Wil BE

4 Action Interview

「Team WiL-BE」編成から1年、
現場のいまとこれから
- #01 Human Development -

Human Development
人財開発部

坂本 憲一(Sakamoto Kenichi)
猪狩 あすか(Igari Asuka)

「Human Development」「Work Rule」「Work Smart」「Work Place」の4つのアクションから成り立っているTeam WiL-BE。2019年4月に編成し、約1年に渡り活動を進めてきました。
今回は、現在進行形で活動に励む各アクションの担当者へインタビューをしていきます。
第一弾は人財の育成や学びを支援するため、ガイドライン作成や新プログラムを立ち上げている「Human Development」。さまざまな施策を企画、進行している人財開発部の坂本 憲一氏、猪狩 あすか氏にこの1年の活動についてお話を伺いました。

○WiL-BE ・・・オカムラが推進する働き方改革の名称。自分らしくLifeを楽しむために、いきいきと働く人でいっぱいの職場をつくっていくための活動。
○Team WiL-BE・・・2019年4月に再編されたオカムラの働き方改革を推進する事務局の名称。

全社をあげた大プロジェクトに驚愕、
まずは目的の定義からスタートした

「Human Development」アクションはWiL-BEの中でも、人財育成やモチベーションといった働く人それぞれに深く関わる部分ですが、お二人はどのような経緯で関わるようになったのでしょうか。

坂本:2018年6月に生まれたWiL-BEは、2019年4月に4つのアクションとして第二期のスタートを切りました。以前、僕は人事部に所属していて直接の関わりはなかったのですが、2019年7月に人財開発部に異動したのをきっかけに担当するようになりました。

猪狩:私も坂本さんが異動してきたタイミングでメンバーになりました。出産のため休職していて、5月に復職したばかりでした。

坂本:大きなプロジェクトに突然関わることになったわけですが、これは大変だぞと(笑)。というのも「Human Development」では8つの目標を掲げていました。①新入社員インストラクター面談100%実施、②育成面談100%実施、③目標管理面接100%実施、④必修研修100%受講、⑤e-Leaning15%受講、⑥通信教育5%受講、⑦勉強会の実施、⑧「実践確認アンケート」提出率80%という具体的な8つの目標に対して、それぞれやるべきタスクが膨大にある。時間がかかるものばかりですし、育成面談に至っては約1ヶ月後の8月中旬から始まってしまう…。だからまずは、優先順位をつけて動いていきました。

「Human Development」アクションを進めていくことに対して、どんなお気持ちでしたか?

坂本:そもそも何のためにやるのか、目的はなんだろうとディスカッションして、自分達でWiL-BEの意義を定義することから始めました。動機を明確にすることで、意欲的に取り組んでいこうという気持ちをつくっていきました。

猪狩:私はアクションに対して、自分の思いを投影することができたので進めやすかったです。活動の一つにe-Learningの提供があるのですが、まさに自分が求めていることでした。学びたい時に誰もが学べる、やりたい人がやりたい時にできる、そんな風になるべきだし、なったらいいなと思っていたんです。

坂本:猪狩さんはお子さんが2人いて、毎日が“戦い”なんですよね(笑)。

猪狩:はい(笑)。自己啓発をする時間がなかなかありませんでした。やりたくても時間がない、でも学びたい気持ちがある人に対して、何が提供できるのか。もしかしたら自分にもe-Learningや通信教育などで学ぶことができるのではという期待も含めて、共感しやすい部分はありました。

坂本:仕事を自分ごと化できたわけですよね。僕自身が自分ごとにできたのは、現在仕事をしながら大学院に通って学んでいるという状況もあるかもしれません。コミュニケーションのあり方や仕事のパフォーマンスの上げ方など学んできたことを、アクションの施策の中でも活用することができました。こういったことが、やりがいになったり、自分ごとにも繋がっているのだと思います。

目的はパフォーマンスの最大化
従来の面談の運用を一新!

