2023.08.07 2023.08.07

株式会社ヨコオ様 90％以上の従業員に毎日利用される社員食堂のヒミツ ――ヨコオ富岡工場・新食堂は「心」と「お腹」を満たす場所

自動車用アンテナや電子機器用コネクタなどの製造事業をグローバルに展開する株式会社ヨコオは、2023年4月、富岡工場敷地内に自社のものづくりを進化させる新技術棟「MPセンター（Micro Process R＆D Center）」を建設しました。建物内3階にあるのは、「地域に誇れる従業員満足度No.1」を目指す新食堂。従業員にとって魅力的で働きやすい職場環境を、あたたかい食事の提供と居心地の良い空間づくりで実現しています。

今回のプロジェクトでは、食堂の利用者である従業員でプロジェクトチームを結成し、空間デザインから運用までを自ら検討していきました。世代や性別もさまざまな十数名のメンバーの投票で選ばれた新食堂のコンセプトは、「ボクらの思いとミライをつなぐ食堂―YOKOWO JCT（ジャンクション）」。食堂を新しいコミュニケーションの場として定義し、多様な人材の「思い」や「知」がクロスする空間を高速道路のジャンクションに見立てています。あらゆる方角からきた車両がスピードを落とすことなく交差し目的地に向かえるように、食堂内の導線設計も流れるように設計されています。さらに、新緑のようなグリーンを基調としたデザインで、心も体もリフレッシュされ明日への原動力が生まれる空間に。以前別棟にあった食堂は平均6割程度の利用率でしたが、提供されるメニューも豊富になったことから、現在は9割以上の従業員に毎日利用されています。

別棟にあった以前の食堂の様子

Photographs

メイン導線となる提供カウンター前の直線通路は、高速道路のような疾走感のあるデザイン。直進性を強調するライン照明によって利用者は自然と奥へ促され、その先にある明るい「ミライ」へとつながるイメージが空間に落とし込まれている。

利用者はその日のメニューが表示されたデジタルサイネージを確認して、奥の提供カウンターへと進む。栄養バランスのとれたあたたかい料理が、従業員の心と身体の健康を支えている。

入口付近のクイックイートコーナーのテーブルには、多目的に使える屋台風カウンターを採用。ゆっくり食事をする時間がない日でも、ハイカウンターならサッと食べて業務に戻ることができる。テーブルはキャスター付きなので、イベント時はレイアウトを変更したり、混雑するときは通路スペースを広くしたりするのにも役立っている。

食堂の中央には、「YOKOWO JCT」を象徴するラウンド型のドリンクカウンターがある。グリーンを配置した緑豊かな円形カウンターが回遊導線を生みだし、利用者がスムーズに喫食スペースに向かうことができる。コールドケースには健康的なお惣菜や、頑張った自分へのちょっとしたご褒美になるデザートなど、彩り豊かな小鉢が並んでいる。