来たくなるオフィスの魅力は 『ヨコ・タテ・ナナメ』のつながり
――出社の価値を高める改装プロジェクトで 社員が自然と集う場へ
中外製薬株式会社 様

来たくなるオフィスの魅力は 『ヨコ・タテ・ナナメ』のつながり
――出社の価値を高める改装プロジェクトで 社員が自然と集う場へ
Project Data
- プロジェクト名
- 中外製薬株式会社 本社改装プロジェクト
- 面積規模
- 15,330㎡
- 人員規模
- 約2000名
- 完成年月
- 2024年11月
Point !
リモートワークが定着している今、出社の意義を高めるためには、対面コミュニケーションの活性化とオフィスの価値向上が重要です。中外製薬のオフィスでは、こだわりの食材を使ったメニューや社内イベントが楽しめるカフェエリアが新設されるなど、社員が「出社したくなる」空間づくりが進められています。また、部門を越えた交流が生まれるハブスペースでは、フロアごとに異なるテーマやデザインが施され、新鮮な発見が楽しめます。執務エリアには生産性を高める機能的な設備が整えられ、チームビルディングを支える専用エリアも用意。こうした工夫により、「出社することの価値」を実感できる環境が実現されています。
Project Story
中外製薬様のファーストオーダー
『ヨコ・タテ・ナナメ』につながる
来たくなるオフィスへのアップデートを
働く場の在り方が変化する中、わたしたちは2016年に本社機能の一部集約と再編を行いました。しかし、2020年のコロナ禍による出社率の低下に対応するため、増床した2フロアを返却。同時に全面改装を実施し、対話やコラボレーションが生まれやすい空間を実現しています。
改装後の運用を進める中で、対面コミュニケーションのさらなる活性化が必要だと考えるようになりました。そこで、アフターコロナの出社率向上も見据えながら、12階を再び増床し、従来のコラボレーションを軸としたコンセプトをアップデート。社員同士の「横のつながり」、上司・部下の「縦のつながり」、部門を越えた「斜めのつながり」が自然に生まれ、強まる場を目指します。 今回の改装では、社員が自社への愛着と誇りを持ち、働く意欲を高められる魅力的なオフィス環境の実現を期待しています。
ゾーニングと紹介するエリア
居心地よい空間で迎え、
社内外をつなぐエントランス
12階には来客機能を集約し、訪れる人を温かく迎える受付が設けられています。背面には、コーポレートカラーを基調とした青色のグラデーションが施され、企業の誠実さと親しみやすさを保ちつつ、洗練された印象を与える空間に。天井の円形のモチーフには、点と点がつながって線となり、最終的に円となるという意味が込められており、人と人とのつながりを象徴するデザインです。
受付の向かい側には、来訪者が利用できるウェイティングエリアやコワーキングスペースも併設され、社外の方との“ナナメ”のつながりを生む場として機能しています。オフィス全体のテーマである、ヨコ・タテ・ナナメのつながりを体現する、新たな交流の可能性を広げる空間です。
社員が自然と集う
「来たくなる」カフェエリア
『KOM』は、社員がふと立ち寄り、リラックスして対話できる場所です。『KOM』はコミュニケーションのドイツ語「kommunikation」に由来。日本語の音の近さから「来る」という想いも込められています。
ランチタイムは多くの社員で賑わうほか、気分転換の休憩やカジュアルな打ち合わせの場として、さまざまな年代と部門の社員が訪れています。「久しぶり!」と声を掛け合う姿も見られ、和やかな雰囲気が伝わってきます。どの時間帯でも心地よく過ごせるよう、体内リズムに合わせて色温度を調整できる照明システムが導入されている点も特徴的です。
個人の効率と チームの一体感を高める
執務エリア
執務エリアはフリーアドレスを採用しつつ、社員は自分の部門が配置されているフロアに出社するスタイルです。各フロアには、仕切り付きの個人スペースや会話しやすいオープン席、チーム作業に適した専用スペースがあり、業務内容に応じて働く場所を自由に選べるよう設計されています。
また、昇降デスクやフルクローズ型ワークブースといった高機能な設備が、個人の作業効率を向上させます。さらに、チームビルディングを促進するエリアも整備されており、出社することの価値を高める工夫が散りばめられています。
部門を超えたつながりを生む
多彩な集いの場
H型のビル形状を活かし、各フロアの中央部分に、さまざまな部門の社員が集まり、交流できるラウンジエリアが設けられています。休憩や打ち合わせ、仕事の場として多目的に利用され、社員同士のコラボレーションを広げるハブになる場所です。
フロアごとに工夫されたデザインで、それぞれが独自の表情を持ち、気分や目的によって場を選べるようになっているのが印象的。自販機のメニューもフロアごとに異なり、別フロアから訪れる社員も多く、思わぬ出会いや交流が生まれるきっかけになっています。
多様な会議エリアが
対話と発信を支える
