働き方・働く場の研究と視点

KNOWLEDGE

ABW実態調査

2023.11.20
  • Research
  • Workplace
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オフィス勤務とテレワークを組み合わせたハイブリッドワークが浸透し、
オフィス以外の場所で働く機会が増えてきたなかで、
ワーカーが主体的に場所を選択して働く「ABW」の概念が浸透してきました。
最新のデータを検証しながらABWの効果と実践方法について考察していきます。

POINT:

  • ABWを実践している人を対象に、自席の座席運用について聞いたところ、半数近くの人はフリーアドレスであることがわかった。固定席の人も3割ほどいて、決められた自分の席を持ちながら、それ以外の場所を使って働いている。
  • ABWのような働き方は「個人」「チーム」の両方に対して、仕事に良い影響を与えている。

ABWと
フリーアドレス

オカムラでは、過去にもABWに関する調査を行ってきましたが、ハイブリッドワークの普及にともない、ABWの導入が進んできていると考えられます。それでは、現在ABW を実践している人はどのように働いているのでしょうか。ABW の働き方の実態やその効果について、ABW を実践しているワーカー1,000名を対象にアンケート調査を行いました。

まず、自席の座席運用について聞いたところ、半数近くの人はフリーアドレスの状態で働いていることがわかりました。固定席の人も3割ほどいて、決められた自分の席を持ちながら、それ以外の場所も活用して働いているようです。


ABWには
どんな効果がある?

ABWのような働き方は「個人」や「チーム」の状態に対してどのような影響を与えるのでしょうか。

仕事に与える影響を尋ねたところ、個人・チームともに多くの項目で7割以上の人が良い影響を与えると答えています。特に個人、チームどちらも仕事への集中具合については8割程度の人に良い影響があったことがわかります。仕事やワーカー自身の状況に合わせて働く場所が選択できることは、個人、チームどちらに対しても良い影響を与えると考えられます。


仕事にプラスの影響を与えるABWは
多くの人に好まれている

さらに、「働く場所の選択肢が設けられていることに満足しているか」という項目についても尋ねました。その結果は、9割弱のワーカーが満足しているというものでした。同様に、「今後もABW のような働き方で働くことを希望するか」尋ねたところ、実に9割を超える人が「希望する」と回答していました。これらのデータから、ABW はそれを実践するワーカーの多くに受け入れられ、好まれる働き方であることが明らかになりました。個人、チーム双方での仕事に対して良い影響を与えるだけでなく、働き方として好まれ、受け入れられていることがわかります。

職種や業種によってはABWの導入が難しいこともあるかもしれませんが、職種の特性やワーカーの作業内容に合わせて、できるところからオフィス空間のバリエーションを整えてみてはいかがでしょうか。

Research: 池田晃一、嶺野あゆみ、森田舞、鯨井康志(オカムラ)
Edit: 吉田彩乃
Illustration & Infographic: 浜名信次、藤井花(Beach)
Illustration (Top Banner): カワイハルナ
Production: Plus81

詳細な情報を掲載したPDF版(掲載ページP4〜)は、下記バナーからダウンロードしてご活用ください。