Wil BE

4 Action Interview
2020 Autumn & Winter

変化していく時代に、WiL-BEは今
- #04 Work Place -

働き方コンサルティング事業部 スペースデザイン一部 
酒井 彩乃(Sakai Ayano)写真右

オフィス営業本部 インテリア東京支店 
岡 民人(Oka Tamihito)写真中央

オフィス営業本部 渋谷支店 
小川 剛正(Ogawa Takamasa)写真左

オフィスづくりを通じて、働く環境を提案してきたオカムラ。WiL-BEの一環として社内拠点整備のサポートや、柔軟な働き方を実践するための環境を整える「Work Place」アクションがあります。この新たな取り組みとして、2020年7月から渋谷スクランブルスクエアでラボオフィス「CO-EN LABO」を展開しています。
ラボオフィスとは、オカムラの従業員が実際に働きながら、自らの働き方や働く場の実験・検証をしていくことをテーマにしているオフィスのこと。現在、渋谷の他に複数拠点でラボオフィスの取り組みを進めています。
今回は「CO-EN LABO」の担当デザイナーとして立ち上げに関わった酒井 彩乃氏と、「CO-EN LABO」入居者である岡 民人氏、小川 剛正氏にインタビュー。新たなオフィスで感じた働く意識の変化や今後の課題について伺いました。

動線や選ぶ家具を工夫して人をつなぐ
自分たちでつくり上げた快適な空間。

さまざまな家具が配置された見通しの良い空間とちょっと変わった曲線のレイアウト。そして入ってすぐ目の前に広がる眺望は素晴らしいですね。これまでのオカムラのオフィス空間とはまた違う印象ですが、皆さん 「CO-EN LABO」で働いてみてどんな感想をお持ちでしょうか。

小川:とても快適で、会社に来る時の気持ちが変わりました。ここには私が所属する渋谷支店を始め、複数部門が入居しています。移転前は、いわゆる一般的な事務所、普通のオフィスで働いていたので、いろいろな部署のメンバーと一緒に充実した環境で働けるというのはいいなと。営業職として、自分のオフィスに愛着を持って実体験を話せますし、働き方も含めてお客様へのアプローチも変化したと思います。

岡:背の低い家具が多く間仕切りがないからフロア全体が見渡せるし、44階からの眺めも良くて、気持ちがオープンになりますね。
レイアウトも複数のエリアから構成されていて、大部分でフリーアドレスを採用しているのですが、オフィス内を回遊することでいろいろな人とすれ違ったり話す機会も増えて、オフィスにいるメンバーの顔ぶれがよくわかるという発見もありました。

主動線にはあえて背の低い家具を取り入れて開放感を演出、ソファやラグが多く置かれている。

酒井:所属部署の拠点は赤坂にあるので、私は「CO-EN LABO」をサテライトオフィスとして利用しています。駅直結で交通の便がよいので、外出や通勤の合間に利用する頻度は多いですね。自拠点のオフィスと自宅以外にサテライトオフィスも使うことで、働く場の選択肢が広がる。ここに来ることで気分が変わり、仕事へのスイッチが入ることもよくあります。

「CO-EN LABO」の空間を考えるにあたって、工夫したことはなんでしょうか?

酒井:入居メンバー自らが考えた「CO-EN LABO」のコンセプトの一つが「快適さ」です。快適って例えば、植栽を置いて視覚的に緑があったり、ソファがあったり、家みたいにリラックスできることかなと考えて、海外でも注目されている “リビングスタイルオフィス”を取り入れました。
間仕切りや会議室がなく、ソファなどリビング家具をメインに、曲線をモチーフにした開放的で寛げる空間になっています。
そして「CO-EN=交縁」の意味を込めたように、人が回遊することで偶発的な出会いや会話が生まれる空間をめざし、動線を工夫したレイアウトにしています。

植栽を取り入れてリラックスできる空間に。

曲線や円をモチーフにした家具やレイアウトがポイント。回遊することで偶発的な出会いを生む。

自社製品に限らずさまざまな種類の家具を採用したのはどんな意図があるのでしょうか?

酒井:オカムラの家具とはひと味違ったデザインやフォルム、カラーの製品を取り入れることで、逆に自社製品の良さが見えたり、またそれぞれを組み合わせて使えることがわかるなど、相乗効果を狙いました。例えば、執務用の機能性を重視した上下昇降デスクにはオカムラ製品を取り入れ、リラックスしたい時に使うソファはデザインがユニークな海外メーカーのものを組み合わせる、というふうにお客様へ提案の幅が広がるきっかけになればいいなと。

小川:お客様にこの話をすると、家具だけを売るのではなく、働く場そのものを提案したい会社なんだという印象を持っていただけるように感じます。それに、見学に来た方にここで実際にいろんな家具に触れて、体験していただくと「やっぱりオカムラの家具は使いやすいね」と言っていただけることも。

「CO-EN LABO」をつくるうえで、苦労した点はありますか?