現在行っている、具体的な取り組みを教えてください。

現在行っている、具体的な取り組みを教えてください。

坂本:大きく分けると、「面談施策」「学びたいを本気で応援する活動」「脱受け身研修に向けた準備」という、3つの活動をしています。まず、面談施策の中でもマネジャーとメンバー間で、目標設定の確認と評価通知・フィードバックを目的に年2回行われる目標管理面接に力を入れました。上から下りてきた目標をこなすだけでは、他人事でやらされ感が出てしまいます。面談を通じて自分がやりたいことと組織の目標の一致点を見出し、すり合わせて目標を設定するのが目標管理面接の醍醐味です。
目標管理制度は、単に処遇を決めたり、序列をつけた人事考課を行うためにあるのではありません。各自の今の能力や業務遂行の状況を評価・フィードバックすることで、本人の動機付けを行ったり、次の段階へ能力を開発することにもつながっていくものです。すなわち、オカムラの経営成果をあげるためのマネジメントツールといえます。この認識を、社内でもさらに浸透させていきたいです。
そのために、目標管理面接だけでなく、育成面談や新入社員インストラクター面談も、目的はチーム力を最大化するためのものと再定義したいと考えています。

チームのパフォーマンスを最大化する手段として、面談を変えていこう!ということですね。具体的にはどのように変えていきましたか?

坂本:例えば育成面談については、面談時に使用するキャリアコミュニケーションシート(CCC)や面談に伴うガイドラインをリニューアル。マネジャーがメンバーの育成計画をCCCに書いてから、メンバー本人と面談を行うという運用に変えました。マネジャーが考えていた育成計画とメンバー自身がやりたい目標の間に、もしギャップがあればそれを気付きにして、今後の育成計画に役立てることができるようになっています。単に面談をすればメンバーのやる気が上がるわけではなく、対話を通じて信頼関係・相互理解を深めることが大切です。メンバーそれぞれに合った仕事配分をすることで成果につながり、その結果本当の意味でモチベーションが上がるのではないかと考えています。

施策によって、面談率は上がったのでしょうか?

坂本:育成面談、目標管理面接、新入社員インストラクター面談のすべてで、実施率は前年比で大幅にアップしました。今後は実施率だけでなく、面談の内容にも目を向けていきたいと考えています。そのために、全社アンケートを実施する予定です。どんな要因でメンバーのモチベーション、さらにはチームレベルでのパフォーマンスが上がるのかを把握して、オカムラオリジナルのチームのあり方、コミュニケーションのあり方を検討したいと思っています。

自らの育成計画を考え、自ら学ぶ、
学びたい人を本気で応援します!

具体的な取り組みの2つ目、「学びたいを本気で応援する活動」はどのような活動ですか?

猪狩:e-Learningや通信教育を推進することです。自分のありたい姿をイメージし、それに向かって努力する人を本気でサポートしたい。その一環として、e-Learningシステム「グロービス学び放題(グロ放題)」を導入しました。これは一人ひとりが自ら希望するバランスで、柔軟かつ主体的に学べる構造になっています。また、オカムラオリジナルのカリキュラムを作成し、わかりやすく柔軟な学びを提供するよう工夫もしました。グロ放題の導入にあたっては、やってみたいけれど費用負担が懸念材料だという意見もあったのでキャッシュバック制度も活用しました。

坂本:e-Learning は当初100名を想定していたのですが、従業員全体の約10%にあたる333人集まりました。通信教育は受講率1.2%だったのが、3.9%に増えました。

猪狩:今後はさらに学びやすいシステムに変えるため、ラーニング・マネージメント・システム(LMS)を導入する予定です。スマートフォンから学習できたり、研修の受講履歴などをシステム上で管理できる。集合研修もシステムに乗せて、集合研修とe-Learningをセットで行ったり、さまざまな研修もLMSで申し込みが可能になります。各自の学びに直接役立つという他にも、例えばマネジャーがLMSを通じてチームメンバーが何に興味があるのかを把握することで、面談内容や育成計画に活用することも可能です。

坂本:3つ目の「脱受け身研修に向けた準備」の話にもつながるのですが、オカムラでは今期、企業内大学を設立します。
これにより、柔軟で主体的に学べる新しい学びの場が生まれます。多くの人が自ら学ぼうと思ったり、学びをきっかけに自分の育成計画を自分自身でも考えてみるようになったりするでしょう。その結果、自分のキャリアは自分で決めていくんだという姿勢を持ってもらえるようになればと期待しています。
階層別の必修研修と手上げ式である選択講座の役割を明確にして、自身のありたい姿を追い求められるように態勢を整えています。従来の講座とは一味違うイベントも企画しているので、楽しみにしていてほしいです!

1年という短い期間の中で、戦略的かつ優先順位をつけて施策を行ってきたお二人ですが、アクションを進める中で、印象的な出来事はありましたか?

