現場スタッフの声

パーチングスツール【ピルエット】医療法人 山下病院

立ったまま行う内視鏡業務で腰を痛めてから、
専門の内視鏡治療を行うのも苦痛となっていました。
今は内視鏡治療の最前線を救うのは、「ピルエット」だと実感しています。

(2020年取材)

松崎先生とピルエットとの出会いはどのようなものでしたか

 私の勤務する山下病院は、消化器疾患に特化した専門病院です。多くの内視鏡検査や治療、手術を行っており、特に私は早期がんの内視鏡治療を専門にしています。一方で、長時間の高度な内視鏡治療を行うが故に、この治療動作からくる腰痛でとても苦しんでいました。現在は、ピルエットのおかげで腰痛はすっかり改善しています。現在、私のように筋骨格系障害で苦しんでいる方を救うために、ピルエットも含めた人間工学的対策を専門家の先生と一緒に研究しています。その先生との出会いがピルエットとの運命的な出会いに繋がりました。
 きっかけは2018年、海外の内視鏡学会でした。一人の東南アジアの先生が少しぎこちないながらも低い椅子に座って内視鏡治療をやっていたのです。当時、私は長時間立った状態で、内視鏡治療をやっており、腰を痛め、コルセットを巻いていました。帰国の途に就く中で、最初は内視鏡専用の椅子を開発できないだろうかと考えたのです。
 すぐに、椅子探しの旅に出ました。内視鏡治療で使う椅子として適したものはないかとあらゆる椅子の専門メーカーを訪ね、実際に見て、多くの椅子に座りました。その中で、オフィスで使うような某社製の背もたれのある椅子を購入しました。これでプロトタイプを作ってみようと思ったのです。実際使ってみると、立ってやるよりはいいけど、足首や背中とか今まで痛くなかったところが痛くなり思うようにいきませんでした。
 椅子を勉強していると「人間工学」という言葉に何度も遭遇しました。内視鏡専用の椅子を作るためには、人間工学から学び、もっと椅子を理解しなければならない。そこで、人間工学の勉強を始めましたが、独学では難しかった。私は日本人間工学会ホームページで、筋骨格系障害の専門家を探しました。そして、幸運にも名古屋市立大学環境労働衛生学分野の榎原毅先生に巡り会うことができたのです。
 内視鏡治療後は首・肩・腰に痛みを伴うことが多く、内視鏡業務に適した椅子を探していること、人間工学から考えた内視鏡学を広めたいと考えていることなどをメールでお伝えしました。私の熱意が伝わったのか、先生はすぐに返信をくださり、何度も当院に足を運ばれて、内視鏡の現場を見学した上で、様々な改善策を提案してくださいました。
 そのひとつが「立つ」と「座る」を組み合わせた作業環境=sit-stand workstationです。常に立った状態もよくないが、どんなによい椅子でも常に座った状態、同一拘束姿勢となるのを避けた方がよいと。(参考文献1)
 内視鏡業務にこの作業環境を取り入れる上で最適なのは、座面が高めの椅子、そしてフットペダルを操作するため、座面が傾き、自由に揺れ動く「ウブルスツール」がよいかもしれない、とヒントをいただきました。内視鏡の世界に啓蒙していくためには、企業さんの力も絶対必要なので、やはり国内メーカーだろうと。そこで、オカムラさんのピルエットを試しに1台購入しました。

消化器内科 統括部長 松崎一平さん

消化器内科 統括部長 松崎一平さん

看護部 内視鏡技師 常見麻芙さん

看護部 内視鏡技師 常見麻芙さん

一日どのくらい内視鏡室にいらっしゃいますか

松崎:
 一日の半分以上ですね。他の先生たちもだいたいそれくらいです。昔の消化器内科医は、胃カメラなどの内視鏡検査を中心に行っていましたが、これまで外科医がやっていた手術の一部が内視鏡でもできるようになり、内視鏡業務時間が増えてきているんです。1回の治療は短いものだと15分とか20分で終わるものもありますが、何時間にわたるものもあります。

常見:
 看護師は一日中です。休憩時間以外は、ずっと立ちながら内視鏡調査の助手、患者のケア、そして内視鏡の洗浄業務をしていました。

それまで体への負担はいかがでしたか

松崎:
 1時間くらい内視鏡治療をしていると、腰が痛くなり、足もしびれてきて、誰か交代してくれないかな、という感じでした。でも難しい治療の場合は、そうはいきません。内視鏡もそこそこの重さがあるので肩や腕も痛くなってきます。

