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2015.09.01  取材・文/山下久猛 撮影/大平晋也

誰もが楽しめる音楽で人気

──D.W.ニコルズ(以下、ニコルズ)は今年(2015年)8月で結成10周年ということですね。おめでとうございます。まずは簡単なバンドの紹介からお願いします。

わたなべだいすけ-近影1

ボーカルとギター、作詞作曲を担当しているわたなべだいすけ

わたなべだいすけ(以下、わたなべ) 「D.W.ニコルズ」は、ボーカルとギター、作詞作曲を担当している僕、わたなべだいすけ(愛称・だいちゃん)と、ベースの千葉真奈美(まなん)、ギターの鈴木健太(けんちゃん)、ドラムの岡田梨沙(りっちゃん)の4人で構成されているバンドです。2005年8月に僕とまなんと僕の友人の3人で「D.W.ニコルズ」を結成したのですが、2006年にけんちゃんが加わり、2007年に僕の友人が抜けてりっちゃんが加わり、現在の4人になりました。これまでにシングル、アルバム含め21枚のCDをリリースしています。音楽性としては、わかりやすい歌詞と親しみやすいメロディを心がけているので老若男女を問わず楽しめると思います。


──バンド名の由来は? やはりC.W.ニコルさんと関係しているんですか。

わたなべ 最初は、僕が作った曲を演奏するバンドだし、わかりやすい名前がよかったので「わたなべだいすけバンド」でもいいかと思っていたんですが、せっかくバンドを結成するんだからもっとそれっぽいバンド名を考えようという話になりました。いくつか候補を考えているうちに僕のイニシャル「D.W.」を入れたいなと。その時にC.W.ニコルさんの名前がパッと脳裏に浮かびました。僕自身、神奈川県の葉山という自然の豊かなところで生まれ育って、僕らの音楽もナチュラルな感じだったので、ニコルさんの人柄や活動に反するものではないし、バンドだから複数形でニコルズにして「D.W.ニコルズでどう?」とふざけ半分でメンバーに言ったら、それいいね、となって(笑)。

千葉真奈美(以下、千葉) 「ニコ」って何となくかわいいし、アルファベットとカタカナの組み合わせが他のバンド名と並んだ時に目立つのでいいかなと。

わたなべ でもその後、ある音楽関係者の方からニコルさんサイドに早めに名前の使用許可の連絡をした方がいいと言われたので、すぐニコルさんの事務所に連絡しました。「D.W.ニコルズというバンド名で音楽活動をしたいのですがいいでしょうか」とお伺いすると快諾していただき、胸を張って使えることになりました(笑)。ニコルさんにはとても感謝しています。


──バンドのリーダーは?

わたなべ この間もインタビューで聞かれて、ずっと当然僕だと思っていたんですが、みんなは違ってたみたいで。リーダーって誰だ? ってなりました(笑)。

千葉真奈美-近影1

ベースの千葉真奈美(まなん)

千葉 だいちゃんがリーダーじゃないと言ってるわけじゃないんだけど、改めて聞かれたときにそういえば誰なんだろうと(笑)。


──リーダーって、バンドを組むときに決めるものじゃないんですか?

千葉 私たちは特に決めてなかったんです。最初から何となくちゃんと役割分担されていたので。

わたなべ 部長が4人いるみたいな感じなんですよね。僕は作詞作曲部の部長。けんちゃんはアレンジやバンマス的な役割。りっちゃんはWeb系に強いから運営部長。まなんは広報とか渉外部の責任者、みたいな感じで、みんなそれぞれの担当があるんです。

日々の活動

──現在、バンドとしては日々どのような活動をしているのですか?

わたなべ ライブ、曲作り、レコーディング、練習、ラジオ出演、取材対応などですね。

鈴木健太-近影1

ギターの鈴木健太(けんちゃん)

鈴木健太(以下、鈴木) 基本的には作品を作ってライブツアーを行うというのが活動の柱です。その合間に単発のライブやフェスに出たり、各地のイベントに呼ばれて出演したりします。また、例えば半年後に全国ツアーが予定されているとしたら、その前に主要都市でライブを行ったりもします。


──ライブはどのくらいの頻度で行っているんですか?

