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Workplace_Case 02
Quality of Life の向上に貢献する
「幸働の庭」
三井住友DSアセットマネジメント株式会社 本社オフィス
誰もが、充実した生活や人生を送りたいと願っている。Quality of Life(QOL)という考え方も、人間と幸せの本質を見つめるところから生まれた。この「生活の質」の向上を、経営理念に掲げている会社がある。三井住友フィナンシャルグループの資産運用会社、三井住友DSアセットマネジメント株式会社。業界トップレベルの運用調査体制とグローバルなネットワークを活用した質の高い資産運用サービスを提供している。そのミッション&ビジョンは、「Quality of Lifeに貢献する最高の資産運用会社へ」というものだ。

2019年4月に、三井住友アセットマネジメントと大和住銀投信投資顧問の合併により発足した会社であり、その合併効果を最大限に発揮するためにオフィスの統合を行った。2020年7月にスタートしたビジネスの舞台は、虎ノ門ヒルズビジネスタワー。新しいオフィスのコンセプトは、「社会・顧客・社員のQOLの向上」である。
photo:Nacása & Partners
Data
所在地
東京都港区虎ノ門1-17-1
虎ノ門ヒルズビジネスタワー24〜27F
オフィス対象面積
約10,500㎡
オフィス対象人員
約1,000名
インテリア竣工
2020年7月
プロジェクトマネジメント
森ビル
オフィスデザイン監修・特殊エリア設計
SIGNAL
オフィス設計・デザイン
オカムラ(岩坂 知実)
Project Interview
Project Interview
「自席+α」という考え方でレイアウトを行い
働く場を自由に選べるようにしています
ふれあいをもたらすオフィス
各フロアの動線の設計にも工夫を凝らし、内階段や広い通路などを設けた、ふれあいを誘発するオフィス空間である。
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日本の木造建築の豊かさを取り入れた来客フロア
グローバル企業として目指す姿を体現した、26F来客フロアの受付エントランス。「和」を発信する、ゆったりとした庭のような空間であり、海外からの来客も多い。
面談のほか
WEB会議や集中作業など
便利に多目的に活用されています
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37ヵ所に設けられた「1on1ミーティング」
執務エリア内の至るところに37ヵ所も設けられた「1on1ミーティング」と呼ばれるセミクローズの空間。WEB会議や上司と部下との面談、集中したい時など、幅広く活用されている。
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日本的な美しい色彩をきめ細やかに採用
「1on1ミーティング」には、花・鳥・光・水・土・岩・苔・竹・空という、「庭」から派生する9つのイメージによる美しい色彩が施されている。
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37ヵ所に設けられた「1on1ミーティング」
執務エリア内の至るところに37ヵ所も設けられた「1on1ミーティング」と呼ばれるセミクローズの空間。WEB会議や上司と部下との面談、集中したい時など、幅広く活用されている。
New Work Style
New Work Style
120°デスクを採用した25F執務エリア
25Fの運用部門の執務エリアでは、120°のブーメラン型デスクやデスクトップパネルを採用。部門の特性に合わせた働きやすい空間を構築している。
フラットでオープンな24F執務エリア
24Fの営業部門を中心とした執務エリアでは、フラットでオープンなロングデスクなどを採用している。
執務用チェアは社員アンケートによって選定
26Fのスタッフ部門の執務エリア。全フロアの執務用チェアには、社員アンケートで人気の高かった、健康面に配慮した座り心地のよい製品を採用している。
社員が自由に回遊し交流し合う「目抜き通り」
「目抜き通り」と呼ばれる回遊型のメイン動線は、偶発的なコミュニケーションも促進している。
窓側エリアがコミュニケーションを活性化
窓側の心地よいロケーションが社員のために開放され、リフレッシュしたり、気分を変えて仕事をするなど、さまざまな使い方がなされている。奥に見えるのは、立ち会議室。
迅速な意思決定をサポートする立ち会議室
25Fの執務エリア内に設けられた、スピーディーな打ち合わせのできる立ち会議室。意思決定の速い同社を象徴する空間である。部屋入口の端末を使い、その場でフレキシブルに予約することも可能。
自席の近くで気軽に利用できるファミレスタイプの席
窓側に設けられたファミレスタイプの席。共用のモニタを利用しながら打ち合わせを行うなど、多目的に活用されている。
明るい空間が生き生きとしたABWをサポート
ABW(Activity Based Working)を実現する、明るく働きやすいオフィス環境が社員のQOLを高め、そこでの仕事が顧客のQOLにつながっていく。
眺めのよい窓側には共有PC席も用意
窓側に設けられた共有PC席。特殊なアプリがインストールされているなど、専門的な仕事にも用いられている。
外の景色を眺めながら気分転換できるラウンジ
執務エリアの角に設けられた、2面採光の明るく心地よいラウンジ。休憩やランチなどにも利用されている。
活発なコミュニケーションとともに
コロナ禍でも積極的に情報を発信
顧客のQOLへの貢献を図りたい。そんな想いを実現するためには、提供する商品やサービスの付加価値を高めることが不可欠だ。そこで新しいオフィスでは、生産性を高め、アイデアの創発を促す空間づくりが行われた。また、移転前に行った在席率などの調査やアンケートでは、自席での集中した作業とチーム内でのコミュニケーションを重視する傾向が分かった。そのため執務エリアでは、まず自席を確保した上で、業務内容に応じて働く場を選べるABW(Activity Based Working)の要素を加えた「自席+α」の考え方をベースに空間を構築。スピーディーな意思決定を実現するためのミーティングスペースや、社員同士のコミュニケーションを活発化させるレイアウトに工夫を凝らした。また、部門ごとのワークスタイルに合わせて、オフィス家具やレイアウトを最適化。25Fの運用部門ではPC作業もしやすい120°デスクを、24Fの営業部門ではオープンなロングデスクをメインに導入し、将来的なフリーアドレスへの移行も可能としている。

