創業150年企業のオフィス改革。曲線を活かした"つながる"空間 ――老舗企業のフリーアドレスオフィスへの挑戦

株式会社清永宇蔵商店 様

創業150年企業のオフィス改革。曲線を活かした"つながる"空間 ――老舗企業のフリーアドレスオフィスへの挑戦

株式会社清永宇蔵商店 様

Project Data

プロジェクト名
株式会社清永宇蔵商店 営業本部改装プロジェクト
面積規模
約950㎡
人員規模
約60名
完成年月
2024年10月

Point !

創業150年を超える老舗企業が、次世代への事業承継と人材確保を見据え、「これからの時代に合ったオフィス」へと営業本部を全面リニューアルした事例です。
机が直線的に配置されており、執務中の気軽な移動がしづらく、社員同士の交流に課題を抱えていた旧オフィス。その課題を解消するため、執務エリアとミーティングエリアを分散して配置し、曲線的な動線で各エリアを行き来しやすくしました。また、固定席からフリーアドレスへの移行に伴い、ハイテーブルやソファなど様々なタイプの席を配置し、用途に合わせて使い分けのできるスペースを拡充。気軽に集える場が社内に数多く生まれたことで会話が増え、部署を超えた情報共有も自然と進んでいます。

<em>エントランス</em>  株式会社清永宇蔵商店 様
<em>執務エリア</em>  株式会社清永宇蔵商店 様
<em>打ち合わせスペース</em>  株式会社清永宇蔵商店 様
<em>リフレッシュエリア</em>  株式会社清永宇蔵商店 様
<em>応接室</em>  株式会社清永宇蔵商店 様

Project Story

清永宇蔵商店様のファーストオーダー

フリーアドレスを導入し、社員同士の交流から成果が生まれるオフィスを目指す

清永宇蔵商店は、明治2年に創業した、サッシ、屋根・壁材、エクステリアなどを取り扱う建材商社です。営業本部は19m×50mのワンフロアで、正面入り口に対して奥に長い形で広がっています。その空間を、執務エリアと打ち合わせスペース、個室エリアの3つに細長く区切って使用しているため、部署間の行き来がしづらい状態です。社員同士の交流が生まれにくいことで情報共有が滞り、チャンスロスにつながっている点も課題と捉えています。また、オフィス家具や内装が旧来の雰囲気であること、設備が古くなっている点も解消したいと考えています。

2019年に150周年を迎えた会社を次世代へと引き継いでいくためにも、現代の働き方にフィットするオフィスへ刷新したいと思っています。そこで、今回のリニューアルを機に、フリーアドレス化を決定。社員同士の自然な交流が生まれる空間に全面改装することで、活力のある職場になることを期待しています。

以前のオフィス
BEFORE
清永宇蔵商店@デザインチーム

ゾーニングと紹介するエリア

ゾーニングと紹介するエリア
Scene 1

社内を奥まで見渡せる、開放感抜群のエントランス

来訪者を気持ちよく迎え入れるエントランスは、執務エリアとの間仕切りを設けず、社内全体を見渡すことができるつくりです。

床の貼り分けによる曲線的な区切りをはじめ、カーブのついた造作の収納庫、ソファの配置によって、動きのある空間が演出されています。照明や下り天井も曲線を感じられるデザインを採用。そのため、来訪者は社内に一歩入ると、風通しの良さと柔らかな雰囲気を感じることができます。

入ってすぐの植栽を取り囲むベンチは、“縁側”のような存在。そばにテーブルが配置されており、その場で打ち合わせができるようになっています。

Scene 2

多様なデスクを配置した自由度の高い執務エリア

執務エリアは業務内容に応じて席を自由に選べます。デスクはタイプの違うものを多数用意し、様々な角度で配置。座る場所によって社内の見え方が変わるよう工夫されています。机の島同士の間隔が広く、打ち合わせのできるスペースが点在しているため、気軽なコミュニケーションが取りやすい空間です。

帰宅時には机の上に何も残さないことをルール化。その日の業務を終えると、書類や私物はロッカーや収納庫に、モニターやキーボードは共用の棚に戻します。

Scene 3

点在する打ち合わせスペースが交流を創出

社内には、4〜6人ほどで打ち合わせができるスペースが、執務エリアの合間に点在しています。以前よりも気軽に「今、少し話せる?」といった声をかけやすくなり、近くのスペースにさっと集まって、短時間の打ち合わせや情報共有をしやすくなりました。その結果、部署を超えた社員同士の会話も増えたのだとか。

打ち合わせスペースとして置かれたデスクの種類も実に様々。背面が高く間仕切り効果のあるファミレスブースタイプや図面を広げて話せる大きなテーブルタイプなど、打ち合わせのスタイルに合わせて自由に選べるのが特徴です。

Scene 4

北欧のカフェのようなリフレッシュエリア

休憩や昼食のためのリフレッシュエリアは、水色と木目を基調としたデザインで、北欧風のカフェを思わせる空間です。奥の壁面に貼られた壁紙は、阿蘇の山並みをイメージしてセレクト。仲間と談笑しながら過ごせるテーブル席や、一人で過ごせる窓際のカウンター席、くつろぎのソファ席、キッチンカウンターのハイチェアと、その日の気分や過ごし方によって席を選べます。

食事したい人が気兼ねなく過ごせるよう、昼食の時間帯は執務での利用を禁止。ルールを設けることで、リラックスした時間と空間の確保を実現しています。

Scene 5

役割にフィットしたデザインの
役員室・応接室

曲線を多用した執務エリアに対して、応接室は直線的なデザインの家具や照明を配置したシャープな印象。モニターも設置し、オンラインミーティングや部会などにも使われています。

会長室には、濃い色の木材とアルミ素材を用いた家具が配置されており、ブラインドもダークトーンを採用。空間全体に重厚感が漂います。

社長室は折り上げ天井になっており、奥行きと開放感が感じられる空間に。来客対応や経営陣による会議も行える大きなテーブルを配置し、会議室としても活用されています。

新しくなったオフィスを通して、柔軟さやコミュニケーションを重視する社の姿勢を大きくアピール。熊本拠点の企業として、新しい世代の採用強化にも力が入ります。

About this Project

業種
建材資材商社
企業名
株式会社清永宇蔵商店
所在地
熊本県上益城郡嘉島町上仲間294-22 嘉島リバゾン卸売団地内
WEBサイト
https://kiyonaga.co.jp/
デザイナー
関連タグ
Credit
編集
森夏紀(ノオト)、オカムラ編集部
執筆
神代裕子

記事内の情報は取材当時の情報です。

この記事は2025年8月26日に公開されたものです。

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