
オフィスカフェが社員の交流を促す!
導入メリットや活用法を紹介
ハイブリッドワークが主流となった昨今、オフィスの存在意義を見直す企業が増えています。テレワークをする社員が増え、対面でのコミュニケーションの機会が減少する中で、オフィスは社員同士の交流を生み出す場としての役割を求められるようになりました。
以前のオフィスでは、喫煙室が休憩や談話の場としての役割も担っていましたが、時代の変化とともに喫煙室は減少しています。一方で、オフィス内にカフェエリアを設け、休憩の場としてだけでなく、執務エリアや会議室とは異なる特性を持つワークスペースとして機能させる企業が増えています。
社員の交流を促すオフィスカフェは、なぜ今注目されているのでしょうか。本記事では、導入によって得られるメリットや、空間をより効果的に活用するためのアイデア、実際の事例を解説します。
目次
- オフィスのカフェエリアとは?
- オフィスのカフェエリアが注目される理由
- オフィスのカフェエリアがもたらす5つのメリット
- カフェエリアの活用方法
- 交流を生む仕掛けアイデア
- 多様なカフェエリアのデザイン事例
- カフェエリアの導入で自然な交流が生まれるオフィスへ
1. オフィスのカフェエリアとは?
カフェエリアとは、ドリンクや軽食などの仕掛けによって働く社員が自然と集まり、会話が生まれることを目的としたスペースを指します。「マグネットスペース」としての機能を果たしているケースもあり、企業によって詳細な定義は異なります。このコラムでは、カフェ・カフェエリア・カフェスペース・カフェテリア・食堂・リフレッシュエリアを下記の通りに区別しました。
■オフィスカフェの種類と定義
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種類 |
定義 |
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カフェ |
オフィスにバリスタや専門スタッフが常駐し、コーヒーを中心としたドリンク提供サービスを付帯する空間 |
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カフェエリア/カフェスペース |
オフィス内に設けられた、軽食や飲み物が置いてあるエリアやスペース |
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カフェテリア/食堂 |
食事を提供する場所を指す。広いスペースを持ち、大勢の人が同時に食事をすることができるように設計されていることが多い |
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リフレッシュエリア |
従業員がリラックスしたり休憩したりするために設けられるエリアを指す |
2. オフィスのカフェエリアが注目される理由
カフェエリアが注目される背景には、社員同士のカジュアルなコミュニケーションを活性化させたいという企業側の狙いがあります。部署や役職の垣根を越えた何気ない会話は、時に新たな発想や交流の種となるためです。
昨今は、業種や企業を問わず、イノベーションが求められる時代。そうしたなかで、部署を越えた偶発的な会話が生まれやすい環境づくりの一環として、従来の執務スペースや会議室とは異なる空間をつくる企業が増えているのです。
これらの背景から、カフェエリアの役割にも注目が集まっています。従来のような休憩スペースとしての機能だけでなく、社員の交流やイノベーションを生み出す場として、さまざまな機能を持つ空間へと変化しています。
3. オフィスのカフェエリアがもたらす5つのメリット
ここでは、オフィスにカフェエリアを設けることで、どのようなメリットが得られるのかを解説します。
コミュニケーション活性化
オープンなカフェエリアでは、よりカジュアルな交流や意見交換が発生しやすくなります。プライベートな話もしやすくなるため、それまで知らなかった互いの人柄や意外な一面を知るきっかけとなり、社員の心理的安全性やエンゲージメント向上にもつながるでしょう。
生産性向上
開放的なカフェエリアで作業をすることで気分が切り替わり、メリハリがつけられるでしょう。また休憩で立ち寄るついでに他の人と雑談をすることで気分転換もでき、集中力の維持や生産性アップが期待できます。
イノベーション創出
さまざまな部署の人が利用するため、普段のチーム・組織を越えた交流が期待できます。何気ない雑談から新しいアイデアが生まれるほか、社内の知り合いが増えることで、部署をまたいだ連携や新しい取り組みも進めやすくなるでしょう。
採用ブランディング

