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2013.12.01  取材・文/山下久猛 撮影/守谷美峰

日本初にして日本最大のクラウドソーシングサービス

ランサーズトップ画面

──「ランサーズ」とはどのようなサービスなのでしょうか

2008年に立ち上げた、日本初にして日本最大のクラウドソーシングサービスです。仕事を依頼したい企業(人)と仕事を受けたいフリーランスをインターネット上で結びつけるサイトで、会社に所属していない人でも企業と直接仕事の取引を行うことができます。

最大の特徴は仕事の発注から進行、納品、支払いまで、一貫してランサーズ内で完結できるという点です。仕事を依頼したい側と受けたい側を結びつける単なるビジネスマッチングサイトは2008年以前にもありましたが、これを日本で初めて可能にしたのがランサーズなのです。

この5年間で、ランサーズに登録しているクライアント数は5万社、フリーランサーは20万人。これまでの依頼件数は22万件で依頼総額は115億円にまで増えました。特にここ最近は好調で前月比130%の勢いで伸びています(2013年12月現在)

仕事を発注しているクライアントの一例。大企業も少なくない

──登録しているフリーランサーはどんな職種の人たちが多いのですか?

元々クリエイター向けに始めたサービスなので、デザイナーが3~4万人、エンジニアが2~3万人、ライターが3万人前後、残りは学生、主婦、副業系のサラリーマンなどです。ランサーズに掲載されている仕事は70種類ほどです。

──日本で働いている人の全体の割合でいうと営業職や事務職も多いですよね。こちらの方の仕事を増やしていくお考えは?

今後増やしていく予定です。例えば経理の伝票整理や決算書の作成などはクラウドソーシングに向いているので、今後広がる可能性は十分にあるし、そうしていきたいと思っています。


──経理関係の場合は機密漏洩に不安を感じてインターネットで発注するのに二の足を踏む企業も多いのでは?

確かに機密性が高い仕事をランサーズに出すのは恐いとよく言われますが、セキュリティ対策は万全なので、リアルでやってもランサーズ上でやってもセキュリティリスクは変わらないんですよね。そういった間違った先入観も取り除いていく必要があります。例えば、ひと昔前ならクレジットカードの暗証番号をWebサイトに入力するなど恐くてとても考えられませんでした。でもセキュリティ技術の進歩により、今では誰もが特別な不安を感じずに入力してネットショッピングを楽しんでいますよね。

それと同じように、今は不安をもつ人もいるでしょうが、10年後は多くの企業が当たり前のように機密情報を扱う仕事をランサーズ上で発注していると楽観しているし、そう変えていきたいと思っています。

ランサーズの存在意義

──ランサーズの存在意義はどのへんにあるのでしょうか。

現在、一般的な働き方としては、正社員、契約社員、派遣社員、アルバイトくらいしかありません。働く人にとって選択肢自体が少ない。そこに対して「時間と場所にとらわれない働き方」という選択肢を作ることが僕たちの存在意義かなと思っています。

例えば、幼い子どものいる主婦やシニアの方、また近親者の介護などをしなければならない人は、毎日会社に数時間かけて通勤して、8時間ぶっ通しで働くのは物理的に不可能です。そのような事情を抱える方でも、ランサーズにはちょっとした隙間時間にできるような仕事もたくさんあるので、お子さんが寝た後の2~3時間で仕事ができます。

もちろん経験豊富で高い技術力や知識をもつ人にとっても相応の仕事もあるので、スキルに応じた働き方が可能です。このような仕事をすること、収入を得ることで、社会とつながってる感を得られます。そこも大きな価値だと感じる人も多いんです。そしてそれは企業や社会にとっても大きな価値となります。

ランサーズはさまざまな人がこれまで蓄積してきた経験やスキルがいかようにも生かせる、いわば人の最適化ができる場所。そういう職能を生かしたいと思う個人と、それを求めてる企業が出会える場所だということもランサーズの存在意義です。こういう働き方ができる人の裾野をどんどん広げたいと思っています。

秋好陽介(あきよし ようすけ)
1981年大阪府生まれ。ランサーズ株式会社代表取締役社長。

20歳のときに初めてPCを購入し、自力でホームページを制作。以降、広告収入や受託開発などインターネット関連ビジネスで個人事業主として年間数千万円の収入を得る。2005年、ニフティ株式会社に入社。Webプロデューサーとして複数のインターネットサービスの企画運営を担当。2008年4月ニフティを退社し、起業。同年12月に「時間と場所にとらわれない新しい働き方」の創出を目指して国内初となるクラウドソーシングサービス「ランサーズ」を立ち上げる。現在では同種のサービスがいくつか存在するが他の追随を許さないほどの圧倒的シェアを誇る。2013年1月、日本テレワーク協会「第13回テレワーク推進賞」の会長賞受賞。

初出日:2013.12.01 ※会社名、肩書等はすべて初出時のもの

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