オフィスづくりのコラム

COLUMN

オフィスづくりで覚えておきたい建築工事のA工事・B工事・C工事

2024.4. 1
  • レイアウト

移転や改装の際にはオフィスの工事を行うことがあります。そんなとき、オフィスをはじめとしたテナントの工事は、A工事・B工事・C工事といった区分に分かれているのをご存じですか? これは工事内容や場所によって3種類に分けられた区分のことです。似たような工事内容であっても、工事区分次第ではコストが大きく変わってくるほか、業者を指定する権限がそもそもないケースもあるため、オフィスづくりの担当者の方にはぜひとも知っておいていただきたい用語の一つです。

この記事では、A工事・B工事・C工事の区分の違いや各工事の特徴といった基礎知識、そして工事のコストを抑えるアイデアについてご紹介していきます。

目次

  1. A工事、B工事、C工事の違いを解説

  2. B工事とC工事で押さえておくべきポイント

  3. B工事を減らすアイデア

  4. まとめ

1. A工事、B工事、C工事の違いを解説

工事区分(A工事・B工事・C工事)によって、工事内容、業者を選定する人、費用の負担先は異なります。

A工事は、建物全体に関わる部分の工事であり、ビルオーナーが費用を負担するため、自社ビルを持っていない企業のオフィスづくりの担当者にとってはあまり関係がないかもしれません。

したがって、オフィスづくりの担当者の多くに関係するのは、B工事とC工事だといえます。

■A工事とは?

共用部や建物の躯体がメインとなる工事です。トイレや給湯室、廊下などの共用部の修繕や、総合案内板など、比較的大がかりな工事が該当します。

■B工事とは?

テナントの専有部分でありながら、建物全体に影響を与える部分の工事です。具体的には、建物の内装や空調設備、衛生設備、共用部のセキュリティなどがこれにあたります。

■C工事とは?

テナントの専有部分のうち、建物全体に影響を及ぼさないものを指します。家具・備品、電話、LAN、テナント部分のセキュリティなどの工事は、C工事に該当します。

ただし、多くのケースでC工事に含まれる「電気」「間仕切り」「内装仕上げ」などの一部の工事は、ビルによってはB工事に区分されることもあります。各ビルの工事区分については、貸方基準書等の書類で確認してください。

▲貸方基準書の例

誤った認識のまま工事を進めると、思わぬトラブルにつながる可能性があります。以下の点を中心に確認しておくようにしましょう。

・費用負担は誰がするのか
・誰に工事を依頼すればよいか

2. B工事とC工事で押さえておくべきポイント

同じ工事内容でも、ビルによってB工事かC工事かの工事区分が変わることをご説明しました。では、B工事とC工事では、具体的にどのようなことが異なるのでしょうか。

B工事とC工事の大きな違いは、「工事業者選定の可否」と「コスト」です。

B工事の場合は、ビル指定の工事会社が工事を行います。工事業者がすでに図面データを持っており、ビルの設備にも詳しいことから、施工がスムーズに進む可能性があります。

一方で、管理会社経由で計画を進めなければならず、 工事業者や関係者が多くなるため、作業内容やスケジュールの調整業務が発生し、見積取得に時間がかかる可能性もあります。価格交渉がしづらく、コストが高くなることにも注意が必要です。また、工事自体はビル指定の工事会社が行いますが、基本設計業務は入居者が選定した業者が行う必要があります。

その点、C工事では工事業者の選定をテナント側が行うため、融通が利きやすく、コストや対応を鑑みて、自分たちの希望に合った業者を選ぶことが可能です。ただし、ビル側が持っている図面データやビルの設置情報の入手に手間がかかる点に注意してください。

B工事はコストが高くなりがちなうえ、業者選定やスケジュール等の自由度が低くなってしまいます。コストを抑えて自由度の高いオフィスづくりを行いたい場合は、テナントの裁量で工事を進めやすいC工事が向いていると言えるでしょう。

B工事とC工事の範囲となるテナント専有部分の工事を行う場合は、以下の点について確認しておくと、思わぬトラブルを防ぎやすくなります。

・オフィスづくりのスケジュールやコストを比較的自由に決められそうか

・管理会社経由で工事を進める場合、スケジュールに無理はないか

・想定していた予算内で工事ができそうか

3. B工事を減らすアイデア

では、コストが高くなりがちなB工事の割合を減らすためには、どうすれば良いのでしょうか。

以下では、「間仕切り」と「電気」がB工事、「家具・備品」がC工事に分類されているビルのケースでのアイデアについてご紹介していきます。

アイデア1「間仕切り工事の割合を減らす」

間仕切り工事がB工事に分類されているビルの場合は、壁を建てる間仕切り工事以外の方法で間仕切りをつくると、コストを削減できる可能性があります。

たとえば、「Lives Post Beam」のようなやぐらを設置すれば、空間にゆるやかな区切りをつけることが可能です。こちらは一般的な家具同様に組み立てるだけで設置できるため、C工事の領域である「家具・備品」にあたり、B工事が必要ありません。

Lives Post Beam: アルプスアルパイン様事例

ほかにも、フルクローズの個室が欲しい場合は、フルクローズ型ワークブース 「TELECUBE by OKAMURA」を導入する方法もあります。

TELECUBE by OKAMURA: エイベックス事例

「TELECUBE by OKAMURA」は、ボックス型の個室ブースです。昨今、WEB会議の増加により防音設備の整った環境への需要が高まっています。WEB会議だけでなく、1on1、少人数の会議にも対応できる「TELECUBE by OKAMURA」は、C工事と設置工事のみで完了するため、B工事をする必要がありません。

アイデア2「電気工事を削減する工夫」

電気工事とは、ブレーカーや電源をつくるなど、テナントに電気を通す工事のことを指します。

今回のケースでは、電気工事はB工事に分類されるため、電気工事を減らすことによって、コスト削減につながる可能性があります。

たとえば、持ち運びができるバッテリー「OC Portable battery」の導入は、電気工事を削減する工夫の一つです。「OC Portable battery」は充電して使用する家電のため、設置工事が必要ありません。

イルグルム様事例

床からの配線もなく、すっきりして見えるので、オフィス環境を美しく整えられるメリットもあります。

■まとめ

オフィスの移転や改装のために工事を行う際、注意すべきポイントを下記にまとめました。

・オフィス工事の区分には、A工事・B工事・C工事の3種類がある
・一般的にテナント入居する場合の工事に関わるのは、B工事とC工事
B工事はコストが高いうえに自由度が低くなりがちなので、C工事がおすすめ

同じ工事内容でも、ビルによってB工事かC工事かの工事区分が変わります。B工事は業者があらかじめ決まっていることから価格交渉がしにくく、コストが高くなる傾向があります。そのため、B工事とC工事の区分を理解していないと、必要以上に工事金額を請求されることになりかねません。

また、C工事の場合は、テナント側が業者を選定できますが、コスト面・技術面ともにニーズを満たす業者を自力で探す必要があります。

しかし、オフィスづくりに初めて取り組む担当者の方が工事区分について、一から学ぶのは大変なもの。「工事区分についてリサーチする余裕がない」「詳しい人にサポートしてほしい」と考える担当者の方には、プロジェクトマネジメントサービスの利用がおすすめです。

オカムラでは、専門的な交渉、調整、手続きなどのすべての工程をお客様に代わって、ワンストップで管理するプロジェクトマネジメントサービスを提供しています。

オフィスづくりを進めるうえでの選択肢の一つとして、オカムラのプロジェクトマネジメントサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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イラスト:Masaki