オフィスづくりのコラム

COLUMN

マネージャーはどこに座る?
オフィスにおける職位ごとの席配置のトレンド

2022.12. 5
  • レイアウト

これまでのオフィスレイアウトは、職位の違いが反映されたものが一般的でした。ご存じの通り「島型」と呼ばれ、窓際から順に部長職、課長職、係長職、そして入り口の一番近い所に一般職を配置するオフィスが多かったのです。


近年は、固定席がフリーアドレスに変更されたり、ABWの働き方が注目されたりと、席の選択の自由度が高くなりつつあります。そんな変化の中で、マネージャーが座る席はどこに置かれる傾向にあるのでしょうか?

席の配置から見える、職位や働き方に対する考え方の変化

オカムラが2021年に集めたデータから、マネージャーの席の配置方法について調べてみました。

調査の結果、最も多かったのは②のタイプで、約半分がこれに該当しました。これは、部長職クラスに相当するマネージャーだけには独立した席を用意し、それ以下の職位はすべて、同じ規格の席が用意されたスタイルです。


続いて、①と④のパターンが約1/4ずつであることがわかりました。①のパターンは、以前主流だったスタイルで、職位の違いが席の配置によって明確に区別されているもの、④のパターンは職位ごとの席の違いがないタイプで、昔はあまり見られなかったものです。


残った③のパターンは2.7%と、ほとんど見られないスタイルです。

まとめ

冒頭で述べたように、フリーアドレスという運用方法やABWという考え方の変化があるにもかかわらず、「席のグループから独立した位置に設けられた席(濃緑の席)」が多くのオフィスにあることがわかりました。オフィスの在り方が多様になっていても、指揮命令系統は明確にしておきたいことの表れなのかもしれません。


一方で、マネージャーの席をまったく区別していない④のパターンのオフィスも約1/4あります。テレワークを前提とした場合は、対面でのマネジメントは難しくなるので、テレワークが定着していくのであれば、今後このスタイルが増えていくのかもしれません。


マネージャーの席の配置は、オフィス計画全体の中からみると大きな要件ではないかもしれませんが、それぞれの企業特性に合ったスタイルを選ぶことが大切です。

イラスト:ウラケン・ボルボックス

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