2022.10.17 2022.10.17

近畿大学 様 先端IT人材を育てる近畿大学のイノベーション・コモンズ ―― 「伝統的なものづくり」と「先進IT技術」の意外な共通点

近畿大学 様

2022年4月、近畿大学は東大阪キャンパスに情報学部を新設しました。同大学は、「深い教養と高い志を持ち、社会を支える気概を持った学生を育成し、社会に送り出すこと」を最終教育目標とし、その卒業生は55万人を超えています。
ITエンジニアの不足が深刻な社会問題のひとつとなり、Society 5.0の実現に向けて第4次産業革命(IoT、ビッグデータ、AI等の技術革新)が進展する中、情報学部の開設はグローバルに活躍ができるような先端IT人材の育成を目指した意欲的な挑戦です。学部新設に伴って建てられた情報学部棟は、地元企業と連携した「ON DEMAND SALON(オンデマンドサロン)」やオープンな研究エリアなど、学生のクリエイティビティを刺激する空間が広がっています。

近畿大学情報学部は、学部長に家庭用ゲーム機「プレイステーション」の開発者として知られる久夛良木 健(くたらぎ けん)氏を迎え、新たな情報価値や情報サービスの創出を担う技術者の育成を目指しています。
新入生を迎えるのは、学生の可能性を最大化できる特徴的な学びの場です。新設した情報学部棟は地上4階建て。同学部では、多くのメディア授業を取り入れており、学生が自由にメディア授業を受けることができるON DEMAND SALONを1階に設けました。このスペースがあれば、対面で行われる授業と授業の空き時間も効率的に学びを深めることができます。さらに内装や家具は、世界的にも高い製造技術を誇る「ものづくりのまち」東大阪市の企業と連携し、アーティスティックで居心地の良い空間を作り上げました。2階・3階は、壁をなくし端から端まで見渡せる研究エリア。研究室もオープンにすることで、教員や近くにいる学生同士で自然とディスカッションがはじまり、アイデアや研究が生まれる共創拠点としての期待が高まります。テクノロジーで繋がるサイバー空間だけでなく、学生を有機的に結ぶこの空間で多様な価値観に触れ合いながら成長を続けることで、先端IT人材が育つ新しいイノベーション・コモンズです。

Photographs

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ON DEMAND SALONは、多様な授業形態に対して学生が自由に利用できるエリア。天井をスケルトンにし、あえて配管や配線を見せることで空間にアクセントと広がりを生んでいる。学生が電源に縛られることなくその日の気分によって好きな席を選択できるよう、ほぼすべての席から電源がとれる設計とした。

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ON DEMAND SALON中央の小上がりには、地元・東大阪市の企業とコラボレーションした「ものづくり」の精神が息づく空間が実現した。伝統的なものづくりと先進的なサイバー技術は一見相反するような存在だが、何もないところから新しいものを作り上げる創造的な思考過程は共通している。職人が仕上げた一点物の家具から知的創造活動がインスパイアされる、近畿大学の新たなスポットとなった。

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研究室は、従来型のクローズドな個室ではなく、物理的に壁がないダイナミックな一体空間。研究室間の垣根が取り払われたエリアが2階・3階と続き、ボーダレスで活発なコミュニケーションを後押ししている。

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大学院生の研究エリアは、より高度で専門的な研究に没頭できるよう仕切りパネルを取り付け、囲み感のある席に。デスク下のワゴンやロッカーを設置し収納場所をつくることで、オープンな空間でも机上をすっきり保つことができる。

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Data

施設名
近畿大学 東大阪キャンパス
所在地
大阪府東大阪市小若江3丁目4-1
納入時期
2022年2月
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