トップメッセージ

経営の重要課題としてサステナビリティを推進し人が活きる社会の実現へ 代表取締役 社長執行役員  中村 雅行

「オカムラのDNA」を大切に守り育てる

オカムラグループは、「豊かな発想と確かな品質で、人が活きる環境づくりを通して、社会に貢献する。」をミッションとし、「人が活きる社会の実現」を目指しています。一人ひとりが「活きる」ことこそが、持続可能な社会の実現につながるという信念と使命感のもとに、すべての人々が笑顔で活き活きと働き暮らせる社会を実現してまいります。また、顧客のニーズを的確に捉えたクオリティの高い製品とサービスを社会に提供することに努め、企業価値のさらなる向上と社会課題の解決に取り組んでまいります。

オカムラの歴史を簡単にご紹介すると、1945年、設立の主旨に賛同した航空機の技術者たちが、資金、技術、労働力を提供し合って「協同の工業・岡村製作所」としてスタートを切りました。その創業の精神は、「創造、協力、節約、貯蓄、奉仕」の5つの言葉からなる社是と、これを受けた基本方針により企業文化として定着し、「よい品は結局おトクです」をモットーに歩んでまいりました。その精神は「オカムラのDNA」として現在のオカムラグループの経営と事業活動に脈々と受け継がれています。

「中期経営計画2025」で新たな需要の創出へ

オカムラグループでは、2024年3月期から2026年3月期までの3カ年を対象とする中期経営計画2025を策定しました。中期経営計画2025では、「新たな需要の創出」を目指して、時代の流れを捉え、提案力と製品力を磨き、「需要創出型企業」への変革を加速します。経営基盤の強化として「人財育成と働きがいの向上」「デジタル技術活用の加速」「多品種変量生産への対応」「市場に根ざした海外事業の展開」を掲げ、さまざまな施策に取り組みます。加えて、持続的成長を支える従業員のエンゲージメント向上に向けて人財育成とオカムラが提唱する「Work in Life*」を実現する働きがい改革を一段と推進。従業員一人ひとりが自分らしく活き活きと働くことで、環境の変化に対応できる「強いオカムラ」を目指してまいります。

*「 Work in Life」は、「Life(人生)にはさまざまな要素があり、その中の一つとしてWork(仕事)がある」というオカムラが提唱する考え方です。「Work in Life」の実現とは、一人ひとりが人生を総合的に捉え、「働く」ことが人生のプラスになるように、主体的に行動できている状態を指します。

サステナビリティに基づく企業活動の推進

ステークホルダーの皆さまからの期待や社会の要請に対しグループ一体となって応えていくために、「人が活きる環境の創造」「従業員の働きがいの追求」「地球環境への取り組み」「責任ある企業活動」の4つの観点から重要課題を特定し、取り組みを進めています。

「責任ある企業活動」を経営基盤とし、「従業員の働きがいの追求」によって一人ひとりが働きがいを感じるとともに、「地球環境への取り組み」を実践することでサプライチェーン全体を通じて環境負荷を低減してまいります。また、事業活動を通じた「人が活きる環境の創造」により、人々が笑顔で活き活きと働き暮らせる社会の実現に貢献します。特定した重要課題を着実に実施するため、各課題それぞれにKPIを定め年度ごとの目標値を設定して推進しています。

サステナビリティの重要性がますます高まる中、外部環境の大きな変化と新中期経営計画の策定時期に合わせ、事業リスクへの対応力強化をより重視し、サステナビリティの重点課題から経営の重要課題として、その位置づけを見直しています。各重要課題において、事業活動と関わりのある社会課題を認識するとともに、その影響によるオカムラグループにとっての主なリスクと機会を検証し、各課題へのアプローチを明確にしました。具体的には、気候変動リスクを含むオカムラグループのリスク全般について、経営・財務などへの影響を考慮し現状リスクの再評価および新規リスクの抽出・評価を行うとともに、重要リスクの特定と見直しを行っています。
また、オカムラグループではサステナビリティの取り組みを有機的に進めるために、サステナビリティ委員会を設置。年度計画に基づいたグループ全体の取り組みを推進・サポートし、進捗をモニタリングするとともに、対応方針の立案と関連部署への展開を行っています。

オカムラは国際連合が提唱する「国連グローバル・コンパクト」に署名し、2020年2月26日に参加企業として登録されました。グローバル・コンパクトの人権に関する2つの原則である「人権擁護の支持と尊重」「人権侵害への非加担」の考え方を踏まえ、事業活動から影響を受けるすべての人々における人権尊重の責任を果たすことを目的として、「オカムラグループ人権方針」を制定し企業活動のさまざまな側面において取り組みを進めています。

