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「はたらき方のトレンド 2026」RELEASE

2025.12.12
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オカムラでは、2026年のテーマとして「偏愛相乗化社会」を設定しました。
もしも、働く環境にも「偏愛」や「推し」が生まれたら、
仕事への情熱はさらに強くなり、今よりもっと大きな成果が生まれるかもしれません。
さらにその「偏愛」がぶつかり合ったり、高めあったりする「相乗」の状態になれば
働き方や働く環境が大きく変わる原動力になるでしょう。
オカムラは、働き方を考えるために
4つのカテゴリー「成長」「健康」「組織」「効率」を設定し、
それらと「偏愛相乗化社会」を掛け合わせ、
2026年にトレンドとなりそうな働き方を考察しました。


2026年は「偏愛相乗化社会」を目指す

オカムラでは、2026年の「はたらく」を取り巻く社会的背景として、「偏愛相乗化社会」という言葉を設定しました。近年、「偏愛」という言葉が「好きなものに意識を集中することで、心や生活が豊かになる」という意味合いで使われることが増えています。そこで私たちが注目したのは、「偏愛」が生み出す情熱です。「誰が何と言おうとも、私はこれが好き」という想いの強さ。そのパワーが働く現場にも投入されたとき、想像を超える素晴らしい成果が生まれるのではないでしょうか。

そして、実は職場にはさまざまな偏愛を持った人が集まっています。個人の偏愛と偏愛が結びつけること、つまり偏愛を相乗させることが、イノベーションの促進につながっていくでしょう。さらには、これからの組織では、はじめはバラバラの方向に向いている個人の偏愛を、一つの目標に向けて同じ方向に揃えていくことも、不可欠となるかもしれません。

「偏愛相乗化社会」という言葉には、そんな期待を込めました。


2026年 はたらき方の4つのキーワード

2026年の働き方を考えるためのカテゴリーとして設定したのは、「成長」「健康」「組織」「効率」の4つです。そこに「偏愛」を掛け合わせ、「越境学習」「感覚多様性」「スキルベース」「パートナーAI」という4つのキーワードを抽出し、2026年のはたらき方のトレンドとして位置づけました。


偏愛×成長

1つめのキーワードは「越境学習」です。自分が好きだと思う分野をどんどん探索し、たくさんの宝を発見する。面白いと思うことだからこそ深くまで潜れるし、何に価値があるかもわかるはずです。普段の仕事の枠を超えて、新しい分野に踏み込んでいく。「偏愛」をさらに深めるための越境が必要になってきます。


偏愛×健康

2つめの章のキーワードは「感覚多様性」です。視覚、聴覚といった五感の感受性は人それぞれ。敏感な人がいれば、それほど気にならない人もいます。でも、「照明はこれくらいの明るさが好き」「これくらいの音量で音楽が流れていたほうが集中できる」など、環境に対する「偏愛」は、誰しもが持っているはず。そんな感覚の多様さに配慮したオフィスがあればもっと豊かに働けるはずです。


偏愛×組織

3つめの章のキーワードは人材育成や人事に関する分野のワード「スキルベース」です。組織の中で個々人が持っているスキルは、会社から言われたから身についたものだけでなく、自主的に見つけたものも多いはずです。たとえば、自分がこだわりを持っている仕事用のツールや、お気に入りの作業形式を活用することも、「偏愛」の1つ。そういったこだわりの「偏愛仕事術」を集めることで、今までの働き方をアップデートできるはずです。


偏愛×効率

最後のキーワードは「パートナーAI」です。数年前から、AIとの共存やAIといかに一緒に働くかが、世界的に議論されてきました。現在では、対話型AIが代表するように検索ツールであり、かつ話をし一緒に考えながら仕事を進めていく存在として広まりつつあります。2026年はさらに一歩踏み込み、AIが持つ「ユーザーごとに最適化される」という性質に注目し、「偏愛」を高め合うパートナー(相棒)として捉えてみてもいいかもしれません。


2026年以降の「はたらき方」と社会を
もっと良いものにする

2026年は、一人ひとりの「偏愛」が組織や社会の中で響き合い、「相乗」しながら新しい価値を生み出していく年になるはずです。ワーカーが自分らしさを大切にしながら、他者やAIとも協働し、健やかに成長していくためには、どのような環境が必要なのでしょうか。

「はたらき方のトレンド2026」で掲げた4つのキーワードが、より良い未来の働き方を考える一助となれば幸いです。

PDF版は下記バナーからダウンロードしてご活用ください。

発行日:2025年12月
発行:株式会社オカムラ ワークデザイン研究所