12階の会議エリアには、80名収容の大会議室から少人数用の個室まで、さまざまなタイプの部屋が揃えられています。
こちらの会議室は最大16名に対応しており、エントランスエリアと同様に、安定感と落ち着きを感じさせるトーンで設えられています。社外の方との会議はもちろん、社内のミーティングや研修、勉強会にも活用され、Web会議用の設備も完備。社内外を問わずスピーディーにつながる環境が整い、常に高い利用率を維持しています。
About this Project
- 業種
- 医薬品製造業
- 企業名
- 中外製薬株式会社
- 所在地
- 東京都中央区日本橋室町2-1-1 日本橋三井タワー
- デザイナー
- 関連タグ
Credit
- 編集
- 水上アユミ(ノオト)、オカムラ編集部
- 執筆
- 合戸奈央
- 写真
- 山内紀人、他
記事内の情報は取材当時の情報です。
この記事は2025年2月 5日に公開されたものです。





![中外製薬株式会社 様の事例写真/[12Fウェイティングエリア]訪問者の緊張が和らぐように設計されており、グリーンとともに、ソファやテーブルがゆったりと配置されています。インフォーマルな会話や軽い打ち合わせも可能です。](https://okamura.imgix.net/casestudy/office/250102/img/250102_ph_02.jpg)
![中外製薬株式会社 様の事例写真/[12Fコワーキングエリア]OCポータブルバッテリーやゲストWi-Fiが完備され、来訪者が快適に作業できる環境として整備。床材と植栽でエリアがゾーニングされているため、用途に応じた使い分けが可能に。落ち着いた色調で集中しやすい雰囲気です。](https://okamura.imgix.net/casestudy/office/250102/img/250102_ph_03.jpg)
![中外製薬株式会社 様の事例写真/[12F ウェイティングエリア(情報発信エリア)]100周年を迎えた中外製薬の歴史を来訪者に紹介するなど、さまざまな情報を発信する場です。壁に埋め込まれたディスプレイではこれまでの歩みが放映され、同社の先進的な取り組みや実績に触れることができます。](https://okamura.imgix.net/casestudy/office/250102/img/250102_ph_04.jpg)
![中外製薬株式会社 様の事例写真/[17F『KOM』外観]ガラス張りの壁で執務エリアと仕切られ、視覚的な開放感を保ちながら、食事やコミュニケーションを楽しむ場として区分けされています。気持ちの切り替えを促しながら、匂いや音をさえぎる役割も担います。](https://okamura.imgix.net/casestudy/office/250102/img/250102_ph_06.jpg)
![中外製薬株式会社 様の事例写真/[17F『KOM』のガラス壁]ガラスに描かれた木のシンボルは、『ヨコ・タテ・ナナメ』で構成した漢字の「来」を取り入れたデザインです。部門や年代を超えた交流の場になるようにと願いが込められています。](https://okamura.imgix.net/casestudy/office/250102/img/250102_ph_07.jpg)
![中外製薬株式会社 様の事例写真/[17F『KOM』]厨房を備え、美味しくて、健康的で、作り手の温かみが感じられる食事を提供。旬野菜のサラダバーも人気を集めています。終業後2時間限定のバータイムは、同僚でも上司部下でも誰でも気軽に誘いやすいと好評です。](https://okamura.imgix.net/casestudy/office/250102/img/250102_ph_08.jpg)
![中外製薬株式会社 様の事例写真/[17F『KOM』]U字型のカウンター席では、常駐している専任のコミュニティービルダーがさまざまなコミュニティビルディングイベントを小さく・たくさん・絶え間なく開催し、『ヨコ・タテ・ナナメ』の糸をつなぎます。](https://okamura.imgix.net/casestudy/office/250102/img/250102_ph_09.jpg)
![中外製薬株式会社 様の事例写真/[17F『KOM』]インテリアは温かみがあり、親しみやすいトーンでまとめられています。さらに、車椅子の方も使いやすい高さのテーブルやスロープが設置され、誰もが快適に利用できるインクルーシブなデザインです。](https://okamura.imgix.net/casestudy/office/250102/img/250102_ph_10.jpg)
![中外製薬株式会社 様の事例写真/[16F 執務エリア]複数人で利用できるデスクが配置され、程よい距離感で会話が生まれやすくなっています。やわらかなフォルムのワークチェアは心地よさと、仲間と共にいる安心感を得られます。](https://okamura.imgix.net/casestudy/office/250102/img/250102_ph_12.jpg)