わたなべ 2015年上半期は53本でした。3、4日に1回はどこかでライブをしてるという感じですね。

岡田梨沙(以下、岡田) 今年はニコルズ史上、一番多いよね。

わたなべ 例えて言うなら、遠距離恋愛している恋人が全国各地にたくさんいるようなものなんですよ(笑)。恋人は電話だけじゃ満足しませんよね。たまには会いに行ってあげないと寂しがるので、年に1とか回決まったときだけじゃなくて極力時間を見つけて会いに行って好きだよと伝える。そうすると私のことを気にかけているんだと思ってくれるので(笑)。だから車に機材を積んで、常にみんなで全国各地を飛び回っているという感じなんです。

岡田梨沙-近影1

ドラムの岡田梨沙(りっちゃん)

岡田 全国ツアーのときは、会場まで1日かけて行くこともあるので移動も仕事のうちですね。北海道にはカーフェリーで行くのですが、フェリーの中でもミーティングしています。けっこうみんな真面目なんですよ(笑)。

グッズの企画・デザインまで

メンバーみんなでグッズのデザインを考えている

メンバーみんなでグッズのデザインを考えている

わたなべ その他の仕事としては、CDジャケットのデザインやアーティスト写真のコンセプトや方向性、さらにはニコルズのグッズの企画、デザイン、売り方などまで、すべてメンバー含めてスタッフと一緒に考えながら行っています。だからミーティングも多いんです。

千葉 だいちゃんは絵が上手なのでグッズのイラストを全部描いているんです。だから最近は「画伯」なんて呼ばれていたりして(笑)。

わたなべ 僕が描いたイラストを本職のデザイナーがデザインに落としこんでいるんです。

鈴木 デザインのたたき台ができたら、みんなで「この線はもう少し細いほうがいいんじゃないか」とか「ここは手描きの方がいいんじゃないか」など、細かいところまで意見を出し合ってよりよいものに仕上げていきます。

D.W.ニコルズ-近影1

わたなべ グッズの使い方も考えたりします。例えば僕らがデザインしたこのタオルは、ライブ中にかざすという使い方を広めました。ファンに手拍子をしてもらうことや、ファンと一緒に歌うのはこれまでもやっていたけど、他のアーティストのパフォーマンスを参考に、自分たちなりの使い方を考えてみたんです。こういうタオルの使い方を考案したのは、会場全体の一体感を作りたかったことはもちろん、もっとファンにライブを楽しんでもらいたかったからです。やっぱりお金を払ってライブを観に来てくれた人たちには来てよかったと満足して帰ってもらいたいんですよね。楽曲を完成させるまでは自分たちだけで一所懸命頑張ればいいのですが、ライブはナマモノで、その時その場所でしかできないものなので、どうしたらファンのみんなにもっと楽しんでいただけるかは常に考えています。

岡田 それをやったらタオルが売れるようになったんです。みんながタオルをかざしていると自分もやりたくなるんでしょうね。

D.W.ニコルズ

わたなべだいすけ(ボーカル、アコースティックギター)、千葉真奈美(ベース)、鈴木健太(ギター)、岡田梨沙(ドラムス)の4人で構成される音楽バンド。2005年、ライブハウスで働いていた千葉真奈美がわたなべだいすけの弾き語りライブを観て「バンドでやろう!」と誘い、D.W.ニコルズを結成。都内でバンドとしての活動を開始。わたなべだいすけのイニシャルがD.W.であることからC.W.ニコル氏を連想。自然を愛するニコル氏に共感と敬意を示し、D.W.ニコルズと命名(C.W.ニコル氏公認)。2007年、鈴木健太と岡田梨沙が加入し現在の編成に。2009年、ミニアルバム『春うらら』を携え“うららかツアー”として初めての全国ツアーへ。9月、メジャーデビューを果たすも、2011年、インディーズに。2013年、EMI Records Japanから再メジャーデビューを果たす。2015年4月には結成10周年を記念したD.W.ニコルズのオールタイムベストアルバム、「ベスト オブ D.W.ニコルズ『LIFE』」を発売。好評を博す。CD制作やライブの他にもラジオやイベント出演など幅広く活動中。10月11日には結成10周年記念ライブとして、破格の入場料1000円の「感謝の1000円ブリッツ!」@赤坂BLITZを開催。

初出日:2015.09.01 ※会社名、肩書等はすべて初出時のもの