オカムラデザインスペースR 第18回企画展

展示会
2022年6月23日 ※記載内容は発行時のものです
Design SpaceR
■タイトル

『Tamping Earth』-オフィス空間にあらわれる土の実験劇場-

■企画建築家

齊藤正氏(建築家)+本広組Creative Salon FOE(オンラインサロン)+高井浩子氏(脚本家・演出家)+
矢内原美邦氏(振付家・ダンサー)

■ご挨拶

コロナ禍のために2年ほど延期してきた第18回オカムラデザインスペースR(ODS-R)展を、今年は『Tamping Earth -オフィス空間にあらわれる土の実験劇場-』のタイトルで、感染防止に努めつつ開催する運びとなりましたので、ご案内申し上げます。
本展は毎回、「企画建築家」を選び、建築以外の領域の表現者との「協働」の形で、「いま最も関心のある、だが建築だけでは達成できない空間創生」に挑戦していただきます。
現在、建築を含むデザイン界では、生態系全体の未来を見据えつつ、急速に自然系素材の再評価が進んでいます。この素材の見直しには、どういう技術・方法を使い、どういう形状・機能を与えて空間化するかを明確に把握することが求められます。単なる造形で終わらせず、新たな空間・環境の形成素材とするには、人間を中心に置いて素材(技術)ー人間ー空間の関係で考えなければなりません。課題を「ワークショップを伴いながら素材(技術)ー人間ー空間の関係で考える」ことが、ODS-Rが一貫して提案し続けてきた内容でもあります。
今回、着目する素材は土です。企画建築家として、版築という素材・技術を用いて、世界的なネットワークで新たな人間環境のあり方に取り組んでいる齊藤正氏を迎えました。
そして、齊藤氏の指名によって、本広克行氏の率いる映像・演劇集団「本広組Creative Salon FOE」との協働が、「オフィス空間にあらわれる土の実験劇場」として実現することになりました。ご両人によれば、版築で3次元的に構成される実験劇場を舞台にして、会期中の火・水・木曜日に、新作の演劇を完成させる様子をお見せしたいとのことです。
なお、ウェブ上に本展の特設サイトを設けて、コロナ対策としての入場制限と予約方法などの詳しい情報も、そちらからお伝えします。ご来場をお待ち申し上げます。(企画実行委員長/川向正人)

企画概要

■開催期間

2022年7月19日(火)~8月5日(金) 10:00~17:00(土曜日・日曜日は休館)

■会場

オカムラ ガーデンコートショールーム
〒102-0094東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニ・ガーデンコート3F
Tel: 03-5276-2001

■ウェブサイト

OKAMURA Design Space R ウェブサイト https://ods-r.okamura.co.jp/
第18回 企画趣旨・ご挨拶 https://ods-r.okamura.co.jp/greeting.html

■入場料

入場無料/イベント定員・予約制(ウェブサイトよりご予約ください)
イベント参加予約はこちらから https://ods-r.resv.jp/reserve/calendar.php?x=1655952790
*イベント開催時間外はどなたでもご来場いただけます。ただし、会場内の混雑状況により、入場をお待ちいただくことがあります。

■主催

株式会社オカムラ

■後援

日本建築家協会(申請中)、日本建築美術工芸協会(申請中)、東京インテリアプランナー協会(申請中)

■協賛

株式会社エステック

■企画

OKAMURA Design Space R 企画実行委員会
委員長:川向正人(建築史家、建築評論家)
企画委員:芦原太郎(建築家)、北川原温(建築家)、内藤廣(建築家)、中村雅行(株式会社オカムラ 代表取締役 社長執行役員)

