緊急事態下でも働きやすい環境を
全社へ展開していく
ICT関連の業務を一手に引き受ける情報システム部は「Work Smart」を支え続けるまさに基幹ですね。
山元:情報システム部は第1企画・第2企画・システム開発・システム基盤・フロントサポートの5つのチームで構成されています。私たちが所属するフロントサポートはICT機器やネットワークの管理、情報セキュリティ対策、クラウドサービスの導入支援などを担っています。また、ICTについてのヘルプデスクも担っており、以前はパソコンやプリンタが業務で使用するメインのツールでしたが、最近はタブレットやスマートフォンといったデバイスが増え、業務で使うICTの領域が急激に拡大・複雑化しています。問い合わせの内容も多岐にわたるようになりましたが、よりスピーディーに対応できるよう務めています。
最先端のICTと社内の皆さんをつなぐ役目を担われているんですね。今回のコロナ禍では在宅勤務が急ピッチで進み、自宅でICTを使いこなさなくてはいけない状況となり、さらに新しいアプローチが求められたのではないでしょうか。
太田: 突然テレワークを余儀なくされるなか、大きく二つの問題がありました。一つめは機器の問題。会社支給のスマートフォンやノートパソコンの有無、自宅にパソコンはあるか、ネット環境は……まずハード面のフォローに追われました。
そして二つめは在宅勤務時に従業員が自宅から社内ネットワークへ安全に接続するためのセキュリティが担保された通信の確保(VPN接続)です。もともとある程度の人数は同時接続できるライセンスをもっていたのですが、今回緊急事態宣言を受けて数千人規模で一斉に在宅勤務を開始しましたから、接続のためのライセンス数がまるで足りないという状況になってしまいました。
実は2020年夏の東京五輪の開催を念頭に、オリンピック開催期間中にテレワークをスムーズに行えるよう以前から準備を進めており、接続ライセンス数の増強はもともと計画していました。それを前倒しするかたちで急遽回線を増やしましたが、それでも全員分の数は確保できません。午前・午後で使用する時間帯を分けたり、VPN接続を使わずに作業を進める方法をアナウンスしたり、新たなVPN接続の仕組みをクラウドサービスで急遽導入したり。試行錯誤しながら、皆さんがテレワークでもスムーズに社内システムへアクセスできる環境を整えていきました。
山元:ヘルプデスクへは日常的にICTについての質問や相談があるのですが、コロナ禍では在宅勤務が増えたため、在宅勤務ならではの問い合わせが来るようになりましたね。私たちにも社内の皆さんにとっても、初めての事象が続き、緊急事態宣言が出された頃はまさに日々手探り状態でした。