そしてフロア全体に、予約なしで気軽に交流できる空間を多く配置し、「目抜き通り」や「内階段」による回遊型の動線を導入。集中して仕事のできるソロワークスペースも用意した。さらには「1on1ミーティング」のブースを37ヵ所設けて、社員との面談でキャリア形成をサポートし、心の健康を保てるように配慮した。この「1on1ミーティング」はコロナ禍において、外部やテレワークする社員とのWEB会議を行う場としても活発に利用され、想像以上に多目的に利用される便利な場になった。また、執務エリア内に動画撮影専用の「スタジオ」を設けたことも大きな特徴。質の高いコンテンツを顧客にタイムリーに配信する場であるが、コロナ禍で顧客をオフィスに招いてセミナーやイベントを開催できなかった中で、オンラインによる情報発信が有効に機能した。
多様なコミュニケーションをサポートする環境
より働きやすい環境の整備を行い、さまざまな形のコミュニケーションを「場の力」でサポートしている。
新しいオフィスで社員のQOLを高め
お客さまや社会の
QOL向上へとつなげていきます
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フロアの中央に設けられた「コミュニケーションエリア」
24Fの「コミュニケーションエリア」。内階段の隣に設けられ、ランチや簡単な打ち合わせ、社内の勉強会など多目的に利用されている。
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朝食も提供するカフェが社員のQOLを高める
「コミュニケーションエリア」に隣接して設けられたカフェ。ミニキッチンや購買スペースがあり、朝7時から夕方4時まで営業を行っている。
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フロアの中央に設けられた「コミュニケーションエリア」
24Fの「コミュニケーションエリア」。内階段の隣に設けられ、ランチや簡単な打ち合わせ、社内の勉強会など多目的に利用されている。
New Work Style
New Work Style
充実した顧客サービスを提供する「スタジオ」
顧客に対して質の高い動画コンテンツをタイムリーに提供するため、24Fには本格的な「スタジオ」を設置した。
オフィス内の回遊性を高めている内階段
フロアの中央に設けられた内階段が、フロア間の自由な往来を実現。オフィス内の回遊性を高めている。
新たな創出の場となる「コミュニケーションエリア」
25Fの中央に設けられた「コミュニケーションエリア」。さまざまなコミュニケーションから、新しいビジネスやサービスを創出することを目指している。奥には、モニタを使って打ち合わせの出来るソファブースも。
企業の取り組みを発信する「ギャラリー」
26Fの「ギャラリー」では、SDGsの取り組みなどを発信。今後は、地域の人々や学生を支援する展示なども想定している。
セミナーの前後などに利用される「ホワイエ」
26Fの「ホワイエ」は、セミナールームへの来訪者が休憩や待機できる空間である。
海外から訪れた顧客にも喜ばれる「和」の演出
26Fには和室も用意。海外からの来客も多く、居心地のよい応接スペースとして喜ばれている。
大画面モニタも用意された多種多様な仕様の応接室
26Fの応接室はそれぞれに設えが異なり、交流の中からビジネスアイデアを育む場になっている。
和室の裏には樹木のある待ち合い空間も
和室の裏には、縁側のような待ち合い空間を用意。実物の木と、応接室のガラスパネルの木のデザイン意匠が、庭のように呼応している。
作業や思考に集中できるソロワークスペース
雰囲気や気分を切り替えて作業ができるソロワークスペースも用意されている。
豊かさの象徴であり生活の一部である
みんなの「庭」のようなオフィス
新しいオフィスのデザインコンセプトは、「幸働(こうどう)の庭」。目指すべきQuality of Life(QOL)の象徴として、「庭」を視覚的かつ機能的なモチーフとしてデザインを構築した。「庭」は豊かさの象徴であり、生活の一部でもある。だからこそオフィスを、幸せに働くきっかけを創り出せる、みんなの庭にしたいと考えた。それは「集まる場」であり、「ゆっくり過ごす場」であり、「美を体現する場」でもある。そのことが特に表れた26Fの来客フロアは、広くて居心地のよい庭園のような空間。日本の木造建築の自由で開放的な空間構成と、間取りの作り出すリズム感などを取り入れている。この階には「華道」「茶道」「武道」のモチーフで彩った多様な応接室があり、セミナールーム、ホワイエなどの空間も整備。ギャラリーではSDGsの取り組みなどを発信しているが、今後はさらにさまざまな展示のスペースとして地域に開放し、学生などの成長の手助けにもなりたいという。