カフェエリアの充実は、社員の満足度だけでなく、採用面でもプラスに働きます。オカムラが入社2年以内の社員を対象に行った調査では、現在働いているオフィスや働き方について不満を感じる要素として「カフェや食堂などの福利厚生スペースが充実していない」と回答した人が30%にのぼり、ほかの項目を上回って最多となりました。
■就活中にどのようなオフィスに魅力を感じていましたか? ※3つまで選択可
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順位 |
内容 |
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1位 |
通勤の利便性 |
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2位 |
明るくて清潔感がある |
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3位 |
立地やビルのブランド力 |
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4位 |
カフェ・食堂などの福利厚生スペースの充実 |
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5位 |
企業の特徴・文化が表現されている |
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6位 |
洗練されたインテリアデザイン |
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7位 |
ICT環境の充実度 |
出典:入社2年以内のオフィスワーカー調査/2024年/株式会社オカムラ
さらに、就職活動中にどのようなオフィスに魅力を感じたか尋ねたところ、1位「通勤の利便性」、2位「明るくて清潔感がある」、3位「立地やビルのブランド力」に続き、「カフェ・食堂などの福利厚生スペースの充実」が4位という結果になりました。魅力的なカフェエリアを備えることは、採用候補者へのアピールや企業のブランディングにもつながります。
健康促進やウェルビーイング
こうした空間の導入は社員の健康維持やストレス軽減にも効果的です。気軽に利用できる休憩スペースがあることで、職場でもリラックスして過ごせるようになります。オカムラの「オフィス環境のどのような要素が心身の健康につながるか」を聞いたアンケート調査では、「カフェスペース(リフレッシュスペース)」を挙げた方が最も多い結果となりました。

4. カフェエリアの活用方法
ここまでで紹介したメリットを引き出すには、カフェエリアの使い方を工夫することも大切です。ここでは、カフェエリアの活用シーンをご紹介します。
カジュアルなミーティングスペース
カフェのまわりにミーティングスペースや商談スペースを配置することで、カジュアルな雰囲気でミーティングができる空間が実現します。人通りのあるオープンスペースで打ち合わせを行うことで、飛び入り参加率も高まるかもしれません。目的に応じて働く場所を選ぶ「ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)」のスタイルに組み込むことで、効果を最大化できるでしょう。
偶発的なコミュニケーションの場
コーヒーを飲みに立ち寄った際や、休憩でひと息ついているときなど、カフェエリアでは普段関わりの少ない他部署の社員と偶然顔を合わせる機会が生まれます。あらかじめ約束していない相手との何気ない立ち話から、思いがけない情報交換や新しいつながりが生まれることも少なくありません。会議室のように目的を持って人を集める場ではなく、たまたま居合わせた人同士の会話が自然に発生する場として機能します。
1人の時間を過ごす場
カフェスペースはコミュニケーションを促す場でもありますが、1人の時間を持つ場としても活用できます。窓際や壁側にカウンターを設置したり、パーティションで緩く区切ったりすることで、周囲の視線を気にせずに過ごせる空間をつくれます。
情報発信の場
カフェエリアは、日常的に人が行き交う場所だからこそ、情報が自然に広がっていく場としても機能します。社内向けのお知らせやイベント告知、プロジェクトの進捗などを掲示板やモニターで発信する場としても活用できるでしょう。全社一斉メールよりも自然な形で目に留まりやすく、内容によっては足を止めて読んだ人同士の会話のきっかけにもなります。
イベントを行う場
カフェエリアは、日常の休憩スペースとしてだけでなく、イベントを行う場としても活用できます。可動式の家具を採用すればレイアウトの変更が容易になり、社内イベントやリクルート活動にも使えるスペースとなります。社内表彰式や勉強会、採用説明会など、会議室では堅苦しくなりがちな催しも、カフェエリアならリラックスした雰囲気で開催できるでしょう。
5. 交流を生む仕掛けアイデア
カフェエリアをただ設置するだけでは実際の活用につながらないため、自然と人が集まる仕掛けを考える必要があります。より効果的なのは「人が40秒とどまる工夫をすること」です。オカムラが早稲田大学と行った研究では、同じ場所に40秒以上とどまると会話が発生する確率がアップすることがわかっています。