酒井:内装に関しては、天井に手を加えたり、壁に釘を打ったりなどはできなかったため、できる範囲内で何をするのか考えました。どこかで遊びの要素を演出したいと考えて、一部の壁にオレンジ色の塗装を施して明るい雰囲気を出すことにしたんです。

小川:ロッカーのグラフィックもいいですよね。

酒井:ロッカーは一般的にホワイトやブラックのカラーでシンプルな印象だと思いますが、今回はシートを貼ってみようと。お客様に対しても、シートを貼るだけで印象が変わりインテリアの役割が果たせるという提案もできるんじゃないかと思ったんです。

岡:ちょっとした工夫でできることはいっぱいある。それがここでは見られると思います。

シートを貼ることでカラフルなロッカーに。インテリアとしても活用できる。

皆さんのお気に入りの席や場所はありますか?

岡:集中モードの時は窓際の席を使うことが多いです。天気の良い日は、富士山が見えて朝は本当に景色がキレイだし、上下昇降デスクが設置されているので、作業が長くなったら立って働いてみたり、姿勢を変えられます。気分を変えたい時は席を移ったりもしますね。

44階からの景色を見渡せる窓際のエリア。上下昇降デスクで姿勢や目線を変えて仕事ができる。

小川:電話することが多いので奥にあるブースをよく使うんですけど、使う場所が決まってきてしまうのはもったいないですよね。その日の気分や体調によっても最適な場所は違うし、この席はどんな状況に向いているのか確かめるためにも、いろいろな席を使って試しています。

電話やクローズドなミーティングなどに適したワークブースも設置。

酒井:私は、打合せで来ることが多いので、来ていることが分かりやすいようにフロアで目につきやすいソファのあたりにいることが多いですね。夕方になるとリラックスしたくなるのか、ラグに直に座ってテーブルで仕事をすることもありますね。端から見ると家のリビングにいるみたいだそうです(笑)。

土足禁止のラグは靴をぬいで上がり、ソファに寄りかかりながらリラックスして仕事。

大きなテーブル席も用意されている。

自由に場を選び、人と交流することで
仕事の効率や意識も変わっていく。

「CO-EN LABO」で働いてみて、働く意識や行動などに変化はありましたか?

岡:新型コロナウィルスの影響で働き方も変化しているため以前と同じ条件での比較は難しいのですが、仕事の効率が良くなりましたね。
場所を選んで働くことの効果をお客様へ提案しながらも、ここに入居するまではあまり実感を持てていなかったのですが、実践してみると本当でした。集中力も上がって、退社時間も早くなりました。

酒井:入居後に拠点メンバーを対象にアンケートを実施しましたが、移転前よりコミュニケーションの量が増えたと9割以上の人が回答しています。またリビングスタイルの導入も8割以上が居心地がよい、集中できると答えていますね。全体的に満足度は高い結果となっています。

小川:いろんな人の働き方を目の当たりにするのは刺激になります。自分のスキルを高めるために自己啓発の時間を増やしたいと思うようになったし、効率よく仕事するにはどうすればいいのか考えてみたり。

岡:オフィスが変わることで意識まで変わるとは思っていなかったよね。

小川:はい、そこまでは期待していませんでした。やはり自分自身で体験してみないと、お客様にも語れないので、これはいいことでしたね。

アンケート結果ではコミュニケーション量が増えたという結果ですが、実感としていかがですか?何かそのための工夫などをしたのでしょうか。

酒井:他拠点の人もサテライトオフィスとして外出ついでに仕事をしに立ち寄ったり、打合せで「CO-EN LABO」を使いたいと言っているのはよく聞きますね。人が集まるきっかけ、コミュニケーションのきっかけになっているのではないでしょうか。

小川:当初は仕事で直接接点のない複数の部署が同じフロアでフリーアドレスってどうなるのかな、と少し心配していたのですが、部門・職種を超えた会話の幅も増えたし、互いの関係性も深まったように感じています。「CO-EN LABO」のコンセプトでもある「人と人との交流、社内外の人との縁(円)をつなぐ」をまさに実践できているかなと。

岡:あと、ゴミ箱がフロアでカフェカウンター近くの1ヶ所にしかないのがいいんですよね。最初は不便かなと思っていたのですが、ゴミを捨てに行ったり、コーヒーを淹れに行くときにカウンターで誰かと会って会話できることもあるので。

小川:ゴミ箱は席ごとに設置していたら、動線を邪魔してしまうし歩きづらいですよね。オフィスもすっきりするし見映えも良くなるのでよい工夫だったのではと思います。

人が集まる仕掛けをつくったカフェカウンター。ちょっとした休憩の時間で会話が生まれる。

オフィスづくりに終わりはない
変化し、進化していく必要がある。

岡さんと小川さんは、「CO-EN LABO」運営自治会のメンバーとして、どのようなことをしているのでしょうか?

