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ライブラリーやカフェが出社に新しい価値をもたらす

2026.6.23
  • Research
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リモートワークが定着した今、多くの企業が「出社する意味」や「出社したくなるオフィスづくり」に頭を悩ませています。オカムラでは、オフィスワーカーを対象に「出社に伴う仕事以外の活動とその価値」について調査・分析を行い、オフィスづくりのヒントを探りました。

POINT:

  • 楽しんでいる・有意義な活動として、オフィス外では「読書」、オフィス内では「コミュニケーション/交流」が最も回答されていた。
  • 「読書」はオフィス外では学びによって得られる認知的な価値が生まれており、オフィス内ではそれに加えてつながりによって生まれる関係的な価値が感じられている。
  • 年代別に分析すると、20~30代のワーカーはオフィス内外の「飲食・食べ物」を、40代以上のワーカーはオフィス外の「読書」と回答が多く見られた。

オフィス内外でワーカーが楽しんでいる活動は?

リモートワークが定着した今、ワーカーにとってどのような活動がオフィスに出社する動機になるのでしょうか。企業にとっても、ワーカーが出社したくなるオフィスづくりが課題となっています。

本調査では、ワーカーが出社に伴ってオフィス内外で楽しんでいる活動や、その活動に対しどういった価値を感じているのかを明らかにし、出社する価値を感じられるオフィスづくりのヒントを探りました。そこで、まずはワーカーを対象に「楽しんでいる/有意義だと感じる」活動について自由記述で回答してもらい、出社によって生じるオフィス外(通勤中や昼休みの外出)の活動とオフィス内の活動について分析しました。

回答数の順位を見ると、オフィス外では「読書」の回答が、オフィス内では「コミュニケーション/交流」の回答が最も多く挙げられました。ではオフィスの外で行われている「読書」はオフィス内で行えることで、どのような価値が生まれるのでしょうか。


出社にともなう「読書」に着目する

調査の次のステップとして、オフィスの外での活動として回答された「読書」の価値を明らかにするため、具体的な分析を行いました。その際に着目したのが、マーケティング研究者であるシュミットの提唱した「経験価値」です。

経験価値とは、「商品やサービスの機能・価格・性能そのものではなく、それに接する過程で顧客が感じる価値」のことです。つまり、「何を買ったか」だけでなく、それによって何を感じたか、どんな気分になったか、どんな発見があったか、生活や人との関係がどう変わったかまでを含めて価値として捉えようとするものです。

この経験価値には5つの分類があり、それをもとにオフィスでの活動に対して回答してもらえるよう、以下のように定義しました。

「読書」を「楽しんでいる・有意義だと感じる活動」と回答した人を対象に、読書による経験価値を7段階で評価してもらいました。そのうえで、行っている読書の活動が、5種類の経験価値それぞれに当てはまると回答した人の割合を算出し、「読書」の持つ価値を明らかにしました。

結果を見ると、オフィス外で読書を楽しんでいるワーカーは、学びによって得られる【認知的】価値を中心に、【情緒的】【行動的】価値を感じる人も多く、オフィス内で読書を楽しんでいるワーカーは、それらに加え【関係的】価値を感じる人が多くなっていました。回答の中には、「社内の読書会」などの記述があり、同僚と共に「読書」をすることで、【関係的】価値が生まれていると考えられます。一人で完結すると思われがちな読書も、オフィス内では本を介した会話や読書会などを通じて、人との接点を生み出す活動になり得ることがうかがえます。


どの年代も、「コミュニケーション/交流」を楽しんでいる

次に、年代別に分析しました。そこから見えてきたのは、どの年代においても、オフィス内の活動については「コミュニケーション/交流」が最も多く挙がっている、ということでした。その次は年代によって傾向が分かれ、20~30代のワーカーはオフィス内外含め「飲食/食べ物」の回答が多く、40〜60代のワーカーはオフィス外の「読書」の回答が多く挙がりました。


「読書」と「交流」を意識したオフィスづくり

今回の調査では、ワーカーが出社の価値を感じるオフィスづくりのヒントを探るため、経験価値に着目して調査を行いました。

オフィスの外の活動として、最も楽しんでいると回答されたのは「読書」でした。その「読書」をオフィス内で行うことで、人とのつながりによって生まれる【関係的】な価値が感じられていることが確認されました。また、アンケートの回答の中には社内での読書会といった取り組みの例も見られ、学びにつながる活動が、コミュニケーションを生み出すきっかけにもなっていると考えられます。

さらに、年代ごとに「楽しんでいる/有意義な活動」が異なることから、それぞれの世代が楽しめる活動を組み合わせた空間をつくることで、世代を超えた交流が生まれやすくなるでしょう。

写真は、カフェとライブラリーの機能を組み合わせた空間の一例です。カフェは飲食をきっかけに人が集まりやすい場であり、ライブラリーは学びや関心を共有しやすい場でもあります。両者を組み合わせることで、自然な滞在や会話が生まれ、出社時の体験価値を高めることにつながるでしょう。オフィスづくりの参考にしてみてはいかがでしょうか。

さらに詳細な情報を掲載したレポートを下記リンクからダウンロードいただけます。

Research: 野々田幸恵、花田愛、鯨井康志
Edit: 吉田彩乃
Production: Plus81