こうした「40秒とどまる」状態をつくるためには、いくつかの工夫ができます。以下に交流を生む仕掛けアイデアを紹介しますので参考にしてください。
美味しい食事やお菓子、ドリンクを用意する
自動販売機やコーヒーメーカー、オフィスコンビニなどを設置し、美味しい食事やお菓子、ドリンクを用意することも効果的です。業務の合間に立ち寄るきっかけになり、カフェエリアへ足を運ぶ動機づけになります。
滞在スタイルに合わせた家具を揃える
テーブルやカウンター、椅子など、飲食しながら過ごせる家具を併せて整えることも重要です。ハイチェアのようにサッと立ち寄れる家具から、ソファのように腰を据えられる家具まで組み合わせることで、短時間の休憩から長めの雑談まで、さまざまな滞在スタイルに対応できます。
情報交換の場としての機能を持たせる
カフェエリアに情報交換の場としての機能を持たせるのも一つの方法です。例えば、掲示板や自己紹介カード、おすすめ図書コーナーなどと合わせて導入してみましょう。掲示された内容が話のきっかけとなり、同じ話題に興味を持った社員同士が言葉を交わしたり、共通点を持つ相手との交流が生まれたりします。
自然に利用できる動線を意識する
カフェエリアを執務エリアと切り離して独立させると、従来通り「休憩するだけの場所」にとどまってしまいがちです。人の行き来が多い動線上に配置したり、執務エリアとの境界線をあえてあいまいにしたりすることで、自然と足を運びやすい空間になります。

社内コミュニケーションを促すオフィスデザイン事例! 15の事例とともに解説
オフィスでのお酒をどう活かす? 交流を生む空間づくりのポイント
6. 多様なカフェエリアのデザイン事例
ここでは、企業規模ごとにカフェエリアを設計した事例を紹介します。
【小規模】気負わない交流が生まれるカフェスペース

株式会社エスケイケイ 様のカフェスペースは、交流エリアの奥に設けられています。汚れに強い塩ビタイルを床に採用し、カーペット敷きの交流エリアとゆるやかにゾーニング。カウンター近くには電子レンジや冷蔵庫を設置し、お弁当を温めたり飲み物を取りに来たりする際には、自然な挨拶や会話が生まれる場になっています。
集中とリラックスを行き来できる、エンジニアの開発拠点|株式会社エスケイケイ
【小規模】「おいしいコーヒー」で想定の約3倍利用されるカフェコーナー

ダイコク電機株式会社 様のコミュニケーションエリア内にあるカフェコーナーでは、「会社においしいコーヒーが飲める場所があれば足を運ぶはず」というプロジェクトメンバーの考えから実現。想定の約3倍の売上が出るほど多くの社員が利用しています。カフェコーナーは、グループ会社の社員も利用可能。コーヒーが出来上がるのを待つ間、カウンターを利用している社員との偶発的なコミュニケーションが生まれています。
部門を越えた人の「輪」×アイデアの「和」が育つオープンフロア|ダイコク電機株式会社
【中規模】使われなくなった社員食堂をファミリーキッチンに改装

福井コンピュータホールディングス株式会社 様は、コロナ禍に閉鎖されていた社員食堂を、共創空間「Co-Lab」へと改装しました。改装前にあった社員食堂の水回り機能を活かしたファミリーキッチンには、冷蔵庫や自動販売機を集約し、飲食スペースとしてコミュニケーションが起こりやすい仕掛けに。マグネットを入れたホワイトボードは掲示板として活用され、コミュニケーションの拠点となっています。
社内外の交流とイノベーションを生み出すオフィス|福井コンピュータホールディングス株式会社
【中規模】専任スタッフが常駐する「オフィスコンビニ」

