bp Interview

株式会社QUICK 共創スペース日本橋

Smart Workの実現に向けた はじめの一歩です!

株式会社QUICK
ひとづくり本部
副本部長
内山 清 さま(右)
ひとづくり本部
総務・ファシリティグループ
シニア・アドバイザー
長岡 一郎 さま(左)
さまざまな共創によって
イノベーションを生み出したい

内山:根本的な働き方改革の実現を、これ以上先送りしてはいけないという経営層の想いも強く、2017年10月に「QUICK Smart Work プロジェクト」を立ち上げました。その中には全社を挙げての「断捨離運動」などもあり、経営の構造改革をスタート。さらに、本社機能を共創スペース日本橋に一部移転するとともに、まったく新しい働き方を実現しようと考えたのです。具体的にはフリーアドレスを導入し、働き方に応じて場所を選べるオフィスにしました。

長岡:ですから、単なるオフィス移転ではありません。Smart Workを実現する中で、好循環のある仕事のサイクルにつなげるための場づくりを考えました。そこで、各部門間の垣根を取り払い、できるだけオープンなオフィスにしながら、共創によるイノベーションを生み出そうとしました。

ワークショップの開催など
現場レベルで社員を巻き込む

内山:まず、「オフィス移転プロジェクト」を立ち上げて、各部門からの12名ほどの代表者によって週1回、トータルで50回ほどの打ち合わせを行いました。とにかく社員に対する意識づけや調整をどう行っていくかが今回のプロジェクトの鍵でした。

長岡:当初は「なぜフリーアドレスにするのか?」といった冷たい視線も感じました。そこで、機能要件などの洗い出しを行うワークショップを現場レベルで開催し、社員を巻き込む工夫をしながらプロジェクトを進行。オフィス什器の選定も、あらかじめ本社にパイロット什器を導入して、みんなに使い勝手を確かめてもらいました。

内山:移転前には会議室がたくさんありましたが、働き方改革の中で、無駄な会議の回数を減らそうと考えました。そのために、新しいオフィスでは会議室の数をかなり減らしています。会議はオープンな空間でもできるという想いがあったのです。

長岡:会議室の数が少なくても、「PLAY GROUND」などはかなり使われていますからね。

窓側に設けられたカウンター席は、集中して作業したい時などに自由に活用されている。

「SPRINT BOX」のガラス面には同社のモチーフである円のデザインが施され、コミュニケーションの広がりが表現されている。

「ブレストコーナー」の奥には、フリーアドレスをサポートする個人用のロッカーが設置されている。

オフィス運用の活性化策も
どんどん打ち出していきたい

長岡:それでも、移転してすぐにベストなオフィスができるわけではありません。使いながらどんどん見直していこうと、オフィスの基本ルールと利用ガイドラインを分けて考えています。フリーアドレスをさらに推進するために、階をまたいだ「シャッフルデー」のような活性化策も、これからどんどん打ち出していきたいですね。また、今後は本社オフィスのレイアウトも見直し、フリーアドレスの導入検討なども進めたいと考えています。

内山:「オフィス移転プロジェクト」で取り組んできたことは、現在は毎月開催されている「オフィス改革委員会」において、継続してフォローしています。経営層から一般社員までお互いに理解し合いながら一丸となって取り組んだことは、かけがえのない絆になっています。この経験を大切に、これからも次の改革へと進んで行きたいと思います。

QUICKがめざす働き方の3つの柱
「Engagement」「Synergy」
「Productivity」

専務取締役
ひとづくリ労務担当
「QUICK Smart Work プロジェクト」主査
伊藤 朋子 さま

伊藤朋子さんも「QUICK Smart Work プロジェクト」において、オフィス移転と並行して、同社がめざす働き方改革の3つの柱を推進した。1つめは、Engagement。社員と会社の絆の強化である。2つめは、Synergy。個人と個人の相乗効果でイノベーションを起こそうと考えている。そして3つめは、Productivity。生産性向上を実感できる環境の整備に努めようとしている。新しいオフィスは、こうした働き方を強力に推進するエンジンとなった。QUICKは、2017年には女性活躍推進法に基づく認定制度「えるぼし」で、最高ランクの三ツ星を獲得。時代に先駆けた働きやすさを推進する企業として注目されている。2019年1月からは働き方改革も第2ステージに入り、働きやすい会社から、「厳しいけれど働きがいのある会社」へと舵を切った。第2ステージでは、①人事制度の変更、②働きがい向上策の展開、③新しい働き方への挑戦 を追加テーマとした展開が始まっている。2月には健康経営優良法人「2019ホワイト500」にも認定された。同社の働き方改革は留まることなく、今もさまざまな施策にチャレンジし続けている。

イノベーション本部
副本部長
辺見 重明 さま

新しいオフィスでは、お客様やパートナーも含めて、共創と共働のできる空間をしっかりと創造したいと考えました。それが、自分たちの活動を「表明する場」でもある「PLAY GROUND」です。ここでは多くのイベントを開催し「コトづくり」ができていると感じますが、今後はさらに「モノづくり」の場にも広げていきたいです。もっと活発に、人とモノとコトが交錯する場にしたいですね。

WORKER’SVoice

フリーアドレスによって人の隠れた才能を発見し
会社に大きなメリットをもたらしたケースもあります。

根岸: フリーアドレスになってどうかと思いましたが、その日の気分に合わせて好きな席に座って、気分転換にもなり、仕事も効率的に進められていると感じます。ある仕事でデザインに悩んでいた時、偶然隣に座った人が絵を描くのが得意だと聞き、政治家のイラストを描いてもらったら社内でも話題になりました。その人は事務をメインにされていたのですが、その時からイラストの仕事が増え、個人にも会社にとっても大きなメリットが生まれました。まさにフリーアドレスの産物だと感じています。そういうこともありますから、私は極力いろんな席に着き、意識的に多くの人と交流を持つようにしています。フリーアドレスだと仕事のバランスが取れて、ストレスも軽減されるような気がしますね。

竹山: 私は開発の仕事でダブルモニタのある固定席を使用していますが、フリーアドレスの社員からは「人間関係が固定しないのがすごくいいから、1回やってみるべきですよ」と言われます。新しいオフィスになってからは、社内外の勉強会や発表会などのイベントの機会も増えました。「PLAY GROUND」ではイベント参加者がテーブルやチェアをサッと動かせるので、設営に時間がかかりません。壁で仕切られていないので、自然にフラッと立ち寄れて、途中からでもイベントに参加できることもうれしいですね。

ナレッジ開発本部
ナレッジコンテンツグループ
ライター
根岸 てるみ さま
サービスプロダクト本部
ホールセールグループ
竹山 和幸 さま
bp vol.30掲載(2019.04発行)