活かせるでしょう。

Q:アロマを導入する際のポイントを教えてください。

A:アロマを導入する際は、スペースごとの目的に合った香りを使い分けると、空間の意図がより伝わりやすくなります。また、香りが強すぎると不快に感じる場合もあるため、空間に自然に溶け込む程度にとどめましょう。なお、アロマは導入して終わりではありません。香りの強さ調整、メンテナンスなどの運用ルールを明確にすることで、心地よいオフィス環境を維持できます。


イラスト:Masaki

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オフィスづくりに関するQ&A

Q1

オフィス移転や改装を検討しはじめるタイミングは、いつが良いですか?

A1

社員数や内容によって異なりますが、100名規模のオフィスの場合、移転予定の1年前、改装の場合は6か月前からの検討が理想です。
現状課題の整理や物件選定、レイアウト設計、施工期間などを考慮すると、余裕をもった準備期間を設けることでスムーズに進められます。
オカムラでは、初期段階からお客様のニーズや課題を伺い、スケジュール立案や検討資料づくりをサポートしています。 お問い合わせ

Q2

オフィスづくりを依頼すると、どこまでサポートしてもらえますか?

A2

オカムラでは、オフィスの企画・設計・施工・運用までを一貫してサポートします。
働き方や組織課題を丁寧にヒアリングし、レイアウト、家具、照明、ICT環境などを総合的にデザインします。
また、移転・改装後のアンケートや改善提案を通して、働き方の変化に寄り添った空間づくりを支援します。 オカムラのオフィスづくりソリューション

Q3

オフィス改装の費用はどのくらいかかりますか?

A3

改装の内容や規模、目的によって費用は大きく変わります。
例えば、部分的なリニューアルなのか、働き方改革を目的とした全面リニューアルなのかによっても必要な費用は異なります。
具体的な金額を知りたい場合は、現状の課題やご希望をお伺いしたうえで、最適なプランをご提案いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。 お問い合わせ

Q4

まだ具体的な計画がなくても、相談して大丈夫ですか?

A4

もちろん大丈夫です。
多くのお客様が「何から始めればいいか分からない」という段階からご相談されています。
オカムラでは、丁寧なヒアリングを通して課題整理や事例紹介、スケジュール・費用感の目安提示など初期検討をサポートします。
「移転か改装か迷っている」、「まずはイメージを膨らませたい」など、どんな段階でもお気軽にご相談ください。 お問い合わせ

Q5

自社に合った働き方やレイアウトがわかりません。どうすれば良いですか?

A5

オカムラでは、オフィスづくりの初期検討をサポートする無料ツール「OFFICE KIT」をご用意しています。
質問に答えるだけで、自社に合った働き方の方向性やレイアウトタイプが見えてきます。
まだ具体的な計画がなくても活用できる内容です。ぜひ一度お試しください。 OFFICE KITで診断する