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オカムラ 株式会社オカムラ

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phlox フロックス

自然に包み込まれるような心地よさでより良いアイデアを。サスティナブルなテーブル&チェアシリーズPhlox(フロックス)
Phloxは自然からインスピレーションを受けてデザインされたテーブルとチェアのコレクションです。Night Phlox(ナイト フロックス)という、特徴的な美しい花びらを持ち、とても良い香りのする花にちなんで名づけられました。

自然の造形を家具デザインに 自然の造形を家具デザインに

グローバル市場で「多様なコミュニケーションの場を構築できるデザイン性の高いチェアとテーブルのシリーズ」がオカムラからのオーダーだった。デザインパートナーはロンドンとニューヨークに拠点を持ちこれまでにもオカムラとのコラボレーションでデザイン賞を何度も受賞しているレインライト社だ。レインライト社から提案されたコンセプトデザインは自然界の動植物のモチーフをふんだんに取り入れたものだった。大胆な発想に初めは戸惑いもあったが、方向性を定めて開発が進み始めた。アイデアスケッチの意図をくみ取りながら、生産可能な構造を組込むのに苦労した。サスティナビリティへの貢献も初期段階からアイデア出しが行われた。部品の共通化、漁網からリサイクルした糸を使った張地の開発、再生材の積極利用などだ。

 
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上段:レインライトから提示された初回のデザインモチーフ(イメージ) 下段左:漁網からリサイクルした張材 下段右:再生樹脂100%のインナーシェル

コロナ禍での協業 コロナ禍での協業

Phloxの開発はデザイナーと企画サイドが一度もリアルに会うことなく進められた。全世界的に新型コロナウイルスが猛威を振るい、海外渡航が実質的に困難な状況となったためだ。製品開発は時にはお互いの熱気と熱気をぶつけ合って想いに対する理解を深め合うことも必要だ。実際に時間と場所を共有して議論できないことは痛手だったが、Web ミーティングを行う際に様々な工夫を重ねて難局を乗り越えてきた。日本と英国の時差は夏時間適用時で8時間、それ以外の期間は9時間ある。Webミーティングを開催する時間も限定的だ。ただ時差にはメリットもある。日本から夕刻に問い合わせた内容の答えが、次の朝には届いている。24時間を半分ずつシェアしている感覚だ。短時間で理解を深めるためにお互いに説明動画を作って事前に送り合ったりもした。3Dプリンターで1/5スケールモデルなどを打ち出して、細かいディティールの確認を素早く行うことで、アイテムが多く、確認すべき点が数多くあったフロックスの開発は第一フェーズを終えることができた。振り返って思う、Webミーティングであろうが、リアルなミーティングであろうが一番重要なのは開発者同士の信頼関係だった。どれだけIT技術や社会インフラが進歩し、整えられたとしても、信頼関係がなければよい仕事はできないと思った。

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上段:Rainlightでの3Dモデル形状確認の様子 下段左:日本で打ち出した3Dモデル 下段右:RainlightとのWeb会議の様子

部品共通化への挑戦 部品共通化への挑戦

ラウンジテーブルからミーティングテーブル、さらにはハイテーブルまでの品揃えをできる限り部品の共通化をしながらサスティナブルなデザインを目指す。高さは4種類。長さの違う脚と天板の組合せを転倒性や揺れに対する強さなどを考慮した上で、脚の太さや取付位置を試験をしながら決めていく。気の遠くなるような作業だ。有機的な形状のテーブルはいくつもの円弧を複雑に組合わせて図面化された。図面上ではきれいにつながったカーブのように見えても、加工してみると歪んで見えることもあった。実際に工作機械でよどみなく生産するために円弧の組合せを何パターンも作り、最適解を探していった。
カンファレンスチェアも部品の共通化が課題だった。ミドルバック、ハイバックの2サイズがあるカンファレンスチェアに組合わせられる脚の形状は5種類。回転軸を持つキャスター付きの5本脚、4本脚とキャスターを持たない4本脚、そしてこれらの脚とはイメージが大きく異なるパイプと木製の4本脚タイプ。取付部を共通としながらもパイプと木製の4本脚は4本の脚がそれぞれ椅子のシェルに差し込まれているように見えるデザインとした。

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上段:共通のシェルを使用するアルミ脚と4本脚 下段左:テーブルの荷重試験 下段右:複雑にRを組み合わせた天板形状

Phlox 開発チーム Phlox 開発チーム

吉田 健介
企画:吉田 健介
YORGO LYKOURIA(Rainlight)
デザイン:YORGO LYKOURIA
  (Rainlight)
関川 秀峰
設計:関川 秀峰
本間 慶一
設計:本間 慶一

コロナ禍で海外のデザインチームと仕事をすること自体が思うようにいかず苦労しました。本来であればモックアップを囲んでリアルに意見を言い合ったりアイデアを出し合うことでお互いの向く方向を合わせていくのですが、すべての打ち合わせをWebミーティングで行わざるを得ませんでした。現地に行けば時差はなく打ち合わせできますが、海外とのWebミーティングは時差でも悩まされることがありました。根気よくお互いを理解しようという気持ちを持ち続けることで生まれた製品と言えますが、これまでのコラボレーションで培った信頼関係なくして成し遂げることはできなかったと感じています。Phloxのある空間が、癒しや熱気ある議論を生むような空間になることを願っています。