環境長期ビジョン達成に向けた取り組み

オカムラグループでは、「地球環境への取り組み」を経営の重要課題の一つと位置づけています。「オカムラグループ環境方針」に基づき10年ごとに策定している環境長期ビジョンを2021年に見直し、事業活動に伴う環境負荷の低減の重要性を認識し企業の社会的責任を果たす経営を目指す新たな長期ビジョンとして、「GREEN WAVE 2030」を策定しました。

「サーキュラーエコノミーの推進」「持続可能な自然資源の利用と保全」「気候変動問題への貢献とカーボンニュートラルの実現」を重要課題と特定。これらの課題を「GREEN WAVE 2030」に落とし込み、グループすべての事業活動において環境負荷の低減に取り組むとともに、お取引先やお客さまとのパートナーシップにより積極的な環境活動を推進します。

また、オカムラグループは2050年の温室効果ガス排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)を目指し、この目標を達成するために2030年度の温室効果ガス排出量の削減目標を2020年度比50%とし、グループ全体で取り組みを進めています。生産事業所をはじめ各拠点における省エネルギー対策など、これまでの活動をさらに強化するとともに、再生可能エネルギーの利用拡大など新たな視点に立った取り組みを展開し、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

そしてオカムラグループは、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の考え方に基づき、製品の企画・設計から販売、メンテナンス、リユース・リサイクル、適正処理に至るまでの製品のライフサイクルの中で、限りある資源をより長く、有効に使用し、廃棄物の発生を最小化するものづくりを目指しています。生産プロセスでは、リサイクル素材や廃木材・未利用材などの使用、樹脂廃材や水の再利用などに積極的に取り組んでいます。

一人ひとりの多様性の尊重へ

多様な人財が活躍できる制度や仕組みづくり、職場改善に取り組むとともに、個々の従業員が意識を変え行動しながら働ける環境を追求しています。ダイバーシティ&インクルージョン方針を掲げ、それぞれが働きがいを感じ、互いに協力し自己成長できる環境を目指し、一人ひとりの多様性を尊重しています。この中にある「多様性の受容」の考え方を基本に、さまざまな属性・価値観・発想を持つ人財を積極的に採用し、働きやすく能力が発揮できる環境づくりに取り組み、社会・文化の多様性や環境の変化にも柔軟に対応できる企業文化の醸成につなげています。また、個の違いを尊重し公平性を重んじることで、「D&(I ダイバーシティ&インクルージョン)」から「DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)」への進化を目指してまいります。

人財を育成し従業員の働きがいを追求

オカムラグループは、人事方針に「能力の開発と発揮、および協力・融和に必要な教育を積極的に行い、自己啓発の意欲の増進を図ること」を明記。中期経営計画2025では「人財育成と働きがいの向上」を経営基盤の強化の一つとしています。これを実現するため、従業員一人ひとりが未来のキャリアを描き続け多様な経験を通じて成長し続ける「キャリアジャーニー」として、従業員同士の相互理解を基盤に、学び続ける機会や挑戦する機会の整備を行っています。

また、オカムラグループでは、「Work in Life」の基盤として健康経営を位置づけています。健康経営推進体制を構築し、各種健康診断や疾病予防対策の充実、年次有給休暇取得促進などの取り組みを進め、従業員の健康に配慮した職場づくりに努めています。従業員の健康意識向上を促し、自ら健康増進に向けて取り組んでいけるように、ヘルスリテラシー教育や情報発信を行っています。

健康経営を具体的に推進するために2017年9月に「健康経営宣言」を制定。2020年4月にはオカムラの働き方改革「WiL-BE(ウィル・ビー)」の基盤として健康の重要性を再確認し「健康経営宣言」を改定しました。各種健康施策の拡充や働き方改革「WiL-BE」から2023年4月より進化した「働きがい改革WiL-BE2.0」のさらなる推進により、従業員が活き活きと働きながら、お客さまにも健康的な働き方を提案することで、それぞれが思い描く生活の実現を目指しています。経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人2023(ホワイト500)」には、2018年から6年連続で認定されました。

持続可能で人が活きる社会の実現へ

オカムラグループは今後も、皆さまの要求に応える提案力と製品力を磨き、企業価値のさらなる向上と社会課題の解決を目指します。持続可能な社会の実現に向けた取り組み、そして人が活きる環境づくりを通して、社会に貢献してまいります。

今後とも、一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。