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2017.09.19  取材・文/山下久猛 撮影/林景沢(スタジオアップル)

自分と向き合うことの重要性を伝えたい

──スピリチュアルセックスのワークショップとはどのようなものなのですか?

丹羽順子-近影2

日本ではセックスが猥褻な行為で、おおっぴらには話してはいけない空気がありますよね。しかし、それはすごくおかしいなという思いがありました。ノサラではエキセントリックな人たちが多く(笑)、セックスカウンセラーの友達ができたんです。当時、パートナーとの関係に悩んでいたときに、その友達に相談したんですよ。そのときに、「あなたはあなた自身のことを本当に愛してるの?」とか「セックスをすることによって愛されている承認欲求や安心感を得ようとしていないか?」と問いかけられました。その時、「たしかにそうかもしれない」と思ったんですよ。また、「自分自身を愛し、自分自身に責任をもちなさい」とも言われました。

最初は「セックスカウンセラーなんて......」といった疑心暗鬼な感情がありましたが、彼女との対話を通じて、納得できる部分が多くありました。話したことによって私の中で女としての生き方がすごくしっかりしてきたんです。


──丹羽さんは昨年(2016年)、『深い愛に気づく女性のためのヒーリング』(ブルーロータス・パブリッシング)というスピリチュアルセックスをテーマにした本を上梓されていますが、それが本の執筆に繋がったわけですか。

そうですね。私自身がそうだったように、セックスにきちんと向き合うことによって女性だけでなく、男性も生き方が固まってくるのではないかと思ったのが執筆のきっかけです。スピリチュアルセックスは自分の体のことを理解するのもそうですが、「自己愛」というのがものすごく大きなテーマになっているんですよ。たとえ誰かが愛してくれなくても、自分自身がかけがえのない存在だと思えるかどうかというのは、すごく大事なことですよね。しかし、特に日本の場合は「いや、私なんて......」と控えめな文化がありますし、学校教育でも「他の人にやさしくしなさい」ということを教えられます。「自分を愛しなさい」とは教えられたこともないし、それはナルシシストで自己中心的だと思われてしまいますよね。だからみんな自己評価や自己肯定感が低いんです。しかし、わがままとか自分勝手というのではなく、自分を大事にしないと他の人も大事にしてあげられないということにセックスを通して直面したんです。先程もお話しましたが、それで今はスピリチュアルセックスのワークショップも実施するようになりました。

参加者の人生がよくなること

──書籍やワークショップを通じて、一番伝えたい思いが「自分を大事にしなさい」ということでしょうか。

丹羽順子-近影3

そうですね。やっぱり一番大きく伝えたいメッセ―ジは、自分を愛するということです。自分を愛して、自分自身に対してくつろぐ気持ちをもてなかったら、セックスを通じて二人で交わったときもくつろげないじゃないですか。よくワークショップでは、女性が男性をどうやって落とすかとか、セックスの体位とか、そういう内容を教えるのかと思われる方も多いのですが、全然違います。相手がある前に、まず自分なんですよ。ヨガや瞑想に置いても同じく、自分と向き合うことの重要性を伝えていきたいんです。


──仕事のやりがいはどういうときに感じますか?

やっぱり一番は、ヨガにせよ呼吸にせよコミュニケーションにせよ、ワークショップに参加していただいた方から、その後成果が出たと言っていただく時ですね。参加したことで自分が本当に好きになったとか、愛と平和が絵空事じゃなく、上っ面ではなく感じられるようになったとか、セックスについて話すことが気恥ずかしくなくなった、というフィードバックをいただけると、やってよかったなって思いますね。

丹羽さんの著作(写真提供:丹羽さん)

丹羽さんの著作(写真提供:丹羽さん)


インタビュー第2回はこちら

丹羽順子(にわ じゅんこ)

丹羽順子(にわ じゅんこ)
1973年神奈川県生まれ。平和環境活動家

慶應義塾大学卒業後、NHKに入社。報道記者として3年間勤務した後、退職。日本映画学校で講師をしつつ、ドキュメンタリー映像制作にも携わる。2003年、イギリスのミドルセックス大学院に1年間留学。持続可能な開発とリーダーシップコース修了。帰国後、フリーランスのサスティナビリティー活動家としてドキュメンタリー制作やイベントMC、各種講師など様々な分野に携わる。2006年、長女を出産。鎌倉を持続可能にするNPOかまわなどで地域活動を展開ほか、オシャレな古着の交換会xChangeを主催。J-WAVEのLOHAS SUNDAYのナビゲーターも務める。2011年、東日本大震災を機に家族で鎌倉を離れ、西日本を放浪後、香川で半年間ほど暮らす。2012年、タイに移住し1年半ほどの自給自足生活を送る。その後、娘とコスタリカへ移住。現在は10歳になる娘と愛犬チョコ、フランス人のパートナーとともに大自然に囲まれた場所に暮らし、自身の心、みんなの心に平和の芽を育てる活動を続けている。著書に『小さいことは美しい』(扶桑社)、『深い愛に気づく女性のためのヒーリング』(ブルーロータス・パブリッシング)などがある。

初出日:2017.09.19 ※会社名、肩書等はすべて初出時のもの

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