また、SDGsの観点から、オフィス全体にはリサイクル素材を使った床材や間伐材の家具などを積極的に採用。タイルカーペットその他の床材の約95%に、リサイクル材料を使った製品を導入した。さらに、オフィス家具の一部には国内広葉樹の未利用材を原料とした、デザイン性にも優れた製品を採用。こうした環境に対する配慮も、社会のQOLを向上させたいという想いをカタチにしたものである。サステナビリティの時代に、グローバル市場での成長を目指す同社にふさわしいオフィスは、リアルな働く場における日常のランダムなコミュニケーションに支えられている。この時代に安心して働くことのできる「幸働の庭」で高められた社員のQOLは、顧客のQOLにつながり、社会のQOLへとつながっていく。そんな循環がきっとアセットマネジメントの本質でもあり、私たちの未来の大きなヒントとなっているのだろう。
Worker's Voice
Worker's Voice
静かな「1on1ミーティング」で集中した作業を行うなど
仕事のメリハリが付けられるようになりました
Products Used in This Case
この事例に導入されている製品
Sylphy
シルフィー

背のカーブを変えられる
新感覚のオフィスシーティング

SOLISTE
ソリスト

働き方の選択肢を増やし、これからのオフィスを支えるスタンダードデスク

Finora
フィノラ

ダイナミックかつ軽快なデザインと、カスタムパネルが織り成す比類なき品格

Pro Unit Freewey
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Solutions
ソリューション