5拠点目のオートストア 試す設備から計算できる設備へ

トラスコ中山株式会社 プラネット愛知

  • 流通
  • 機械工具
工場内の写真

Subject

増加する在庫と出荷量に対応できる物流能力の構築

トラスコ中山株式会社様は、工場や建設現場で使われる作業工具・切削工具をはじめ、さまざまな工場用副資材(プロツール)を扱う専門商社です。多種多様な商品を幅広く在庫し、「必要なものを必要なときに必要なだけ届ける」物流力を強みとしています。お客様の利便性向上のために取扱商品の拡大と在庫アイテムの拡充に取組み、100万アイテム以上の在庫を目指し、建物の設計段階から10万ビン規模のオートストアを前提に計画しました。

Improvement

4拠点の実績が、5拠点目の確信に

4拠点の実績が、5拠点目の確信にのイメージ

4拠点の実績で、オートストアは「確実に計算できる設備」になっていたので、少ない人数でも必要な出荷能力を確保する、外せない設備だと当初から考えていました。
稼働後、主力商品からロングテールまで幅広い在庫をオートストアに集約しています。同量の在庫を平棚で保管した場合と比べ、約1/3の面積で保管。少量品から高頻度品まで同じステーションで処理し、歩かないピッキングによって省人化は約1/3〜1/4と試算しています。稼働開始から約3か月で、10万ビンのうち約8万ビンを使用。2030年の100万アイテム以上を支える中核設備として、さらなる運用改善を続けています。

トラスコ中山株式会社
プラネット愛知

所在地
愛知県北名古屋市沖村白弓1-1
稼働開始
2026年5月18日
延床面積
26,971坪(約8.9万m2)
建物構造
4階 複合構造(柱RC 梁S構造)免震
課題
物流能力の構築

導入効果

  • 省人化
    1/3
  • 保管効率
    1/3
  • ロボット台数 100台
  • カルーセルポート 22カ所
  • ビン数 100,000ビン
    330ビン
  • 入出庫能力
    2,640行/時間(計算値)

32万アイテムの在庫を約1/3の面積で保管

オートストアに収めた在庫を従来の平棚に置き換えると約1/3の面積で保管が可能で、最小のスペースで最大の保管量を確保しています。通路が不要で、建屋の高さを使い切る収納力が、「持てるだけ持つ」在庫戦略を支えています。

天板が電動昇降する作業台を配置した写真
1拠点で在庫100万アイテム以上を持つ構想から逆算した必要ビン数は、最低10万。この10万ビンを一つのシステムにすれば、100台のロボットがすべてのビンをどのステーションへも運び、全体が一つの在庫として動く。この能力を最大限に引き出すため、建物の設計段階でオートストアの要件を先に確定し、関係機関との協議を経て防火区画の免除を実現した。

4拠点で培った運用で高い生産性を実現

これまで導入した4拠点で「オートストアが最も作業負荷が低く、ピッキングが速い」と評価された生産性をプラネット愛知でも発揮し、省人化は約1/3〜1/4と試算。誰が担当しても一定の生産性を再現できます。

天板が電動昇降する作業台を配置した写真
プラネット愛知では、オカムラがトラスコ中山の基幹WMS「トラロジス」に合わせて、作業者への指示画面や作業フローを設計。トラロジスを使い慣れた人なら、15分ほどで理解できる操作性としている。
天板が電動昇降する作業台を配置した写真
導入後もオカムラが伴走し運用改善を続けている。5拠点で共通の仕組みのため、改善は1拠点で終わらず、全拠点に反映。ビンの空きスペースに別の商品を追加できる新しい混載も、プラネット愛知から全拠点の資産になった。

Interview

AutoStore導入インタビュー

在庫を持つことに対して、どのようなお考えをお持ちですか?

中山 達也 氏の写真
中山 達也 氏
(トラスコ中山株式会社 取締役 物流本部 本部長兼 デジタル戦略本部本部長)

中山氏当社は工場や建設現場で使われる工具や備品といった、プロツールの卸売りをやっております。国内約4,000社の仕入れ先様から商品を仕入れ、それを約6,000社の販売店様に販売し、それによってものづくりに必要なものを現場にお届けするという事業を行っております。
ものづくり現場で必要な工具や備品は非常に多岐に渡っていて、よくロングテールと言われますが、そういったものを当社が在庫としてきちんと持つことで、メーカー様・仕入れ先様が不要な在庫を持つ必要がなくなったり、プロツールのサプライチェーン全体に貢献するということが、我々が在庫を持つことでできているのかなというふうに思っています。

新設された「プラネット愛知」はどのような物流センターですか?