常見:
 医師だけでなく、看護師や他のスタッフも作業中はずっと立っていますから、やはり腰や足の疲労感がひどかったですね。女性は特に足がむくむんです。当時は、〝看護師は立って仕事をする〟という考え方にあまり疑問を持っていませんでした。

ピルエットをお使いになっていかがでしょう

松崎:
 コルセットして働いていたのが、ピルエットを使うことで腰痛も足のしびれも無くなり不要になりました。ピルエット自体は、想像以上にしっかりしていて、安定感があります。内視鏡業務に理想的な椅子であり、私がわざわざ一から開発する必要がなくなってしまったわけです。少し安い海外製の「ウブルスツール」も後日試したのですが、まったく別物でした。最初にピルエットに出会えてよかったと心から思っています。
 私は自分が術者でなく助手の時も、ピルエットを持ち込んで使っています。マイピルエット、もう欠かせないパートナーです。すべての内視鏡医に使ってほしいのはもちろんですが、内視鏡業務は看護師、技師、洗浄員など多くのスタッフによって支えられています。そこで、現在は研究や教育に熱心な常見看護師に、ピルエットの啓蒙活動を行ってもらっています。(参考文献2、3)

常見:
 正直、最初はどう座ればいいのかなと、ちょっと戸惑いはありました。グラグラしますし、座面の調整も自分にとってどれくらいの高さが最適なのかとか。でも、使っているうちに慣れてきて、だんだんうまく使いこなせるようになりました。最初はほとんどのスタッフが低めの高さにして座ることが多いので、「少し腰かける感じで座る椅子だよ」と教えています。ピルエットは揺れ動くので、座った状態でも同一拘束姿勢になりにくいのですが、やはり姿勢変換が大事なので、「ちゃんと立ったり、座ったりするんだよ」と教えています。
 今は主に外来で使っていますが、足の疲れも以前と比べてかなり楽になりました。ピルエットを使うことで負担が軽減されたと感じています。
 現在、外来には3台置いてあり、看護師が使っています。うまく活用しているようで、すごくいい椅子だと評判です。電子カルテを見ながら作業することが多いので、その時はピルエットにちょっと座って作業して、先生に呼ばれたらすぐに動く。ピルエットは、外来業務との相性も良いと思います。

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デザインなどの印象はいかがですか

常見:
 色もいろいろ選べますし、女性としてはカラフルなのがいいですね。とは言え、病院で使うものなので、あまり派手な色はNGですが、ピルエットの色はいいですね。形もかわいらしくていいなと思います。マカロンみたいですよね(笑)。

【参考文献】


1 Ebara T, Kubo T, Inoue T et al. Effects of adjustable sit-stand VDT workstations on workers' musculoskeletal discomfort, alertness and performance. Ind Health 2008; 46: 497-505
2 松崎一平, 服部昌志, 山本 孔次郎, 榎原 毅. 中村正直, 藤城光弘. 連載: Sit-stand endoscopic workstaion ー人間工学から考える内視鏡ー. 臨牀消化器内科 Vol.35 No.6; 661-666, 2020 日本メディカルセンター
3 Tsunemi M, Matsuzaki I, Hattori M et al. Sit-stand endoscopic workstations with wobble stools for the endoscopist, assistant, and endoscopy nurses in an endoscopy unit. Endoscopy 2020, 52(09): E324-325

施設紹介

 山下病院は、1901(明治34)年、内科、外科、婦人科を診療科目とする尾張地方唯一の病院として設立。第2次世界大戦後は200床の病院として地域医療の一翼を担ってきました。
 2006(平成18)年から、『消化器がんから一人でも多くの人を救いたい』という決意のもと、消化器専門病院となり、腹腔鏡下手術、内視鏡治療、大腸CT(バーチャル内視鏡)、カプセル内視鏡、造影超音波など先進的な消化器医療を実践しています。2008(平成20)年には、地域完結型医療連携を推進すべく外来診療機能の縮小化に着手。病床数も102床まで絞り込み、21世紀にふさわしい病院として生まれ変わりました。

施設データ
施 設 名
医療法人 山下病院
所 在 地
愛知県一宮市中町1-3-5
アクセス
JR東海道本線「尾張一宮駅」名鉄本線「名鉄一宮駅」徒歩10分
ホームページ
医療法人 山下病院