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![中外製薬株式会社 様の事例写真/[16F BUSHITSU]執務エリア内に設けられたやぐら型スペースは、囲われ感がありながらも完全な個室ではないため、周囲とのつながりを保ちながら利用できます。短時間のミーティングやグループでの共同作業に活用されています。](https://okamura.imgix.net/casestudy/office/250102/img/250102_ph_15.jpg)
![中外製薬株式会社 様の事例写真/[16F BUSHITSU]フリーアドレスでもチームで集まりやすいように、チーム単位で利用できる個室・半個室の執務席です。背面型の座席配置は、個人作業の集中力を高め、振り返れば仲間と意見交換も可能。作業効率の向上が期待できます。](https://okamura.imgix.net/casestudy/office/250102/img/250102_ph_16.jpg)
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![中外製薬株式会社 様の事例写真/[17Fラウンジエリア]ライブラリとしての活用を想定し、書棚が備えられています。本を通じた新しいコミュニケーションが生まれるように、書店員による選書や、社員のおすすめ書籍の紹介など、さまざまな企画が予定されています。](https://okamura.imgix.net/casestudy/office/250102/img/250102_ph_19.jpg)
![中外製薬株式会社 様の事例写真/[18Fラウンジエリア]雲や芝生をイメージした装飾と明るい色使いが、外にいるような開放感を演出しています。動かせるモニターが備えられ、勉強会や説明会が行われることも。ステップベンチに腰掛けながら、構えずに話を聞けます。](https://okamura.imgix.net/casestudy/office/250102/img/250102_ph_20.jpg)
![中外製薬株式会社 様の事例写真/[19Fラウンジエリア]木目調の床とナチュラルカラーの家具が、穏やかな雰囲気を醸し出しています。データドリブンな業務と対人コミュニケーションが中心の部門が共存するこのフロアでは、意外な交流からシナジーが生まれることが期待されています。](https://okamura.imgix.net/casestudy/office/250102/img/250102_ph_21.jpg)
![中外製薬株式会社 様の事例写真/[12F来客会議室]商談など来客とのビジネスシーンで利用されるこの会議室は、大型スクリーンを備え、説明やプレゼンテーションにも適しています。品格と高級感が際立つ設えで、ビジネスの場にふさわしい重厚な雰囲気が漂います。](https://okamura.imgix.net/casestudy/office/250102/img/250102_ph_23.jpg)
![中外製薬株式会社 様の事例写真/[12F会議室前]木陰での語らいをイメージしたベンチとハイカウンターが設置されており、会議後の立ち話や一息つくのに便利なスペース。ラフな雰囲気で会話ができるため、心理的な距離を縮めることにも役立ちそうです。](https://okamura.imgix.net/casestudy/office/250102/img/250102_ph_24.jpg)
![中外製薬株式会社 様の事例写真/[12F会議室前]照明には、改装テーマである『ヨコ・タテ・ナナメ』がデザインされ、さり気ない意匠ながらも細部へのこだわりが感じられます。洗練された空間をより引き立てるアイテムです。](https://okamura.imgix.net/casestudy/office/250102/img/250102_ph_25.jpg)
![中外製薬株式会社 様の事例写真/[12F会議室前]ハイカウンターの裏側にはダストボックスが設置されており、会議で使用したペットボトルや紙コップなどをすぐに処分できるよう配慮されています。清潔さを保ちながら、スマートな空間を維持するための気配りが感じられます。](https://okamura.imgix.net/casestudy/office/250102/img/250102_ph_26.jpg)
![中外製薬株式会社 様の事例写真/[12Fスタジオ]吸音壁とグリーンバックが備えられた個室は、社内外に向けたさまざまなオンライン配信に対応するスタジオです。専用の環境で、スムーズな進行をサポートしています。](https://okamura.imgix.net/casestudy/office/250102/img/250102_ph_27.jpg)











