Wil BE

4 Action Interview
2020 Autumn & Winter

変化していく時代に、WiL-BEは今
- #01 Work Smart -

情報システム部

山元 崇央 (Yamamoto Takahiro)
写真右

太田 悠樹 (Oota Yuki)
写真左

新型コロナウイルスの影響で誰もがあらゆる場面で変化を余儀なくされた2020年。「Human Development」「Work Rule」「Work Smart」「Work Place」。この4つを基軸に、自分らしくLifeを楽しむための独自の働き方改革「WiL-BE」に取り組んできたオカムラにとっても例外ではありませんでした。テレワーク、オンライン会議、少し前までは特別だったことがあたりまえとなり、「Work Smart」の重要性を身をもって実感した日々。急激に訪れた新しい働き方をICT技術で支えた情報システム部の山元崇央さん、太田悠樹さんに振り返っていただきました。

○WiL-BE ・・・オカムラが推進する働き方改革の名称。自分らしくLifeを楽しむために、いきいきと働く人でいっぱいの職場をつくっていくための活動。

緊急事態下でも働きやすい環境を
全社へ展開していく

ICT関連の業務を一手に引き受ける情報システム部は「Work Smart」を支え続けるまさに基幹ですね。

山元:情報システム部は第1企画・第2企画・システム開発・システム基盤・フロントサポートの5つのチームで構成されています。私たちが所属するフロントサポートはICT機器やネットワークの管理、情報セキュリティ対策、クラウドサービスの導入支援などを担っています。また、ICTについてのヘルプデスクも担っており、以前はパソコンやプリンタが業務で使用するメインのツールでしたが、最近はタブレットやスマートフォンといったデバイスが増え、業務で使うICTの領域が急激に拡大・複雑化しています。問い合わせの内容も多岐にわたるようになりましたが、よりスピーディーに対応できるよう務めています。

最先端のICTと社内の皆さんをつなぐ役目を担われているんですね。今回のコロナ禍では在宅勤務が急ピッチで進み、自宅でICTを使いこなさなくてはいけない状況となり、さらに新しいアプローチが求められたのではないでしょうか。

太田: 突然テレワークを余儀なくされるなか、大きく二つの問題がありました。一つめは機器の問題。会社支給のスマートフォンやノートパソコンの有無、自宅にパソコンはあるか、ネット環境は……まずハード面のフォローに追われました。

そして二つめは在宅勤務時に従業員が自宅から社内ネットワークへ安全に接続するためのセキュリティが担保された通信の確保(VPN接続)です。もともとある程度の人数は同時接続できるライセンスをもっていたのですが、今回緊急事態宣言を受けて数千人規模で一斉に在宅勤務を開始しましたから、接続のためのライセンス数がまるで足りないという状況になってしまいました。
実は2020年夏の東京五輪の開催を念頭に、オリンピック開催期間中にテレワークをスムーズに行えるよう以前から準備を進めており、接続ライセンス数の増強はもともと計画していました。それを前倒しするかたちで急遽回線を増やしましたが、それでも全員分の数は確保できません。午前・午後で使用する時間帯を分けたり、VPN接続を使わずに作業を進める方法をアナウンスしたり、新たなVPN接続の仕組みをクラウドサービスで急遽導入したり。試行錯誤しながら、皆さんがテレワークでもスムーズに社内システムへアクセスできる環境を整えていきました。

山元:ヘルプデスクへは日常的にICTについての質問や相談があるのですが、コロナ禍では在宅勤務が増えたため、在宅勤務ならではの問い合わせが来るようになりましたね。私たちにも社内の皆さんにとっても、初めての事象が続き、緊急事態宣言が出された頃はまさに日々手探り状態でした。

トライとチャレンジの日々。
新しい働き方が急速に浸透していった

想定外の連続でかなり苦労されたと思います。その一方で、ピンチがチャンスになったといいますか、WiL-BE 「Work Smart」の施策である「どこでもワーク」が飛躍的に進みましたね。

