bp Interview

エイベックス株式会社 本社オフィス

私たちが向かう 未来を体現する オフィスです!

エイベックス株式会社
グループ執行役員 グループ戦略室長
加藤 信介 さま(右)
グループ管理本部 総務グループ
ゼネラルマネージャー
村山 智之 さま(左)
構造改革とともに働き方や環境を
変えるチャンスを大切にした

村山:1980年竣工の旧社屋が老朽化し、本社を六本木に仮移転して建て替えを行いました。設計プランが決まったのは約5年前ですが、その後に当社の構造改革があり、新しい働き方を取り入れるべきだという動きがあり、基本設計から見直すことにしました。それでオフィスの再設計をスタートさせたのが、2016年11月になります。

加藤:2015年12月頃から構造改革が進んで、私たちがめざすべき姿や組織のフレームが見えてきたタイミングで、働き方や環境を大きく変えられるチャンスを大切にし、未来のエイベックスに合わせてオフィスをつくり変えようとしました。スピーディーな意思決定や、社員の自由な発想に基づくチャレンジを喚起し、若手社員も活躍できるフィールドをつくる。それによって新たなイノベーションを起こせる風土や環境、制度を整えました。

混ざり合って新しいものを
生み出すコミュニケーションの場

加藤:新しいエイベックスになるためには、いろんな才能を持った人が混ざり合う必要があります。せっかく約1,500人の社員が同じオフィスに来るのに、執務エリアが島型の固定席で斜め向かいの人が何をしているかが分からない、という状況はもったいないなと。社員がもっと混ざり合って新しいものを生み出すための、コミュニケーションやコラボレーションを大切にしたいと考えました。

村山:執務エリアは、どこかで見たようなフリーアドレスではなく、「つながる」をテーマにした独自のレイアウトにしました。しかも1フロアごとに完結しているのではなく、下階から上階までずっと連なっています。

加藤:クリエイティヴ部門では、1アーティストに対して、マネージャー、音源制作スタッフ、グッズ担当、ファンクラブ担当、販促・宣伝担当など、多くの担当者が関わっています。でも、みんな所属がバラバラですから、一堂に会するのは週に一度の定例会ぐらいしかありません。それが最近では、会議室での定例会後にみんなでそのままフリーアドレス席に集まって仕事をしていたりするので、オフィスと働き方が合っているように感じますね。今後は強制的なシャッフルによる席替えなども行うかもしれませんが、現状では近い人との混ざり合いが生まれてフリーアドレスに慣れた上で、次の段階に進みたいと思っています。

ブランドロゴ型の立体受付カウンターは、高さ3.5m、幅4mもの巨大なスケール。

6Fの「アーティストルーム」は、所属アーティストの控え室やフィッティングルーム、取材対応の部屋として使われている。

「HALL OF FAME」と名付けられた3F廊下の巨大なショーケースには、多くのアーティストが受賞したトロフィーや盾が並び、栄光の歴史にふれることができる。

しっかりとした食事からも
みんなのモチベーションを支える

加藤:「THE CANTEEN」という社員食堂は、社員が利用したいと思ったり、お客様を連れて来たいと思う空間や提供メニューでなければと思いました。自由なコミュニケーションの場として、月1回定期的に軽食とお酒を提供する「Happy Hour」も実施しています。セミナーやイベントなども今後はどんどん行っていきたいですね。

村山:定食が480円ほどですし、最上階のロケーションも含めて評判はいいですね。「食」に関わる場所は、みんなの喜びがある場所。社員食堂をつくるのは、私が総務に来た8年前からの夢でもありました。当時は若者たちが食べることを疎かにしていましたから、ちゃんとしたものを1食でもいいから食べてほしいという強い願いがありました。今後は「食」のイベントも企画しながら、季節や文化なども伝えていきたいです。

加藤:働き方改革と言われる中で、労働時間の抑制はもちろん重要視すべきですが、それぞれの職種に合わせた働き方や、モチベーティブに働く場を提供できているかがとても大事だと思っています。会社としては、これから向かって行く未来を体現するようなオフィスをつくることができました。しかし、やりたいことはまだまだありますから、いい意味で変化させたいですね。常に「Really! Mad+Pure」なオフィスをつくっていきたいです。

村山:私たちのチームは、社員が笑顔になることを目標にしているのですが、それが見られる機会は増えたと感じます。執務エリアでも、食堂でも、受付でも。そのことに説明はいらないですし、それがすべてではないでしょうか。

WORKER’SVoice

多角的なコミュニケーションで視野が広がるとともに、
「戻りたいと思うオフィス」になりました。

私が所属している制作部門は、日々届くサンプルや色校紙などが机周辺に山積みになるのが名物な部門だったので、フリーアドレスになることに、みんな一抹どころでない不安を抱えていたと思います。でも、新しいオフィスになって、今までコミュニケーションが一方通行だったのが多角的になり、視野が広がるように感じます。風通しがよくなって、外出先から「会社に戻りたい」と思える場になりました。また、若手社員は「仕事が終わった時、先に帰りやすいオフィスになった」とも話しています。

 集中したい時は10Fの「集中エリア」を利用したり、企画のアイデア出しの際には15Fのオープンスペースに集まるなど、仕事によって場を使い分けています。その打ち合わせに上司が自然に入って来てアドバイスをもらうこともよくあります。

 社外の方が「社員食堂で打ち合わせをしたい」と言ってくださるケースもよくありますし、今までは夜の会食が多かったのですが、ランチ会食の機会がずいぶん増えました。私自身コーヒーを飲みながら仕事をすることが多いので、社員食堂はよく利用しますね。昼食は外に出る時間がなくて困ることも多かったのですが、同じビル内になり、きちんと定食をとる習慣もできてうれしいです。

エイベックス・エンタテインメント株式会社
レーベル事業本部
クリエイティヴグループ
クリエイティヴ第2ユニット
武正 苑子 さま
bp vol.27掲載(2018.04発行)