橋口 慎太郎 氏(物流本部 物流部西日本 プラネット愛知 センター長)
プラネット愛知はトラスコ中山の問屋としての機能をさらに高める物流センターとして、2026年の5月18日に稼働しました。将来的にはこちらの1拠点で在庫100万アイテム以上を保有して、お客様がすぐに欲しいという需要に応え続けるセンターとして誕生しています。

プラネット愛知の外観写真

建物の設計とオートストアの魅力について教えてください。

橋口氏消防から、防火の区画に関して防火壁とか防火シャッターっていうのを一定のスパンで取り入れなければならないという指導が入ってしまうのですが、建物と設備の設計を今回同時にプラネット愛知はさせていただいたことで、「10万ビン規模のオートストアを入れたい」という要望が先に出せたので、であれば建物もこういう設計にしましょう、防火区画を免除しましょうということができたので、大型設備を入れていくにあたってはとても有効だったのかなというふうに思っています。

中山氏これまで4拠点で導入をさせていただいていますけども、どの拠点においても非常に大きな貢献をしてくれていますので、その点がこの当社にとっても基幹センターであるプラネット愛知で、中心のマテハンとして導入をする上で非常に大きな自信にもなっています。
当社の在庫戦略においてですね、100万アイテムの在庫をしっかり持つというのが非常に重要になっております。そんな中でオートストアはやっぱりその在庫収納力ですね。これが非常に優れているという点が、我々にとって導入の一番大きな理由かなというふうに思っています。

オートストアの写真

入荷から出荷までの具体的な運用フローを教えてください。

橋口氏入荷検品の後にすぐに仕分けという行為をして、オートストア行きのものなのか、他のセクションに行くものなのかまず振り分けて、すぐにコンベアでオートストア行きのものは流すような設計にしています。ピッキングに関してはステーションごとにトータルピッキングというのをしています。トータルピッキングされた商品は、基本的にコンテナに入っていて、コンベアで1階の業種分けステーションと呼ばれる各オーダーごとに仕分ける工程に進んでいき、荷合わせステーションの作業者は出された順番に箱に詰め込んで出荷が完了するというプロセスになります。

設備投資の狙いや期待を教えてください。

中山氏投資総額としては約300億でして、当社にとっては過去最大の規模です。当然これだけの投資ですのでいろんな議論をした上で設備投資を決めたわけなのですけれども、実は当社ではあまりいわゆる定量的なROIというよりも、どちらかというと我々に必要な能力をどう構築していくのかという方を重視しております。
将来的にはこの100万アイテムの在庫を使って、日本全国のものづくり現場にどんどん商品を出荷していくということを期待しています。

オートストア導入による効果はいかがですか?

橋口氏かなり高密度に在庫集約できるというところがあるかなというふうに思っています。
10万ビン規模の設備を入れることで高さもかなり稼げますので。目の前に対象のビンをロボットが運んでくれるので、歩き回ることもなく、だいたい3分の1から4分の1ぐらいの省人化が図れているという試算を持っています。

工場内の写真

オートストアを繰り返し選ぶ理由は何でしょうか?

橋口氏オートストアはプラネット愛知で5拠点目の導入拠点になるのですけれども、大きな障害というのはそこまで起きずにここまで来ているので、設備自体の安定性も高く評価していますし、サポート体制もオカムラさん含めて充実しているので、安心して設備を使わせていただいています。

将来への投資についてどう考えていますか。

中山氏これからは日本の社会課題は人口減であるというふうに考えていますので、人口が減る中でもしっかり商品を現場に適宜お届けするということが物流の役割として非常に重要であろうと。
エンドユーザー様にも直接商品をお届けできるということで物流の負荷を減らしていくことにも貢献できると思いますので、サプライチェーン全体の物流の生産性の改善にも貢献できるかなと。フラグシップの役割を果たしてもらいたいなと期待をしています。

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