坂本:e-Learningのプロモーションのために従業員をモデルに起用してポスターを制作したのですが、みなさんが普段とはまったく違う表情になっていたのが非常に印象的でした。恥ずかしがりながらもスポットライトが燃料になって、ますますキラキラしていく様子を見て感動したのを覚えています。

猪狩:みんなでつくり上げていく感覚が心地よくて、協力してくれたみなさんにも楽しかったと言ってもらえたのはとても嬉しかったです。

ポスター用撮影風景

壊すだけが正解じゃない、
変化と定着の両立をいまも模索中

従業員自らの学びたいという姿勢や、ありたい姿を実現するためのアクションということで、働き方そのものに大きく関わる領域だと思いますが、大切にしていることはなんでしょう?

坂本:ぜひ多くの皆さんにさまざまな施策へ参加してもらい、用意したツールを使い倒してほしいと思っています。親しみやすい印象を持ってもらうためにも、実担当者であるわれわれがまず楽しんで活動していることは大切ですし、それが伝わっていけばいいなと。
意識づけのためにも、日々WiL-BEを意識した行動や言動を心がけていますし、WiL-BE活動に寄与する行動があれば「Good WiL-BE!」と言い合っています(笑)。

1年を通して見えてきた課題と今後やりたいことを教えてください。

坂本:僕たちの今後のミッションは、変化と定着を両立させること。プロジェクトに邁進してきてふと一息ついた時に、今は既存のものを壊しただけでその後のフォローまではできていない、このまま突き進むだけだとダメだと感じたことがありました。
WiL-BEの活動も古い概念を壊して新しいことに挑戦していますが、それだけでは理解は得られません。まずは従業員一人ひとりの幸せがあり、その幸せがその人のモチベーションやパフォーマンスという成果につながって、結果的に会社の利益になるはずだという思いで進めています。この思いを共有して、みなさんが自分ごととして受け取り実践するようになっていかなければ、多くの取り組みをただ実施するだけになってしまいます。それは非常にもったいないですよね。
だからこそ、今後は「変化」と「定着」のバランスを意識した施策を考えていきたいです。企業内大学などの“学びのダイバーシティ”にチャレンジして変化を起こすこと、2019年に実施した施策に対して改善成果の定着に注力したいです。

“学びのダイバーシティ”という言葉に込めているのは、成長は人それぞれで他人に決められるものではない、その成長はただ上に進むだけじゃなくて、斜めや後ろに進んでみてもいいという思いです。来期はe-Learningも拡充しますが、ビジネススキルだけにはとらわれず、料理などの趣味的な内容も導入する予定です。一見仕事には関係なくても、人生を豊かにしていくものを提供できればいい。それが各自の幸せにつながって、さらに仕事に向き合ううえでの活力につながっていくはずですから。

WiL-BE COLUMN
-あなたの考える「Work in Life」とは?-

「WiL-BE」を推進していく上で、オカムラが提唱する理念「Work in Life」はとても重要です。仕事も、家族や友人、趣味、休み、健康など学びと同じように自分の人生の中の一つとして捉えていくという考え方は、自分らしい働き方、そして生き方に通じています。ここでは、各アクション担当者にご自身の「Work in Life」について伺います。現在のLifeとWorkの割合、そして理想とする割合についてどのように考えていますか?

※本来のWork in Lifeの考え方ではWork は Lifeの中の1つと捉えますが、ここでは分かりやすくするため、Lifeの中のWork 以外を Life として表しグラフにしています。

猪狩’s VOICE

現状の私はLifeよりWorkが大きいですね。2人の子どもを育てているのですが、夫も家を空けていることが多く、Lifeは家事と育児で占められています。理想はLifeの割合を増やしつつ、家事育児以外の趣味の時間や夫を含めて家族全員がそろう時間が増えるといいなと思います。

坂本’s VOICE

僕の場合、LifeとWorkの割合は現状と理想は同じですが、仕事を趣味化したい。自分の興味関心がそのまま仕事になるようにシフトするべく、専門知識をつけるために勉強しています。今は大学院に通っていますし、勉強する時間がLifeの大半を占めていて、家族の時間が少ない。大学院を卒業したら家族の時間に当てて、それ以外の時間に友達と過ごしたり、今までとは異なる語学学習、他のコミュニティで新しいことに挑んでみたいです。

※2020年3月3日 取材

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