大阪府 阪南市
Case Number 220805

大阪府 阪南市 様

阪南市テレワークプレース サラダステーション

 大阪府南西部に位置し、大阪駅より快速・普通電車を乗り継ぎ1時間10分程のアクセスにある阪南市。新型コロナウイルスの影響により、都心のオフィスでの人との接触が伴う通勤や公共交通での移動を避けた、新たなワークスタイルの実践の場として、市役所本庁舎地下の食堂跡地内にテレワークステーションを新設されました。阪南市未来創生部シティプロモーション推進課が運営管理し、ドロップイン利用だけでなく、月単位での企業貸出も可能となっており、有料で利用できます。
 コワーキングスペースは、オープンゾーン・個別ゾーン・コミュニティゾーン・企業ブース兼会議室の4つ分けられおり、利用者が業務内容や気分に合わせて自由に選択することができ、シゴトを効率化・活性化する家具や工夫がされています。また、不特定多数の方が利用されるため音への配慮が重要であり、WEB会議用の防音個室ブース、視線や音を遮るセミクローズ型の個室ブースだけでなく、音の反響を抑える吸音パネルや小鳥のさえずりなどのBGMを流しマスキングすることで、利用者が快適に過ごせるよう配慮されています。

プロジェクトの詳細

所在地 大阪府阪南市尾崎35-1
オフィス対象面積 139.3㎡
オフィス対象人員 27名
インテリア竣工 2022年4月1日
デザイン担当 株式会社オカムラ 関西デザインセンター 木和田 真里 / サインデザイン 乾 菜穂子

入口

全体を見渡せることで、状況を把握しやすく訪れやすい空間へ。初めて訪れた人もエリアの使い方をイメージでき席を選びやすいよう案内マップを配置。

オープンスペース

一人でも複数名でも利用しやすい異形テーブルを配置。どの席に座っても対面にならないよう配席し、居心地の良さを追求。

植栽

利用者の視線に入るように計画配置した植栽。快適性を高め、ストレス緩和、コミュニケーションの活性効果につながり、居心地の良い空間へ。

音への配慮

コミュニケーションスペースの背面にマグネット式吸音パネル。マスキング音・BGMの切替が可能なフラットスピーカーを配置。

異形天板テーブル

うねった天板はせんなん里海公園の野原に吹く風をイメージ。木々の間を通り抜け、場を開放的に演出。 

飛沫防止パネル

阪南市特産品であり、抗菌作用のある和紙を巻き付けたパネル。阪南らしさを演出し、空間や人とのつながりを創出。

ラウンジ

窓に面し一息つくコミュニケーションスペースを配置。可動式ソファやスツールを採用し、フレキシブルな運用が可能に。

個別ロッカー

天板に荷物を置き、出し入れがしやすいようロータイプを配置し、不特定多数が利用するため、ダイヤル錠仕様を採用。

個別ゾーン

落ち着いた山中渓をイメージし、山の中の小屋に籠るように集中を促すスペース。

個別ブース

右側に位置するトイレ側には1920Hと高いパネルを設置。目隠しとしても活用。また椅子を移動すれば車椅子の方もスムーズに利用可能。

防音個室ブース

1on1/Web会議/集中作業など、多目的につかえる防音個室ブース。

個別ブース

視線を遮り音を和らげる吸音パネルに包まれた1人用集中ワークブース。ほどよいこもり感でしっかり集中して仕事に没頭できます。

コミュニティゾーン

アウトドア什器で、くつろぎながら気軽に話せる雰囲気を演出しインフォーマルな交流を促進。折りたためるので、必要になったら増席も可能。  

企業ブース兼会議室

月単位で企業貸出可能なスペース。色々な意見やアイデアが生まれる場所、ワイワイガヤガヤと活発な交流が行われるビーチをイメージ。

ブースサイン

阪南の動物をモチーフに、小屋の表札をイメージしたサインを配置。附番することで今後予約運用も可能に。

デザイナー

木和田 真里

事務所以外で働くことが珍しくなくなってきた近年、コワーキングスペースが多く作られていますが、そのほとんどが民間企業によるものです。そんな中、自治体が自らの市庁舎の一部を改装し、市民へ「場」を提供することは今はまだ珍しく、新たなチャレンジにワクワクしながら取り組みました。
ここのスペースの最大の目的は、「新たなワークスタイルの実践の場」でしたが、阪南市として「ここをきっかけに地域活性化につなげたい」という想いがあることも感じていました。
こういった目的や想いの具現化のために、興味を持ってもらい来てもらう、そして一度利用したら何度も利用したくなるような空間を目指しました。
「ストレスなく利用いただくためのサイン計画。」
「“阪南市らしい”自然をテーマにした、グリーンを多用しリラックスできる内装や家具計画。」
「阪南市の情報をGETできる特産品の活用や展示。」
これでもか、と阪南市らしさを入れ込んだ空間は、阪南市民にとっても他市民にとっても気軽に「また来たい」と思ってもらえる空間になったと思います。