日本電子計算株式会社 様は、飲み物や軽食を購入できるオフィスコンビニを導入。常駐スタッフ1名が商品や備品の補充のほか、利用のサポートや売れ行きに応じた商品選定もしてくれます。カウンターではコーヒーやお菓子を楽しみながら、自然に雑談が生まれます。
「あったらいいな」を叶えて自然と人が集まる共用スペース|日本電子計算株式会社
【大規模】予約なしで誰でも多用途に利用できるカフェエリア

ユニ・チャーム株式会社 様は、執務フロアの奥に、予約なしで誰でも使えるカフェエリア「UNI Cafe」を設けました。テーブル席やソファ席、ファミレス席など、そのときの用途に合わせて選べる席が配置されています。カフェエリアの右手にはカウンター席もあり、ドリンクやお弁当、パンを購入する社員が偶発的に出会って、クイックに交流できるスペースになっています。

複数フロアがひとつの空間としてつながり一体感を生むワークプレイス|ユニ・チャーム株式会社
7. カフェエリアの導入で自然な交流が生まれるオフィスへ
ハイブリッドワークが定着し、オフィスに求められる役割が変化するなかで、カフェエリアは単なる休憩の場を超えて、社員の交流を生み出す重要な仕掛けとなっています。コミュニケーションの活性化や生産性向上、イノベーション創出、採用ブランディング、健康促進など、その効果は多岐にわたります。
ただし、カフェエリアはただ設置するだけでは十分に活用されません。ミーティングスペースや情報発信の場との組み合わせ、滞在時間を延ばす仕掛けなど、自社の働き方や課題に合わせた工夫を取り入れることが、効果を最大化するポイントです。自社に合ったカフェエリアのあり方を検討する際は、ぜひ他社の導入事例も参考にしてみてください。
オカムラでは、課題のヒアリングからコンセプト設計、レイアウト、家具選定まで一貫してオフィスづくりをサポートしています。カフェエリアの導入や、多様な働き方に対応したオフィスづくりをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q:オフィスの「カフェエリア」とはどのようなスペースですか?
A:ドリンクや軽食などの仕掛けによってワーカーが自然と集まり、会話が生まれることを目的としたスペースを指します。「マグネットスペース」としての機能を果たしているケースもあり、企業によって詳細な定義は異なります。カフェテリアや食堂、リフレッシュエリアとは異なり、比較的コンパクトな規模で設置できる点が特徴です。
Q:カフェエリアを設置すると、どのようなメリットがありますか?
A:コミュニケーション活性化、生産性向上、イノベーション創出、採用ブランディング、健康促進やウェルビーイングなど、5つのメリットが期待できます。特に採用面では、カフェや食堂などの福利厚生スペースの充実が、就職活動中の学生がオフィスに魅力を感じる要素としても上位に挙げられています。
Q:カフェエリアをつくっても人が集まらない場合、どうすればいいですか?
A:設置するだけでは活用が進まないケースも少なくありません。人が40秒以上とどまると会話が発生しやすくなるという研究結果もあるため、美味しい食事やドリンクを用意する、その場で過ごせる家具を整える、情報交換の場としての機能を持たせるなど、滞在時間を延ばす工夫を組み合わせることが効果的です。
Q:カフェエリアはどのくらいの広さから導入できますか?
A:規模の大小にかかわらず導入できます。今回ご紹介した事例でも、小規模なオフィスから大規模なオフィスまで、さまざまな面積でカフェエリアが取り入れられています。自社の規模や課題に合わせて、無理のない範囲から検討を始めるとよいでしょう。
イラスト:Masaki
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