小川:社内勉強会を企画しています。例えばリモートワークを進めている状況で必要になるICTツールの知識についてなどが最近開催したテーマですね。

岡:今はまだ新型コロナウイルスの影響で実施が難しいところもありますが、フロアの中央に大型モニターがあるので、これを使って映画の上映会をしたり、みんなが立ち寄れるようなイベントの企画を温めています。

小川:社内だけでなくお客様や社外とコラボレーションしたイベントもやっていきたいですね。自宅やシェアオフィスと、どこでも働ける環境が整ってきた状況で、今後は例えば「会社でイベントに参加するから今日はオフィスに出勤して働く」など、オフィスへ来る目的が以前とは変化していくと思っています。

オフィスはオープンして完成でなく、使ってみて変化に合わせ進化させていくのが重要。自分たちでつくり上げたこの場を生き物として捉え、入居者が自分ごととして、よりよくするための活動をセットで行うことが大切です。そのための自治会をみんなで盛り上げていきたいです。そして全社で拠点ごとに展開している改善の取り組み「カエル!活動」と連携もしていく予定です。

「CO-EN LABO」が稼働してから今後の課題は見えてきていますか?

岡:良く使われる席と、そうでない席に少し差が出ているように感じています。あと使う人が比較的少ない場所もありますね。

酒井:アンケート結果にもそれは出ているので、理由を検証して家具の変更や運用ルールを改善していきたいです。良いところとそうでないところ、意見やデータは両方重要です。
お客様に提案していくうえでも、実感を伴ったリアルな声を伝えられますから。

小川:これからも「CO-EN LABO」でさらに多様な働き方を実践して、担当業務である提案内容や実際の売り上げへ反映させていきたいです。
そして、ここで働く私たち自身の成長やWork in Lifeの充実にもつなげていくことが、本当のゴールだと思っています。

WiL-BE COLUMN
-あなたの考える「Work in Life」とは?-

「WiL-BE」を推進していく上で、オカムラが提唱する理念「Work in Life」はとても重要です。仕事も、家族や友人、趣味、休み、健康など学びと同じように自分の人生の中の一つとして捉えていくという考え方は、自分らしい働き方、そして生き方に通じています。ここでは、各アクション担当者にご自身の「Work in Life」について伺います。現在のLifeとWorkの割合、そして理想とする割合についてどのように考えていますか?

※本来のWork in Lifeの考え方ではWork は Lifeの中の1つと捉えますが、ここでは分かりやすくするため、Lifeの中のWork 以外を Life として表しグラフにしています。

酒井’s VOICE

今は仕事が忙しく、プライベートの時間はあまり取れていないので、理想としてはWorkとLifeの比率を逆転させたいです。前職でグラフィックデザインの仕事をした後にオカムラへ中途入社するまでの間に、デザインとは違うことをしてみたくて寿司職人になるための学校に通っていた時期がありました。お寿司が大好きで自分で握れるようになりたいと通ったのですが、握っている時は自分では全く食べられないという事に気づきました(笑)。仕事と直接関係ないことでも刺激になったり、仕事に活かせる要素があると思うので、習い事をしたり、勉強会に参加する時間を増やしたいです。

岡’s VOICE

WorkとLifeの比率が7:3となっていますが、「CO-EN LABO」に移転してからは働き方も変わってきて、以前より早く仕事を終えられるようになっていると思います。これからもう少しLifeの割合を増やして、趣味の釣りに行ったり、あとは筋トレする時間にもあてたい(笑)。運営自治会で身体を鍛えるような・・までいかなくても、健康関連のイベントも今後企画したいですね。

小川’s VOICE

1日にできることが10個だとしたら、今よりも自分のキャパシティを広げて12個や15個くらいできるようにしたいです。そのためにも、点線で描いたようなWorkとLifeが一緒になっている部分を増やして、会社の人ともっとコミュニケーションを取ったり、資格の勉強といった自己啓発をして、仕事にもつながるような自分の財産を増やしたいです。昔からサッカーをやっていて、今でも社会人チームのコーチをやっているのでそういったLifeの時間はこれからも大切にしていきたいですね。

※2020年10月23日 取材

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