
これまでの庁舎窓口では、住民は申請や手続きのために来庁し、申請書の記入や長い待ち時間など大きな負担がかかっていました。職員も入力や確認作業に多くの時間を割かれ、本来注力すべき業務に十分な時間を確保できないという課題がありました。
こうした状況を改善するために進められているのが「自治体フロントヤード改革」です。マイナンバーカードを活用し、住民との多様化・複雑化する接点を充実させるとともに、デジタル化によって窓口業務を効率化し、住民の利便性向上と職員の負担軽減を同時に実現する取り組みです。最終的には、住民がマイナンバーカードを活用したオンライン申請により、スマートフォンやパソコンから手続きを完結できる「行かない窓口」の実現を目指しています。
これにより、住民は申請や手続きがより簡単・便利でスムーズになり、職員は入力や確認作業の手間が削減され、業務を効率的に行えるようになります。一方で、デジタルに不慣れな方や専門的・直接的な支援を必要とする方への対応は、今後ますます重要になります。そのため、これからの窓口には、デジタル化による業務効率化・簡素化と並行して、一人ひとりに寄り添い、丁寧で質の高いサービスの提供が求められると考えられます。自治体DXによって庁内業務を効率化すれば、住民とのコミュニケーションの質向上に加え、地域課題解決や新しいサービス構想の時間を確保でき、行政サービス全体の向上が期待されます。
POINT
ユニバーサルデザインを導入し、すべての来庁者にとってわかりやすく、使いやすさに配慮します。
入口から目的地まで迷わずに移動できる、わかりやすい動線計画への見直し。
わかりやすいフロア案内や案内表示を見やすい場所に設置。
車椅子利用者やベビーカーを利用する方もスムーズに通行できるよう、安全で快適な通路幅を確保。
車椅子利用者などに対応した、高さ調整可能なカウンターの設置。立ち座りしやすい待合椅子の採用。
安心して相談や手続きができるように、利用者のプライバシーに配慮した環境を整備する必要があります。
窓口に仕切りパネルを設置し、手続き中の声や周囲からの視線に配慮。
待合と窓口の間に一定の距離を確保し、待合椅子を窓口に正対させない配置とすることで、利用者同士の声や視線に配慮。
カーペットの色分けによって窓口と通路のセキュリティーラインを明確にすることで、利用者の動線が分かりやすくなり、誤って立ち入ることを防止。
遮音性の高い相談ブースやマスキング音発生システムの整備などにより、窓口での会話が周囲に漏れ聞こえないよう配慮。
行政手続きのデジタル化により、窓口はこれまでの手続き中心から相談中心へと役割が変化していくと思われます。そのため、受付内容に応じて柔軟に対応できるようにさまざまなタイプの相談スペースを設けて柔軟に対応します。
手続きに必要な情報を職員が聴き取りながら申請書を作成する「書かない窓口」の導入により、座って相談できるローカウンターの設置。
お子様連れに配慮しキッズスペースを併設した相談スペースの設置。
リラックスしながら落ち着いた雰囲気で相談できるソファーブースの設置。
支所・出張所・公民館など遠隔地と本庁をオンラインで結ぶリモート窓口の設置。
これからの窓口は、オンライン申請の普及に伴い、必要となる窓口数が減少するとともに、業務の中心が手続き対応から相談業務へと移行していくと考えられます。こうした変化に柔軟に対応するためには、窓口カウンターや相談テーブルなど多目的に活用できる、可変性の高い什器の導入が有効です。このような什器を設置することで、環境の変化や用途に応じて形態を変えることができ、日々変化する行政サービスに最適化した窓口空間を構築できます。

パターン1
パターン2
フロントヤード改革によって窓口のあり方が変われば、職員が働くオフィス空間(バックヤード)も見直しが必要となります。窓口空間とオフィス空間の改善を両輪で進めることで、業務の効率化が図られ、職員の負担軽減につながります。これにより時間と心の余裕が生まれて、職員のモチベーションが高まることで、住民サービスの質の一層の向上が期待できます。
バックヤードの業務フローに則した動線・レイアウトに見直すことで、窓口手続きや相談対応がよりスムーズに。
これまでの働き方を見直し、快適な職場環境を整備することで、職員がより本質的な業務に集中できるように。
MERIT
窓口空間の見直しによって安心して相談できる環境が整い、来庁者の利便性と快適性が向上します。
業務フローを踏まえた動線やレイアウトの改善によって職員の業務効率が高まり、住民サービス全体の質も向上します。
地域住民が気軽に集える「共創・協働」の場を設けることで、多様な主体との連携や地域の活性化にもつながります。
CASES



FAQ
A
他自治体で成功した事例をそのまま導入しても、環境や条件の違いから効果が十分に発揮されない可能性があります。他自治体の事例を参考にしつつ、貴自治体の状況や利用者ニーズに合わせて設計・実施することが成功への近道です。
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週末や連休を最大限に活用し、開庁時間に影響が出ないよう、安全かつ確実な工程計画を策定することで、窓口を閉めることなく工事が可能です。
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相談者の個人情報などが周囲に漏れ聞こえないように、遮音性や吸音性を備えたブースなど、プライバシーに十分配慮した個別空間が適しています。
A
今後の窓口業務のデジタル化に伴い、来庁者数の減少や業務効率化、運用の大幅な見直しが見込まれています。状況の変化に応じて柔軟にレイアウト変更が可能な空間設計が有効です。