病院スタッフの心と体を癒す、瀬戸内海を望む職員食堂 ――職員のウェルビーイングを高めて「地域に開かれた病院」へ
医療法人社団 更生会 こころホスピタル草津 様

病院スタッフの心と体を癒す、瀬戸内海を望む職員食堂 ――職員のウェルビーイングを高めて「地域に開かれた病院」へ
Project Data
- プロジェクト名
- こころホスピタル草津 新棟(本館)建設プロジェクト
- 面積規模
- 地上8F建て 約18,000㎡
- 人員規模
- 約420名
- 完成年月
- 2024年7月
Point !
病院の敷地内に新棟を建設し、老朽化した建物に点在する機能を集約して、業務の効率化を図った事例です。今後予想される人材不足にも備え、満足度の高い労働環境を実現しています。席数が少なく利用者が固定化していた職員食堂は、抜群の眺望を楽しみながら食事ができ、ランチタイム以外もワークプレイスや休憩スペースとして利用できる空間へ生まれ変わりました。敷地内の別棟に分散していた部署を新棟内のワンフロアに集約することで、職員間の活発なコミュニケーションやスムーズな連携が可能に。労働環境が向上し、職員のウェルビーイングを実現しています。
Project Story
こころホスピタル草津様のファーストオーダー
職員の満足度を向上させるとともに、より地域に寄り添う病院を目指したい
当院は1933(昭和8)年に創業し、長きに渡り精神疾患を抱える患者さんと向き合ってまいりました。病棟の老朽化に伴い、新棟を建設し、リブランディングすることが決定しています。これを機会に、複数の病棟に点在している機能を一カ所に集約し業務の効率化を図り、狭い食堂やニーズの高い会議室をリニューアルすることで、職員のウェルビーイングを実現したいです。労働環境を改善することで離職率を下げ、新たな人材確保にもつなげたいと考えます。
2024年8月の新棟完成と同時に、施設名を「草津病院」から「こころホスピタル草津」へ変更し、ロゴマークも一新します。新棟が、ひいては「地域の方々に寄り添い、支えることのできる病院を目指す」という私たちの思いにつながっていくことを期待しています。

ゾーニングと紹介するエリア
まるで港のような、
食事と交流の新拠点
長机が整然と並び一度に30~40人しか利用できなかった職員食堂は、約200席を設ける、食と交流の拠点へと生まれ変わりました。食事や会話を通して元気をチャージし、再び仕事に向かう——そんな港のような存在として、草津の地名にも由来する「GRASSPORT」をコンセプトとしています。
瀬戸内海の青をイメージした渚エリア、芝生を連想する緑の広場エリア、ベージュの港町エリアと、フロアを3色にゾーニング。食事はもちろん、打ち合わせや休憩などシーンに応じた使い方ができます。遥か遠くまで見渡せる8階からの眺望が、利用する人の心を癒し、満足度を高めています。
コミュニケーションを取りやすい、
顔が見える空間
外来・総合受付の1つ上のフロアにある「地域支援センター」では、各種相談や支援の窓口業務が行われています。ソーシャルワーカーなどの専門資格を持つスタッフが隣接する他部門のスタッフと連携して、患者様や地域の方々の問題解決をサポートしています。
執務エリアには高い棚を置かず、部屋の奥まで見通せる設えに。職員同士が在席状況を確認しやすく、コミュニケーションが取りやすいと好評です。お互いの顔が見える空間になっていることで、業務効率の向上につながっています。
多様なニーズに応える多目的ホール
もともと40~50人で利用できる会議室はありましたが、外部の人を招いた講演会を開くには手狭で、さらに広い講堂のような空間が求められていました。新たに3階フロアに設けた多目的ホールは、テーブル席は約150人、イスのみの場合は200人以上が収容可能。ホール内にはスライディングウォールが2箇所設置され、参加人数にあわせて最大3部屋に仕切れます。
院内の会議や研修の他、医療関係団体などの利用も多くなっています。多目的ホールの使用をきっかけに、外部とのよい交流や連携が生まれることも期待できます。
About this Project
- 業種
- 医療機関
- 施設名
- 医療法人社団 更生会 こころホスピタル草津
- 所在地
- 広島県広島市西区草津梅が台10番1号
- WEBサイト
- https://www.kusatsu-hp.jp/
- デザイナー
- 関連タグ
Credit
- 編集
- 水上アユミ(ノオト)、オカムラ編集部
- 執筆
- 門田聖子
記事内の情報は取材当時の情報です。
この記事は2025年5月20日に公開されたものです。