ものづくり最前線の事業所全体がワンチーム
みんなで取り組む「OPK(オッパマカエル)」活動
オカムラ社内で展開するカエル!活動は部門、部署などの単位で参加するケースが多いようですが、追浜事業所は事業所全体をチームとして活動していますね。皆さん、どのような経緯で参加することになったのですか?
吉田: 実は取り組みを始めるまで、カエル!活動についてあまりよく知りませんでした。たまたま社内の全社掲示板で「早帰り宣言カード」(その日の帰宅時間を各自で設定し掲示する取り組み)を営業支店が導入している様子を見てこれは面白い、追浜事業所でも導入したいと思ったのがきっかけでした。その後、カエル!活動に参加することになったのですが、追浜事業所内には、製造・技術・スタッフなどさまざまな部署がある中で、部門の壁を超えて一つのチームとして活動をすると何か新しい変化が生まれるんじゃないかと考え、事業所全体で参加することを決めました。
東海林:これまでも業務改善活動は取り組んできていて、トヨタ生産方式(TPS: Toyota Production System)※にならった独自のオカムラ生産方式(OPS: Okamura Production System)があります。追浜に限らず全ての生産事業所で導入していますが、技術や製造の部署ごとの活動になりがちという面はあると思いますので、カエル!活動のように横断的にやるのは面白い取り組みだと思いました。
※トヨタ生産方式(TPS:Toyota Production System)
トヨタ自動車の生み出した、工場における生産活動の運用方式の一つ。
神谷:生産事業所で定着しているOPSにならって、追浜のカエル!活動は「オッパマカエル=OPK」と命名しています。事業所のメンバーがちょっと困っていることやお悩みの解決、働く環境を心地よくするというところに目標を位置づけています。
吉田: 具体的には、コロナウイルス感染予防の徹底のため、消毒などの対策導入や協力の呼びかけ、月次全体朝礼をオンラインで実施したり、日常の問題点をヒアリングするアンケートを取って改善しています。小さくても、より良くみんなのためになりそうなことを、自分たちで試行錯誤しながら進めています。ただ、コロナ禍で今まで以上に働き方が変化する中で、製造に携わる職場では必ずしも全ての業務をリモート化できない部分もあります。働き方をより良く変えていくにはどこを目指すべきなのか、何が正解なのか…手探りではありますが、立ち止まらず活動していますね。
神谷: OPSは例えば作業を何分・何秒短縮すればムダをなくし改善につながると明確に結果が見える一方で、OPKは数値だけではない部分にも重きを置くというのも意識しながら活動をしています。
他に生産事業所ならではの難しさはありますか?
吉田:追浜事業所全員に伝えることと、それを浸透させていくことはなかなか難しいです。
同じ事業所内とはいえ、部署によって業務がかなり異なります。例えば製造工程に従事する職場では、PCを業務では使用しない人も多い。そのため、社内イントラネットなどで情報を共有するだけでは、広く認知してもらえないのが実情ですね。
神谷:最初はOPKに関するお知らせをオンラインで広報していたのですが、そのような理由もあり人通りの多いところに掲示板を設置しての広報も行っています。カエル!活動のニュースだけでなく、例えばトップメッセージがより伝わるように、中村社長のブログ記事を用紙に出力して掲示しています。
アンケートもオンラインのほかに業務でPCを使用しない人には紙で配布したり、対面でヒアリングするなど追浜事業所全員でのOPK参加をめざして、できることから取り組んでいます。
事業所内の掲示板ではOPKやカエル!活動全体のお知らせを掲示している
東海林:日々業務のいろいろな面で感じることですが、同じ部署内でも同じ考えを共有したり心を一つにすることは簡単なことではないのに、部署も職種も立場もまったく違うメンバーで同じ活動を進めていくのは至難の技です。みんなで同じ気持ちで進んでいくためにはどうしたらいいか、そこを意識して取り組んでいます。