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2015.09.01  取材・文/山下久猛 撮影/大平晋也

両親の応援

わたなべだいすけ-近影3

わたなべ 僕はメジャーデビューする前、インディーズで初めてCDを出した頃、両親が初めて下北沢のライブハウスにライブを観に来てくれたことが一番印象に残ってます。2人そろって観に来てくれたことがすごくうれしくて。30歳までにメジャーデビューをしようと心に決めていたのですが、当時28歳で、だいぶいい方向に行き始めていたので、そのタイミングで親に観てもらえたことがすごくうれしかったんです。

これは余談ですが、今でもニコルズをやってて誇りに思うのは、メンバーの家族がこのバンドをすごく応援してくれていることなんです。やっぱり家族に反対されるとストレスになりますからね。例えばメンバーは僕の書く詞を好きで信じてくれていても、メンバーの家族があんまり好きじゃなかったら僕もやってて楽しくないので、周りの人がニコルズを好きでいてくれるのは、音楽活動をしていく上で心の支えになっているし、すごく誇らしいんです。

鈴木 それは本当に思うよね。僕らは家族の理解に恵まれてる。だから続けられてると思う。

千葉 うちの親なんてニコルズの大ファンで、だいちゃんが1人で弾き語りをやってる頃からずっとライブを観てるんですよ。チケットはもちろん、グッズも最初の頃から買って支えてくれています。「この10年間でどれだけあんたたちに投資したと思ってんの」と言われているので、絶対、何が何でも売れて、恩返ししなきゃという気持ちが強いんです(笑)。あと今でも覚えているのが、初めてのワンマンライブをやったときに、全員の親がご祝儀をもって観に来てくれたんです。お祝いの気持ちを抱いてくれたのがすごくうれしかった。そのとき親同士で初めましてと挨拶してて。

岡田 授業参観みたいな感じでちょっとおかしかったよね(笑)。

仲良しの秘訣

D.W.ニコルズ-近影3

──メンバー同士、リハーサルやレコーディング、ライブツアーなどで一緒にいる時間はやっぱり長いのですか?

わたなべ そうですね。ほぼ毎日一緒にいますね。


──お話をうかがっていて感じるんですが、それだけ毎日一緒いるのにみなさんすごく仲良しですよね。ケンカしたり雰囲気が悪くなったりすることはないのですか?

わたなべ ケンカはしないですね。注意はするけど(笑)。

千葉 注意はよくされますね(笑)。

わたなべ でもみんな注意したらはいって素直に聞くしね。

千葉 親しき仲にも礼儀ありという感じで、「ありがとう」と「ごめんなさい」はちゃんと自然と言える仲なので、10年一緒にいても人間関係が変にこじれることはないですね。

岡田 理不尽にキレたりする人もいないしね。誰かが怒るときは必ず理由があって、それをメンバー同士で常に話し合うのでケンカにならないんですよね。思ってることはちゃんと言い合うのがいいんだと思います。

わたなべ 確かに常にいろいろなことについて話し合ってるよね。

岡田 あとはそれぞれ気持ちを切り替えてるからじゃないですかね。たまのプライベートまで一緒に遊んでいるわけじゃないですしね。

千葉真奈美-近影4

千葉 そうそう、常にベタベタしてるわけじゃないからね。むしろプライベートまで会いたくない(笑)。日々散々会ってるからプライベートくらい他のことをしたいよね。

岡田 他の友だちに会えなくなっちゃう(笑)。

鈴木 でも一週間全然会わないことはまずないですね。数日会わなかった後に会うとすごくほっとする。不思議なもので(笑)


──全員の相性がすごくいいということなのでしょうね。

千葉 相性がよくないと10年も続かないですしね。

バンド存続の危機

──ではこの10年でバンド存続の危機もなかった?

D.W.ニコルズ-近影4

わたなべ この4人になってからはないですね。ただ、存続の危機というのとはちょっと違うのですが、続けていくのがたいへんな時期もありました。結成して4年でメジャーデビューができましたが、期待されていたほどには売れずに2011年にはインディーズに戻らなければならなくなりました。そのとき、今後の方針について改めて4人で話し合いました。メジャーデビューしてからの2年間で僕たちなりに頑張ったのですが、正直、自分たちの魅力をもっと多くの人たちに伝えるにはまだまだ足りないという歯がゆい思いを抱えていました。僕自身、今後についてはまだ答えが出ていなかったのですが、けんちゃんが「だいちゃんはどうしたい? だいちゃんが今後もニコルズを続けたいというならみんなやるよ」と言ってくれました。その言葉で、もう一度メジャーに這い上がれるチャンスは必ず来るから、それまでもう一回一から出直すつもりで頑張ろうと決意できたんです。

同時に、みんなと音楽活動を続けるモチベーションをどうキープするかについて話し合ったのですが、そのとき僕らが選んだ方法は、もう一度自分たちを見つめ直すこと。見つめ直すことで課題が出てきます。それを1つずつクリアしていくことで前に進む原動力になりました。つまり自分たちを見つめ直すことが未来を見つめることになり、ちゃんと先が見えていたのでこれはいけるなと思えた。その結果、2013年に別のメジャーレーベルと再契約をして再びメジャーに上がれたんです。

岡田 その2度目のインディーズ時代がバンドを続けていく上で一番しんどい時期だったよね。メジャーから1回インディーズに落ちたことでみんな自信をなくしたのですが、人って自信をなくすとどんどん悪循環に陥ります。でも、そこで全員でもう一回自分たちを見つめ直して、D.W.ニコルズのスタイルを再定義して、音楽活動を再スタートしました。そして私たちが自分たちで作ったミニアルバムを聴いたEMIというレコード会社の人が今のニコルズを応援したいと言ってくれて2回目のメジャーデビューの話をいただけた。そのときはすごくうれしかったですね。自分たちは間違っていなかったんだとまた自信を持てるようになったので。あのときみんなで踏ん張って本当によかったなと思いました。


後編(9月15日リリース予定)へ続く
※後編では各メンバーが音楽の世界に飛び込むまでの経緯や音楽活動への思いなどについて語っていただきます。乞うご期待!

D.W.ニコルズ

わたなべだいすけ(ボーカル、アコースティックギター)、千葉真奈美(ベース)、鈴木健太(ギター)、岡田梨沙(ドラムス)の4人で構成される音楽バンド。2005年、ライブハウスで働いていた千葉真奈美がわたなべだいすけの弾き語りライブを観て「バンドでやろう!」と誘い、D.W.ニコルズを結成。都内でバンドとしての活動を開始。わたなべだいすけのイニシャルがD.W.であることからC.W.ニコル氏を連想。自然を愛するニコル氏に共感と敬意を示し、D.W.ニコルズと命名(C.W.ニコル氏公認)。2007年、鈴木健太と岡田梨沙が加入し現在の編成に。2009年、ミニアルバム『春うらら』を携え“うららかツアー”として初めての全国ツアーへ。9月、メジャーデビューを果たすも、2011年、インディーズに。2013年、EMI Records Japanから再メジャーデビューを果たす。2015年4月には結成10周年を記念したD.W.ニコルズのオールタイムベストアルバム、「ベスト オブ D.W.ニコルズ『LIFE』」を発売。好評を博す。CD制作やライブの他にもラジオやイベント出演など幅広く活動中。10月11日には結成10周年記念ライブとして、破格の入場料1000円の「感謝の1000円ブリッツ!」@赤坂BLITZを開催。

初出日:2015.09.01 ※会社名、肩書等はすべて初出時のもの

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