現場と会社が互いに動き出すとき、
オカムラの「働き方改革」が
始まった
WiL-BEという活動がオカムラの中で生まれた経緯を教えてください。
まず、WiL-BEのお話をする前に、取り組みを始めるきっかけとなった「WORK MILL」というプロジェクトのお話からさせてください。オカムラでは、働き方改革が社会的に本格化し始めた2015年に2つの方向からアプローチが始まりました。1つは企業として組織的に取り組む「働き方改革」。これは会社が陣頭指揮をとって行ってきた取り組みです。一方で、同時期に現場の声から始まった取り組みとして「WORK MILL」というものがあげられます。こちらは、半世紀以上働く環境について考えてきたオカムラが、長年のノウハウを結集し「はたらく」を考え変えていくプロジェクトです。その「WORK MILL」を皮切りに、会社発・現場発の働き方を変えていくプロジェクトがいくつも立ち上がっていきました。具体的には長時間労働を是正していく会社発の取り組みである、「ワークライフバランス推進委員会」、ダイバーシティを推進していく「ソダテルプロジェクト」、現場発の改善の取り組みである「働き方カエル!プロジェクト」などです。いずれも「はたらく」を考える取り組みであるため、プロジェクトを進めるにつれ活動領域に重なりが生じました。それぞれが同じ目的で取り組んでいるのならば、連携して1つの活動として進めていったほうがよいのでは?という話から2018年6月に生まれたのがWiL-BEという活動です。
同時に2017年の初めに、オカムラが提唱する新しい考え方として「Work in Life」という言葉も生まれました。「Work in Life」とは、仕事も、家族や友人、趣味、休み、健康、学びなどと同じように、自分の人生の中の一つとしてとらえましょう、という理念です。そのうえで自分らしい生き方を想像し、自分らしい働き方を考えること、「Work in Life」という考え方があってこそ、オカムラの働き方を変えるWiL-BEの活動が繋がってくるのです。
薄さんご自身は、どのような経緯でプロジェクトに関わることになったのでしょうか。
私は2015年9月にオカムラに入社しました。入社以前は人材情報サービスの会社で、研修開発や組織開発のコンサルティングを担当していました。そんな経験からオカムラに入社した当時社内の状況や環境を見て「これは、やりがいがあるな」という第一印象を受けました(笑)。人材育成や採用、さらにはもっと現場レベルの細かな部分に関しても改善できる余地はまだまだあるというのが最初の所感。企業規模が大きくなれば必ず出てくる課題ですが、会社は一つひとつの現場の細かな作業や人の動きまで見ることはなかなかできません。そうなると、現場では「不満」が生まれます。それがやがて「愚痴」となり表面化してくるのですが、この愚痴を愚痴で終わらせず改革へつなげていく、ということがプロジェクトの役割であり、意義だと感じました。そこで、現場と会社の橋渡しとしての機能を担っていこうと動き出しました。