自治体庁舎のウェルビーイング

ウェルビーイング
取り組む理由

ウェルビーイング(well-being) とは、身体的にも、精神的にも、社会的にもすべてが満たされた状態にあることをいいます。本来は世界保健機関(WHO)が「健康」を定義する際に用いた概念であり、近年では働き方改革や企業経営、まちづくりなど、さまざまな分野で重視されています。

職員にとってのウェルビーイング

自治体職員は、専門的な知識を要する窓口業務や住民からのカスタマーハラスメント、さらには予期しない事態への対応など、日々高い緊張感と大きな負担の中で業務にあたっています。
こうした状況が続くと、職員の心身の疲労やモチベーションの低下を招き、行政サービスの品質や組織全体の活力にも影響を及ぼす恐れがあります。
一日の大半を過ごすオフィスは、職員の健康に与える影響が大きく、ウェルビーイングの視点を取り入れた環境整備は重要です。職員が安心して働き続けられるオフィス環境を整えることで心身の健康を維持し、集中力や創造性が高まることで、行政サービス全体の質の向上にもつながります。ウェルビーイングを重視したオフィスづくりは、自治体の持続的な成長を支える重要な取り組みです。

来庁者にとってのウェルビーイング

来庁者のウェルビーイングを考えることは、行政サービスの質を高め、住民満足度や信頼を向上させる上で重要です。
来庁者は、手続きや相談、申請、トラブル解決などの目的で訪れますが、多くの場合「時間」「労力」「感情的な負担」を伴いやすい状況です。だからこそ、来庁した際の体験の質を高めることがウェルビーイング向上に直結します。来庁者のウェルビーイングを高めるということは、単に「不満を減らす」だけでなく、「役所は安心して来られる場所」「困ったときに頼れる存在」 という信頼関係を築くことです。
こうした視点を取り入れることで、地域全体の幸福度が高まります。

職員と来庁者双方のウェルビーイングが高まることで、行政サービスの質はより高まり、相互の信頼と協働の土台が築かれます。こうした好循環は、地域の魅力や暮らしやすさを向上させ、持続的な地域価値の創造へとつながっていきます。

POINT

ウェルビーイングを実現する
庁舎空間づくりのポイント

職員のためのウェルビーイング導入ポイント

POINT01

身体の健康への配慮

オフィスの中で生じる、姿勢の問題による身体のコリや痛みなどに配慮します。

身体への負担が少ない
上下昇降デスクの導入

天板の高さを自在に調整できるため、座位と立位を切り替えながら業務に取り組めます。姿勢が固定されないことで、むくみや疲労の軽減、眠気の抑制、さらに腰痛の自覚症状の緩和にもつながります。

滋賀県守山市
最適な姿勢をサポートする椅子の採用

背もたれの角度や座面の高さ・奥行きなどの多彩な調節機能により、利用者の体格や好みに合わせた細かな調整が可能です。姿勢をサポートし、快適な座り心地を実現するとともに、身体への負担を軽減します。

福島県双葉町
落ち着いて集中できるブース席の設置

配置場所を工夫することで、落ち着いて業務に取り組める環境を確保します。周囲からの視線が気になりにくく、無理なく集中できます。

福岡県八女市

POINT02

心の健康への配慮

緊張感を軽減しリラックスできるような工夫を取り入れます。

リフレッシュできる
職員専用の休憩スペースの設置

業務の合間に休息や気分転換ができるスペースを設けることで、職員の心身の健康に寄与します。

バイオフィリックデザインの導入

植物などの自然要素を取り入れることでリラックス効果が高まり、心地よい空間をつくることができます。

横浜市消防局
家具や内装の木質化

家具や内装に木材や木目調の素材を取り入れることで、空間に自然の温かみや柔らかさを加える「木質化」を図ります。無機質になりがちな執務スペースにやすらぎが生まれ、心地よい環境が整います。

群馬県沼田市

POINT03

人や組織とのつながりへの配慮

職員同士や組織に対する信頼感やエンゲージメントが高まる空間を作ります。

落ち着いて相談できる
面談スペースの設置

職員同士が外部の音や視線を気にせず安心して話し合えるよう、遮音性のある面談スペースを設けます。これにより、気兼ねなく相談できる環境が整い、関係構築が促進されます。

東京都中野区
カフェスペースや共創空間の設置

気軽なコミュニケーションを通じて、チームの垣根を越えた交流や、新たな価値観に触れる機会を生み出します。

静岡県

来庁者のためのウェルビーイング導入ポイント

POINT01

身体的な快適性への配慮

不自由さを感じることなく快適に過ごせる空間を作ります。

適切な座席配置

待合の席数が不足しないよう、必要な席数を適切に配置します。

疲れにくい椅子や休憩スペースの設置

疲れにくく立ち座りしやすい椅子の採用や、落ち着いて過ごせる休憩スペースの設置により、待ち時間や手続きに時間を要する場合でも快適に過ごせるよう配慮します。

山口県山口市

POINT02

心理的な安心感への配慮

初めて庁舎を訪れる人もわかりやすく安心して手続きや相談が行える空間を作ります。

分かりやすい案内表示や
フロアマップの設置

視界に入りやすい位置に、視認性の高い案内表示やフロアマップを設置し、迷うことなく目的の場所へたどり着けるようにします。

大阪市城東区
プライバシーに配慮した
手続き・相談スペースの設置

窓口カウンターへの仕切りパネルの設置や、ブース型の相談スペースの導入により、周囲を気にせず安心して相談や手続きを行える環境を整えます。

熊本県益城町
カームダウン・クールダウンスペースの設置

人混みや音(番号呼び出しなど)、光に過敏な来庁者が体調を崩す場合があります。こうした刺激を避け、気持ちを落ち着かせられる環境の整備が必要です。安心して過ごせる一時的な避難場所を設けることで、来庁者の心身の負担を軽減できます。

POINT03

社会的なつながりへの配慮

庁舎を訪れる住民同士の交流や地域とのつながりを感じられる空間を作ります。

多様な来庁者への配慮

外国語対応や多言語表示、キッズスペースの設置、十分な通路の確保などにより、外国人やお子様連れの方、車椅子利用者などさまざまな来庁者に配慮します。

カフェスペースや
協働・共創空間の設置

気軽に立ち寄れるカフェスペースや地域イベント・情報発信を通じて、住民同士の交流や協働が生まれます。

千葉県市川市