山元:できるかできないかではなく、やるしかない。そんな状況がきたという感じでしたね(笑)。情報システム部のメンバーも在宅勤務が主となり、私たち問い合わせを受ける側も輪番出勤となりましたから、Teamsで密に連絡をとりながら、知恵をしぼり、工夫をかさね、走りながら解決策を考えるような日々でした。このような状況でしたが、皆さんの協力をいただくことができ、結果的にオカムラ全体で加速度的にリモートでの新しい働き方に順応できたように思います。

太田:自宅から仮想デスクトップ(自宅のパソコンに社内システムを導入し、使用できる仕組み)接続やBYOD接続(個人所有のスマートフォンからOutlookやTeamsといった社内で導入しているソフトを利用できる接続方法)、リモート会議のライセンス増強など……コロナ禍をきっかけに、あるいは前倒しにして導入した対応策はあげ始めるとキリがありません。

山元:e-Leaningシステムの変更も行いました。以前は社内のパソコンから利用する必要がありましたが、新しくクラウドで構築し、自宅など社外のどこからでもアクセスできるようにしました。社内研修や社外向けセミナーもシステム上でZOOMをつないでできるようにするなど、利便性を大幅に拡充しました。
例えば、新入社員研修は例年ですと社内の会議室やショールームに全員が集まって実施していましたが、今年は全てオンライン形式に切り替えました。そのためのモバイル環境を短期間で用意するなど、初めて直面する事態の連続でした。

太田:スピード感が求められましたよね。通常ですと2、3ヶ月かかるシステムの構築を、既に契約していたクラウドサービスを使うことで2週間程度でつくりあげたり。クラウドの存在は大きいですね、以前ならこれほどスピーディには進みませんでしたから。

変化の日々がもたらした
仕事への新しい視点

誰もが自身の仕事や暮らしと向き合わざるをえない状況でしたが、お二人も仕事の考え方やご自身の働き方などに変化はありましたか?

山元:大きく変わりましたね。システムに関して言うと、以前は多くの手順を踏み、時間をかけて一歩ずつ構築していましたが、最近は小さく構築してみて、有効と分かれば利用対象を広げていくようになりました。
BYODはまさにその典型だと思います。最初に執行役員や一部の所属長の方々に使ってもらって、効果検証やヒアリングをしてから全社展開しました。今までとは順序が逆かもしれませんが、そのおかげか社内への浸透は早かったように感じています。

太田:個人的に今回改めて思ったのは、目的を大事にするということ。ICTに限った話ではないですけれど、例えばシステムを導入したいとかツールありきで話が進みがちになるところを、「何のために、誰のためにやるのか」を忘れてはいけないと改めて意識するようになりましたね。本質を見つめることで、新しい可能性も見えてきますから。
もう一つ、「やりたい仕事」を自分から見つけ、取り入れたいと思うようになったことも大きい変化でした。仕事には「やらないといけない仕事」「やりたい仕事」両方あると思いますが、どうしてもやらないといけない仕事は溜まりがちですよね。そこにやりたい仕事を一つでも自分からつくって入れていきたいな、と。やりたい仕事を増やしていけば自分も面白いし、仕事に向かう姿勢も変わってくる。この気持ちが周りに伝わり、広がっていったらいいなと思うようになりました。
そんな考えになったきっかけは、最近続けている時差出勤。朝5時半(!)に出社することも多いんです。朝のすがすがしさがそう思わせるのか(笑)、ポジティブな気持ちが湧いてきて、仕事に積極的な気持ちで向かいあうようになりましたね。

面白いですね。働き方を変えることで、考え方がポジティブになって、より仕事をクリエイティブにしたくなる。好循環です。

太田:早朝出勤はたまたま私に合っているだけで、一人ずつ、それぞれに能力を発揮できる働き方があるんだと思います。自分にとってのWork in Lifeを考えて実践するのが重要ということです(笑)。

社内のすべての人と部署にとって
Win-WinとなるICTをめざして

ICTが果たす役割はますます大きくなっていくと思いますが、どのような今後を思い描いていますか?

