社内外のボーダーを越えて共創を育む、「食」を軸としたワークプレイス ――新たな価値創造を後押しする、食堂空間の"進化形"リニューアル手法

NEC (日本電気株式会社) 様

社内外のボーダーを越えて共創を育む、「食」を軸としたワークプレイス ――新たな価値創造を後押しする、食堂空間の"進化形"リニューアル手法

NEC (日本電気株式会社) 様

Project Data

プロジェクト名
NEC 玉川事業所食堂改装プロジェクト
面積規模
4,000㎡
人員規模
1,000名
完成年月
2024年4月竣工

Point !

単に「食事をする場」として利便性を高めるばかりでなく「会社のビジョンを具現化」する場として、食堂の改装に取り組んだ事例です。
食堂を新たなワークプレイスとして、従来の食堂にはなかったソファ席やビッグテーブルなどを取り入れた開放的な空間に昇華しているのが特徴的です。執務エリア以外の仕事場所としてさまざまな部門の社員が集い、新たな交流が生まれます。
社員参加型のミューラルアートプロジェクトも、注目ポイントです。社員が改装に携わることで会社への愛着心を育み、さらに会社が目指す未来像を空間の中に表現することで、その想いは自然と利用者に浸透していくでしょう。

<em>北棟 厨房ゾーン</em>  NEC (日本電気株式会社) 様
<em>北棟 喫食エリア、ミューラルアート「スタートライン」  Mariya Suzuki</em>  NEC (日本電気株式会社) 様
<em>北棟 喫食エリア</em>  NEC (日本電気株式会社) 様
<em>南棟 喫食エリア</em>  NEC (日本電気株式会社) 様

Project Story

NEC (日本電気)様のファーストオーダー

社内外の交流を育んで革新を誘発する、食事だけに留まらない共創の空間へ

日本電気株式会社(以下、NEC)では、時間や場所にとらわれない新しい働き方「Smart Work 2.0」を推進しています。この取り組みの一環としてリニューアルされた本社ビルの社員食堂「FIELD(フィールド)」は、食を通し未来のコラボレーションを育む場として稼働を開始しています。

続いて、神奈川県川崎市にあるNEC玉川事業場の食堂も同様に、「FIELD」の第二拠点として社内外のメンバーが組織や会社の枠を超えて繋がりを深める共創空間となることを目指します。

明るくオープンな雰囲気にサステナブルの要素を加えた内装デザインと、共創のコンセプトを体現する施策の企画の実行プラン立案も併せてお願いしたいと考えています。「FIELD玉川」が、社員や外部の人々との交流を生み出し、イノベーションを誘発する場になることを期待しています。

以前のオフィス
BEFORE
酒井 彩乃

ゾーニングと紹介するエリア

ゾーニングと紹介するエリア
Scene 1

洗練と機能を備えた空間で食体験をバージョンアップ

食事をしに来た社員が最初に訪れる厨房ゾーンは全体の色調を統一しつつ、各ゾーンの壁には異なる素材が用いられリズミカルで生き生きとした印象に。食事の受け取りレーンも構造はそのままに、エレガントな木材で仕上げられ、洗練された空間が広がっています。

メニューの選定からオーダー、会計までの一連の流れがスムーズに進む機能性の高い動線設計も印象的です。また食事以外の目的で訪れた際も、目指す場所にアクセスしやすいよう新たに設けられた動線によって人の動きが停滞せず、混雑が緩和されています。

Scene 2

希望を感じさせる爽やかなアートゾーン

厨房ゾーンの奥には、陽の光が降り注ぐ開放的なスペースが。20人以上が使用できるロングテーブルが圧巻です。このテーブルには台風被害で廃棄予定だったウッドデッキが再利用されており、サステナビリティに対する意識が感じられます。

このエリアの象徴ともいえるミューラルアートのテーマ「スタートライン」は、有志の社員とアーティストが幾度もワークショップを重ねて導き出されました。4ヶ月間にわたるワークショップは、オカムラとパートナー企業であるNOMAL、NECの3社にて作り上げたオリジナルプログラム。ミューラルアートはそのワークショップに参加した社員とアーティストの共創によって完成に至りました。制作に参加した社員からは、「とても楽しかった。眺めるたびにアートへの愛着が高まっていく」という声が寄せられています。共創のプロセスが刻まれたゾーンです。

Scene 3

共創のオアシスで五感を目覚めさせる

自然光が差し込むオープンなスペースには、円卓やカウンター席、ソファ席などバリエーション豊かな家具が配置され、食事、カフェ、ワークスペース、歓談の場として多目的に使われています。楽しげな笑い声が聞こえる傍らでは、ノートパソコンに向かう真剣な表情が窓越しの日差しに照らされています。芳醇なコーヒーの香りが漂うなかで、目を上げると飛び込んでくるのは、幅10メートルを超えるダイナミックなミューラルアート。

ここにいるだけで五感が刺激されて、新しいアイデアやインスピレーションが湧き出してくるのを感じます。

Scene 4

フレキシブルに軽やかに、レイアウトを変える

南棟のFIELDに設けられたこのエリアは、様々なイベントに使われるため、レイアウトを柔軟に変えられるようにキャスター付きのテーブルが選ばれています。

躍動感に溢れるミューラルアートは遠くからでも目を引き、力強く前に進もうという前向きな気持ちが引き出されます。全国配信を伴うイベントでは、この前で登壇者が自らプレゼンテーションやトークセッションを行うため、その背景の役割も担っています。新しいNEC像を表現する大切なポイントのひとつです。

About this Project

業種
ITサービス、社会インフラ
企業名
NEC(日本電気株式会社)
プロジェクト名
NEC 玉川事業所食堂改装プロジェクト
所在地
東京都港区芝五丁目7番1号
WEBサイト
https://jpn.nec.com/
デザイナー
コンサルタント
庵原悠、齊藤達、後藤真由美、武田浩二
パートナー
NOMAL ART COMPANY
アーティスト
Mariya Suzuki、WHOLE9、田中紗樹
関連タグ
Credit
編集
モリヤワオン(ノオト)、オカムラ編集部
執筆
合戸奈央

記事内の情報は取材当時の情報です。

この記事は2024年11月11日に公開されたものです。

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