CREATOR’S VOICE 04

コミュニケーションや出会いが自然と生まれる
ブレンディングファニチュアYAA

2026年6月に開催された、オフィス家具の国際見本市「オルガテック 東京 2026」にて、オカムラはブレンディングファニチュアYAAを中心としたブースを出展しました。お客様の「やあ」という声掛けで賑わったブースの、空間デザインを手がけたI IN 照井洋平さんに、人と人をまざりつなげるYAAの魅力についてうかがいました。

今回のブースデザインは、YAAのどんな特徴に着目して生まれたのでしょうか。

カタログで初めてYAAを見た時は、柔らかな曲線のある形や、高さの変化が目に留まりました。ところがその後、ショールームで実物を見せていただくと、立体的な動きや、複数のYAAによる空間の奥行きを実感しました。人同士の視線の重なり方や、歩いていく中での風景の変化など、空間を分けるというよりも、コミュニケーションやシーンをつなげていく印象をすごく強く受けました。
不特定多数の方が訪れる展示会場で、そうしたYAAの特徴をいかに強烈なインパクトとして見せられるかを考えたのが今回のブースです。重なり合うYAAの中でさまざまなシーンを体験してもらいながら、YAA越しにふと目線が合い、「あ、ここに人がいたんだ」「あ、こういうところにも人が座っているんだ」と、思いがけないコミュニケーションや出会いが自然と生まれる。YAAの特徴をうまく引き出せたのではないかと思います。

Photo:Tomooki Kengaku

I INが空間デザインを担当したオルガテック東京2026オカムラブース。
ブレンディングファニチュアYAAを中心に構成されている。

YAAと家具のコーディネートを考える中で気づいたことはありますか?

YAAのそばに家具を置くだけで、全体がひとまとまりに見えてくる。これは今回のブース設計を通して強く実感したことです。YAAに沿うような形で組み合わせられる家具もありますが、そうではない家具も、YAAのシーンの中にあるだけでその一部に見えてくる。YAAに囲まれることで、家具もブレンディングされていく感覚でした。今までは「空間を仕切るもの」と「家具」は全く別物の存在だったと思うのですが、YAAを使うと、立体的な動きやレイヤー感によってそのふたつがひとつになり始める。それはすごく新しいですし、今回はその効果がさらに飛躍して、ブース全体にまで広がったなという印象です。

Photo:Tomooki Kengaku

重なり合うYAAのなかで、さまざまなシーンとともに
思いがけないコミュニケーションや出会いが自然と生まれる。

空間デザイナーの視点から、今後YAAにどんな発展を期待しますか?

平面での曲面の取り方や、各ユニットの高さがすごく緻密に設計されているなと感じました。曲面の種類も高さも限られてはいるのですが、この何種類かがあるだけで、空間デザイナーが想像する大概のレイアウトが組める。それぐらい計算されてつくられている形だと思います。
強いて言うなら、カタログ外のクロスも張れるようになれば、さらに活用の幅が広がるのではないでしょうか。空間デザイナーには、設計した空間に合わせてYAAのクロスを選びたい、というニーズが必ずあるはずです。YAAをキャンバスのように捉え、自由に仕上げを選べるようになったら、バリエーションも増えて面白いですよね。たとえば私なら、すごく艶のあるクロスを張って、周囲のいろいろなものが反射し合うようなYAAをつくってみたいです。

照井さんなら、YAAをオフィス以外でどのように活用されますか?

どんな空間の設計においても、曖昧な境界線をつくりたい機会があります。そうしたニーズにこそ、YAAの活躍する可能性を強く感じます。たとえばホテルであれば、ベッドルームをYAAで構成するというのはすごく想像しやすいですよね。店舗であれば、VIPルームなどの特別な空間をYAAで仕切ることで、お互いの気配を心地よく感じられる空間デザインができるかもしれません。YAAは分けることよりもつなぐことを主題につくられていて、家具としての存在感を消しながら、上手に境界線をぼかしてつなげていく様子が面白いなと思います。

YAAはこれからのオフィスにとってどんな存在になっていくでしょうか?

今回のブースデザインでは、YAAによって生まれる視線のつながりや偶然の出会いに着目しました。今後はそうした視覚のブレンディングから発展させて、音や光、匂いなど他の感覚に目を向けていくと可能性が広がるかもしれません。天井まで覆うYAAで音に干渉し、もっとプライベートな空間をつくれるようにしたり、歩く人の感覚を刺激する床のYAAをつくったり。日本のオフィスはコミュニケーションが生まれにくいことが多いですが、YAAが視覚以外のさまざまな感覚で周囲の環境をまざりつなげられるように進化していくことで、オフィスのあり方をさらに変化させてくれる存在になるのではないかと期待しています。

照井洋平

照井洋平

1982年神奈川県生まれ。明治大学商学部を経て、2008年アメリカ・ニューヨークのパーソンズスクールオブデザイン、インテリアデザイン学科を卒業。ニューヨークにてGabellini SheppardとSHoP Architectsに勤務。2009年〜2017年CURIOSITYに在籍。2018年 I IN設立。

  • Photo:Tomooki Kengaku

    I INが空間デザインを担当したオルガテック東京2026オカムラブース。
    ブレンディングファニチュアYAAを中心に構成されている。
  • Photo:Tomooki Kengaku

    重なり合うYAAのなかで、さまざまなシーンとともに
    思いがけないコミュニケーションや出会いが自然と生まれる。