■企画主旨

建築家Architect(architekton)という言葉は、アルケーをテクトニックするという意味で、根源を技術的に/美学的に表現する者という言葉である。「アルケー(根源)は、土・水・火・空気の4大リゾマータや数である。」という説があるが、今回の展示は土がそのアルケーであると仮定して行われる。
土は、古来より建築材料として広く取り入れられてきた。日本においてもその歴史は古く、寺社仏閣などの古典的な建築の壁や塀などに多く用いられてきた。
原始の時代、人類が洞窟生活から抜け出し、建築らしきことをはじめたときに、最初に手にしたのが土塊である。道具を使って建築をつくるまでには、それから随分時間を要する。すなわち、建築のアルケーは土であるという仮説である。
版築は、土に硬化材を混ぜて突き固めたものであり、今日でも世界中で用いられている。日本では、耐震性の問題から版築が用いられることは少なくなっているが、最近、それが見直されはじめている。鉄筋コンクリート建築に信頼を寄せる我が国でも鉄筋爆裂問題が浮上するとともに、無筋コンクリートが検討されはじめたのだ。欧米では、無筋コンクリートの需要が拡大し、同時に版築を見直す動きが活発になっている。
版築は、原料が土であることから、現地の土を使えば、輸送マイレージが無いこと、何度も再構築が可能なこと、硬化材として使用するセメントやフライアッシュがコンクリートに比べて格段に少なく済むことから、サスティナブルな材料として再び注目を集めはじめている。
人は自然界からヒントをもらい、その形からアフォーダンスを選択することで建築や道具を生み出した。それは次第に、それらしきものを見立てるということに転じ、空間的な想像力を身につけた。
ここで行われる演劇やダンスは、アフォーダンスや見立ての理論で成り立っている。身体が求める高さに合うものが椅子となり、また机となる。
本広克行氏が若きクリエイターを育てるためにつくった、本広組クリエイティブサロンが中心となり、都市のオ
フィス空間に現れた版築の空間を、劇場に変えていく。
本来、演劇は出来上がった完成作品を劇場で見るのが一般的だが、ここでは舞台稽古をしながら舞台芸術をアッ
センブルとして組み立てていく様を鑑賞することができる。(建築家/齊藤正)

イベント・演目紹介

■シンポジウム(定員制)

「土・アフォーダンス・見立て」
7月28日(木) 17:00~19:00
パネラー:齊藤正 高井浩子 矢内原美邦 アンカーマン:川向正人

■公開稽古&パフォーマンス(定員制)

演劇 Fabrica[4.0.1]
7月19日(火)26日(火)8月2日(火)4日(木) 14:00~16:00
舞台稽古を観客を入れながら行い、演劇を組み立てる。
脚本家:高井浩子(東京タンバリン) 総合演出:本広組Creative Salon 演出部

ダンス Nibroll「汚れた手」
稽古 7月27日(水)8月3日(水)5日(金) 13:00~16:00
上演 8月5日(金)16:00~17:00
振付:矢内原美邦 映像:高橋啓祐 音楽:SKANK 出演:小川衣美 大熊聡美 上村有紀

映画 FOE作品集特別上映
7月20日(水)21日(木)28日(木)8月1日(月) 13:00~16:00
制作:本広組Creative Salon FOE

*シンポジウム、公開稽古&パフォーマンス 入場無料/定員・予約制(ウェブサイトよりご予約ください)
OKAMURA Design Space R ウェブサイト イベント参加予約ページ 
https://ods-r.resv.jp/reserve/calendar.php?x=1655952790

企画建築家・協働者 プロフィール

齊藤 正 Tadashi Saito /建築家

Design SpaceR

略歴
1965 香川県生まれ
1988 近畿大学工学部卒業
1989-1992 株式会社栗生総合計画事務所 勤務
1992 齊藤正轂工房一級建築士事務所 設立
2000- 近畿大学工学部非常勤講師
2005 APECアーキテクト 登録
2007 事務所名を株式会社齊藤正轂工房に改称

受賞歴
1988 日本建築学会中国支部長賞
1989 建築環境デザインコンペティション 最優秀
1993 SDレビュー93'入選
1994 実施設計競技 吉舎町「道の駅」 最優秀
1996 インターイントラスペース ガラスのデザイン賞
1998 中華民国交通局レジデンス コンペティション 最優秀
2004 グッドデザイン賞(浜名湖花博 国際花の交流館)
2005 日本建築学会作品賞最終現地審査上位7作品(上下町歴史文化資料館)
2006 平成17年度香川県建築士会表彰 優秀賞(CONSERVATORY)
2011 平成22年度香川県建築士会表彰 特別賞(男木島の魂/男木交流館)
2011 高松市美しいまちづくり賞(男木島の魂/男木交流館)
2011 東日本大震災における被災者の支援活動等に対する経済産業大臣表彰(ZENKON湯)
2014 東日本大震災における被災者の支援活動等に対する厚生労働大臣感謝状(ZENKON湯)
2015 平成26年度文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞
2016 TERRA Award(土の建築賞) ファイナリスト
2018 第8回建築レジリエンス国際学会 論文コンペ部門 3等受賞

