make with

オカムラ 株式会社オカムラ

image
image

co-comori ココモリ

ココモリは軽量でありながら上質で、こもり感がありながら圧迫感がないソファブース。ユーザー自身で設置場所を変えたり、向きを変えたりすることができます。進化を続けるこれからのオフィスに最適な心地いいソファブースです。

今までにはない軽さのワークブースを目指して 今までにはない軽さのワークブースを目指して

仕事の内容や気分によって自分で環境を選び取るABWという働き方が増えている。オフィスの中にはコミュニケーションのための場や集中するための空間など、さまざまな環境が求められている。コミュニケーションのためのオープンな環境は様々なツールで充実してきているが、心地よくこもる空間を作る家具の選択肢は限られていた。このような背景により、オカムラは導入しやすい軽やかな心地よくこもることができるワークブースの必要性を感じていた。時を同じくして、開発チームのデザイナーである井澤は英国のデザインファーム・tangerine(タンジェリン)社にいた。tangerine社は英国航空やJALなど、ビジネスクラスのパーソナル空間をデザインしてきた実績があり、井澤はここで心地よくこもることができる空間のデザインについて学び、協業することになる。

<tangerine社>ロンドンを拠点とする同社は戦略的デザインを通じてエクスペリエンスを創出し、ブランドとビジネスを牽引する世界有数のデザインファームです。世界的メーカーやサービス企業をクライアントに持ち、航空機のインテリア・シートデザインでは、日本の航空会社の最新鋭機など多数の作品を手掛けています。https://www.tangerine.net

image
image image

上段:tangerine社が手掛けたビジネスクラスの例   下段:初期コンセプトドローイング

新しいチャレンジが新しい世界観を生む 新しいチャレンジが新しい世界観を生む

日本から離れ、異国の地で実際に現地の文化に触れながらデザイン交流をする。何ものにも代えがたいその経験がデザイン力を成長させる。オカムラのグローバル戦略のひとつのやり方だ。そこにtangerine社が日本企業向けに提供する研修プログラム‘Design Immersion’がうまくフィットした。tangerine社は、航空機のビジネスクラスのシートなどプライベートスペースのデザインを数多く手掛けており、省スペースのワークブースに関しても知見が生かされることとなった。限られたスペースの中で、いかに快適に過ごすかというレイアウトとしてのデザインの難しさと、今まで一度設置したら移設が簡単にはできないブースそのものを動かせるようにすることで、オフィスにおける個人ブースの用途やスペースデザインに新しい価値を入れる。そんなアイデアを積み上げてカタチにしていった。心地よい‘こもり’空間のために、適度な集中を促しつつも、必要以上に隔離はしないブースの佇まいについて、パネルのカタチやサイズ、質感に至るまで考えを深めていった。

image
image
image

上段:tangerine社でのミーティング   下段左:段ボール試作での天板形状の検討   下段右:帰国後の一時試作

心地よさ、軽やかさとは 心地よさ、軽やかさとは

心地よくこもれて、移動のしやすいワークブースにするために必要な要素を洗い出していった。パネルには軽さと柔らかさが求められると考え、素材を選定した。たどり着いたのはフェルト。フェルトは、軽量でありながら、加工方法を工夫することで、自立する強さを出すことができるとわかった。再生フェルトを使えば、環境にも優しい製品につながる。柔らかな印象とするために、円弧を描くようにコーナーをカーブさせるデザインにこだわった。コーナー部は、短冊状にプレスラインを多用することで、自立する強さと柔らかなデザインの両立を可能とした。また、パネルの高さは均一にせず、入り口から奥にかけて傾斜をつけ、解放感とこもり感の両面を備える形状とした。一つひとつが試行錯誤だった。内部にセットするテーブル、チェア、ワゴンもパネルの形状にフィットするようにすべて専用に設計した。すべては心地よくこもるために。働くための空間として、航空機のビジネスクラスに劣らない心地よさを実現した。これまでにないものを作るということは、これまでにない苦労が必要だった。

image
image
image

上段:テーブル、チェア、ワゴンの形状検討と試作   下段左::ブース内の収まりの確認   下段右:形状を決めるベースとスペーサー

co-comori 開発チーム co-comori 開発チーム

企画:三塚 純子
企画:中尾 優衣
デザイン:井澤 晶一
設計:上田 洋士

軽量で柔らかな印象のブースとするために、多くの苦労を重ねてきました。環境面に配慮し、配送効率まで考えるとコンパクトに運べるよう、一人用ブースの場合、パネルは三分割することにしました。3枚のパネルを簡単に組み立てることができて、ワーカーが移動させることもできるように、3枚のパネルをベースに差し込む構造にしました。自立する強さを持たせながらコーナーをR形状に曲げるという難題をクリアできた時は、デザインすることの楽しさに改めて気づかされました。ワーカーにも環境にも優しい製品になったと思います。ココモリにこもって心地よく仕事をしてもらいたいと願っています。

image