自治体庁舎のサイン

案内サインの重要性と
改善の方向性

自治体庁舎における案内サインは、来庁者と職員をつなぐ重要な役割を担っています。
サインの分かりやすさは、来庁者にとっての庁舎の使いやすさや、職員の業務効率に直結します。
多くの自治体が実施する来庁者アンケートでは、「案内が分かりにくい」「どこへ行けばよいのか分からない」といった不満が多数寄せられています。その結果、職員は来庁者の誘導や案内に多くの時間と労力を割かざるを得ません。
自治体庁舎には、初めて訪れる人や久しぶりに来る人など、さまざまな利用者が訪れます。こうした不特定多数の利用者が迷わず目的地に到達でき、職員の案内負担も軽減される庁舎を実現するには、利用者の視点と運営者の視点の両方を踏まえた案内サインの整備・改善が不可欠です。

POINT

サイン計画のポイント

01配置計画の最適化

来庁者の動線分析に基づく設置位置の決定など

02情報の整理と階層化

初めて訪れる人でも直感的に理解できるアイコンやピクトグラムの活用など

03視認性の確保

高齢者や視覚障がい者にも配慮したコントラストとフォント選定など

04更新・運用の容易さ

部署の移動や窓口変更に対応できるメンテナンスなど​

05ユニバーサルデザインの導入

多言語表示や、デジタルサイネージの併用による情報補完など

06自治体に特化したサインの工夫

建物の特性を生かしたサイン計画

自治体庁舎には、柱によって窓口が見えにくい、エレベーターが建物中央にあるため回廊型となり奥の窓口が認識しづらい、トイレの場所が分からないなど、構造上の課題が数多く存在します。また、駐車場側から入館すると総合案内所が分かりにくく、入口の位置による動線の違いがスムーズな窓口誘導の妨げとなる場合があります。
こうした制約を逆手に取り、曲がり角や柱面、動線上の要所に進む方向を示す誘導サインを効果的に配置し、円滑な動線を確保することで、来庁者の利便性を高めることができます。その結果、初めて来庁する人でも迷わず目的地に到達できる環境を整えることが可能です。
このように建物構造の課題をサイン計画に反映し、業務改善の機会とすることが、建物の特性を生かしたサイン計画の重要なポイントとなります。

窓口の見える化

Before

窓口の見通しがきかない。

After

大阪府高槻市

死角を作っている柱を活用し色でゾーニングして窓口を見える化。

目的をわかりやすく表示

Before

文字が小さく見えづらい。

After

東京都練馬区

色・番号・来庁者の目的をわかりやすく大きく表示。

連動性のあるサイン

庁舎敷地内から目的の窓口まで、色や番号表示など連動性のある案内サインを整備することで、利用者の移動や案内業務の効率を大幅に向上させることができます。入口や駐車場など、利用者の動線上に統一されたデザインと情報を用いた案内サインを設置し、システムとして機能させることで、来庁者が迷わず目的地へ到達できる環境を実現できます。

動線を考慮したサイン計画

Before

移動中に窓口が分からなくなる。

After

福岡県那珂川市

入口から共通の色分け表示で、目的地がわかりやすい。

発券機システムと案内サインの連動の重要性

自治体庁舎では、「書かせない窓口」の導入に伴い、発券機システムの普及が進んでいます。
発券機の利便性を最大限に活かすためには、庁舎内の案内サインと整理券の表示内容(番号や色、名称など)を統一し、相互に連動させることが重要です。
この連動が不十分な場合、来庁者が途中で迷い、職員による追加案内が必要となるケースが多く見受けられます。こうした事態を避けるため、案内サインと発券機の表示内容を統一することで、来庁者は発券後に迷うことなく目的の窓口へ到達できます。その結果、職員の負担軽減や業務の効率化につながり、さらに来庁者の満足度向上も期待できます。

発券表示と案内サインの統一

神奈川県海老名市

発券表示と同じ色分けや番号表示により、目的地となるソーンや窓口がわかりやすい。

色分けによる窓口配置

窓口の色分けは、来庁者が視覚的に情報を整理でき、言語に依存しないため、離れた場所からでも容易に認識できる有効な手段です。隣接する窓口が異なる業務を行っていることを直感的に伝えられるため、誤認の回避にも役立ちます。また、色が持つイメージによって来庁者に暖かみや安心感を与える効果も期待されます。
一方で、来庁者の中には色覚に特性を持つ方もいるため、ユニバーサルデザインの観点からは色のみを識別手段とすることは望ましくありません。配色や表示方法には十分な配慮が求められます。

ひと目で認識できる窓口

Before

番号表示があるけれど、どの窓口カウンターに行けばよいかかわからない。

After

大分県玖珠町

サインの色分けや番号表示により、目的の窓口がわかりやすい。

利用者目線の目的語表記

自治体サインの案内表示を部署名ではなく「目的語」で表記する最大のメリットは、来庁者にとって分かりやすい点です。
多くの来庁者は自治体の部署名を知らないため、「証明書発行」「子育て相談」など、目的を直接示す表記の方がより伝わりやすい案内となります。機構改革などで部署名が変更される場合がありますが、業務内容を示す目的語表記であれば変更されにくく、案内サイン更新のコスト削減にもつながります。

目的を具体的に表記

Before

After

福岡県那珂川市

表記の改善例

Before

課名表記

市民課

課名表記は何を扱っているか分からない...

After

来庁者の要件別表記
  • 証明書の発行
  • 引越しのこと
  • 国民年金のこと

利用目的を表記すると分かりやすい!

一連の流れで案内

  • START ! 入口

    総合案内サイン

  • 誘導サイン

  • GOAL ! 目的の窓口

    窓口サイン

FAQ

よくある質問

A

新庁舎の基本設計段階から検討することが望ましいとされています。建築設計と並行してサイン計画を進めることで、建物構造や動線に合わせた最適な配置やデザインを実現できます。

A

庁舎には不特定多数の方が訪れ、その中には高齢者や車いす利用者、色覚に特性を持つ方など、さまざまな来庁者が含まれます。庁舎内に設置すべきユニバーサルデザインに配慮したサインとは、高さ・サイズ・色などに配慮し、誰にとっても使いやすく設計された案内サインを指します。

A

はい、そのような部分的なサイン改修も可能です。具体的には、自治体様のご要望を踏まえ、既存サインのデザイン・色・設置場所などの現状を確認します。その上で、活かせる部分は残しつつ、色分けや配置、視認性向上の工夫を加え、来庁者にとって分かりやすく使いやすいサイン改修をご提案します。