山元:これまでに対応した問い合わせや相談内容をFAQとして取りまとめ、全社へ公開する予定です。システムやICT機器の利用方法で困ったときにすぐに役立つFAQとすることで、ますます社内の皆さんが仕事のしやすいICT環境づくりに貢献したいです。

太田:「ユーザーに寄り添う情報システム」ですね。私は中途入社なので他社の状況も見てきましたが、つくり手と使い手の距離が近いオカムラの環境は珍しいのではと思いますし、大きなメリットに感じています。新システムが立ち上がる時はマニュアルをつくって終わりではなく情報システム部が導入の全拠点に説明を行うこともありますし、逆に、他部署の皆さんが外部とシステムを構築する際にもわれわれに情報共有や相談をしてくれることも。同じオカムラの一員、フラットな立場で意見交換することで新たな視点も生まれますし、より良いICTの活用を考えられるのはありがたいです。

情報システム部と他部署間で、縦割りではなく横のつながりを持ち、互いの専門知識を共有しながら成長できる 環境を生かすということですね。

山元:情報システム部ではoffice365について24時間いつでも質問できるチャットボット「roro」を構築しており、今後さらに内容を拡充させていく予定ですが、このチャットボットを人事や総務といった他部門にも展開していきます。例えば、「引越しした場合の手続きは?」「結婚した際の申請事項は?」などですね。こういった仕組みを、横展開していくことで皆さんの役に立っていきたいですね。

太田: 「Work Rule」で推進する全社施策「カエル!活動」の一環で部内に分科会が複数立ちあがっていまして、私も「デジタル化」という分科会に入っています。この活動では、オカムラの製品にも取り入れる重要性が増していくAIやIoTなどの先端技術を楽しみながら学ぶ取り組みを行っています。ICT技術は急速に進化していますから、常にキャッチアップを意識して習得したことを、部内だけでなく、広く社内に還元できたらなと思っています。

WiL-BE COLUMN
-あなたの考える「Work in Life」とは?-

「WiL-BE」を推進していく上で、オカムラが提唱する理念「Work in Life」はとても重要です。仕事も、家族や友人、趣味、休み、健康など学びと同じように自分の人生の中の一つとして捉えていくという考え方は、自分らしい働き方、そして生き方に通じています。ここでは、各アクション担当者にご自身の「Work in Life」について伺います。現在のLifeとWorkの割合、そして理想とする割合についてどのように考えていますか?

※本来のWork in Lifeの考え方ではWork は Lifeの中の1つと捉えますが、ここでは分かりやすくするため、Lifeの中のWork 以外を Life として表しグラフにしています。

山元’s VOICE

WorkとLife半分ずつぐらいが理想です。新しいシステムの導入や、会社全体で働き方が変わってきたことで仕事だけでなく自分の時間も比較的取れるようになってきていますし、今もほぼ実現できていると思います。グレーゾーンは、仕事が終わってからゆっくりお酒を飲む時間ですね。業務後ですけど、仕事のことをあれこれ考えつつ、日々のストレス解消(?)にもなっていますので、Workの延長と言えるかと思い敢えてグレーとしました。この時間がなくなることは・・・多分ないですね(笑)。今後は仕事の効率化をさらに進めて、今の「ややWork多め」から「ややLife多め」にしていきたいです。

太田’s VOICE

理想はWorkが9割!・・といってもLifeを犠牲にしてでも仕事を頑張りたい!という訳ではありません(笑)。「やりたい仕事」を増やし、Lifeの中でも仕事のヒントにつながるようなことを常に探すようにしていきたい、という意味です。例えば自粛期間中、子どもと「しりとり」などで遊んでいましたが、最近では「ゲームを考えるゲーム」と題し、自分たちで新しいゲームを考えることに親子でハマっています。こんな考え方がもしかしたら仕事にも使えるかも、と常に思っています。楽しみながらWorkの中にLifeを、Lifeの中にWorkを融合できたらいいなと思います。

※2020年10月14日 取材

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