本広組 Creative Salon FOE /オンラインサロン

Design SpaceR

本広組Creative Salon FOE(Forest of Entertainment)は、2020年9月に開設された、映画監督の本広克行が主催するクリエイティブサロンです。プロを目指す役者、クリエイター、映画制作に興味を持つ会社員や弁護士等、年齢や経歴も様々なメンバー約100名で構成されています。勉強会での学び、本読みや上映会等での体験、監督やメンバーとの繋がり、ショートムービーや長編映画制作の実践を通してプロの現場で活躍できるチャンスに溢れるコミュニティです。

【SNS】
□Facebook
https://www.facebook.com/mothirogumifoe
□Twitter
https://twitter.com/mot_foe
□Instagram
https://instagram.com/mot_foe
□OFFICIEL SITE
https://foe.motohiro.com/

高井 浩子 Hiroko Takai /脚本家・演出家・東京タンバリン主宰

Design SpaceR

1995年劇団東京タンバリンを旗揚げし、劇作家、演出家としての活動を開始。「人間の機微を描きだす」オーソドックスな作品を大胆な演出で常に成長し続ける見せ方のこだわりは評価が高い。講師としてENBUゼミナール、札幌や広島などの地方でも活動。近年では和をモチーフに輪を広げようと「わのわ」企画を東京国立博物館や香川県玉藻公園披雲閣など重要文化財の茶室で上演。2019年にはパリ日本文化会館で上演。

矢内原 美邦 Mikuni Yanaihara /振付家・ダンサー・ニブロール主宰

Design SpaceR

大学で舞踊を専攻、在学中にNHK賞、特別賞など数々の賞を受賞。日常の身ぶりをモチーフに現代の空虚さや危うさをドライに提示するその独特の振付けは国内外での評価も高く、身体と真正面から向き合っている数少ない振付家のひとりと言える。ミクニヤナイハラプロジェクトでは演劇にも挑戦し、ジャンルを問わないその活動はニブロールのみならず、多数のアーティストとコラボレーションするなど世界中を舞台に活躍中。2015年文化庁文化交流大使として東南アジア諸国に派遣される。

受賞歴
2002 「ランコントル・コレグラフィック・アンテルナショナル・ドゥ・セーヌ・サン・ドニ(旧バニョレ国際振付賞)ナショナル協議員賞」受賞
2007 第1回日本ダンスフォーラム賞優秀賞受賞
2010 シェクスピア・コンペ優秀賞受賞『前向き!タイモン』
2012 第56回岸田國士戯曲賞受賞『前向き!タイモン』
2012 横浜市文化芸術奨励賞受賞

OKAMURA Design Space R ~アート、建築、デザインの協働の場として~

OKAMURA Design Space R

それは、ニューオータニ・ガーデンコートのスペーシャスなオカムラ・ショールームの一画に、年に1度、全く斬新な企画で創出される展示とトークのための空間です。
毎回異なるジャンルの複数のアーティストが、アートの枠組みを超えサイエンスとインダストリーの新領域にまで踏み込む意欲的なコラボレーションを展開し、その知と美の新たな形式によって多領域に向けて確かなインパルスを発信します。

全体企画

OKAMURA Design Space R企画実行委員会
委員長:川向正人(建築史家、建築評論家)
企画委員:芦原太郎(建築家)/北川原温(建築家)/内藤廣(建築家)/中村雅行(株式会社オカムラ 代表取締役 社長執行役員)/各企画展アーティスト

開催場所

オカムラ ガーデンコートショールーム内
〒102-0094東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニ・ガーデンコート3F
Tel: 03-5276-2001

主催

株式会社オカムラ

入場料

入場無料/イベント定員・予約制
*イベント開催時間外はどなたでもご来場いただけます。ただし、会場内の混雑状況により、入場をお待ちいただくことがあります。

ウェブサイト

OKAMURA Design Space Rウェブサイト https://ods-r.okamura.co.jp/

お問い合わせはこちらから

株式会社オカムラ お客様相談室
受付時間 9:00~17:00(土・日・祝日、年末年始を除く)