Okamura Design Space R

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第17回ポスター画像

タイトル「旅」

 オカムラデザインスペースR(ODS-R)は、「建築家と建築以外の領域の表現者との協働」を基本コンセプトに、毎年1回、7月に開催しています。一人の建築家(企画建築家)を選び、「いま最も関心があって、挑戦してみたい空間・風景の創出」をお願いしますが、目指すのは建築家の個展ではなく、他の表現者(コラボレーター)との「協働」によって初めて可能になる新しい空間・風景づくりです。前年の12月にスタートして、マンスリー・ミーティングを重ね、7月のオープニングを迎えます。
 第17回になる今年は、企画建築家を横河健さんにお願いしました。横河さんが企画として提案されたのは「旅」、ただし、「ものづくりの旅」です。わたしたちの誰もが体験する、まさに「ものごころ」がつくと同時に始める「ものづくり」のあれやこれや。お絵描きや工作から、かなり手の込んだ機械の解体と組立まで、それは失敗しながらも、次はどうしようかと、あれこれ工夫する楽しさに満ちています。そして、何かをつくり上げた時のなんとも言えない歓びと充実感。大切なのは、それが小さな模型飛行機の組立であっても、作業しながら、コックピットに座っていろいろな機器に触り、音を聞き、空気の流れに乗って右へ左へと自分が飛んでいく情景を想い浮かべていることです。いろいろな過去の実体験が脳裡をよぎります。目の前には白い雲、陽光に満ちた青い空、夜ならば星空が広がるかもしれません。建築づくりでも同じではないでしょうか。つくりながら、完成した建築の中で繰り広げられる未来の情景を想い浮かべます。あるいは、かつて訪ねた名建築の空間や、その周囲に広がっていた素晴らしい風景を想うかもしれません。
 マンスリー・ミーティングで実に刺激に満ちた様々なアイデアをうかがっていると、手を動かす「ものづくり」の楽しさと、楽しみつつ作り手が自らの内面を見つめ、過去にも未来にも自由に想いを馳せる貴重な機会であることを、横河さんが伝えようとしていることが分かってきます。コラボレーターとして選ばれたのは、アーティストの小松宏誠氏と、サウンドアーティストのsawako氏のお二人です。
 どのような「旅」の情景が浮かび上がりますか。それは、その場に身をおく人によって異なるものかもしれません。ぜひ大勢のみなさまに、会場で体験して、「日常の中の非日常」の現れを確かめていただきたいと願っています。 (企画実行委員長/川向正人)

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 テーマは旅・・・旅とは遠くにいくこと、見知らぬ地に足を踏み入れることです。そしてその経験・体験から恐怖・希望・感謝などを知ることになる訳で、誰もが一筋縄ではない経験の中に複雑な意味を見いだすことになります。ですから人は人生そのものを旅と捉えることも可能だと言います。もちろん私の人生すべてを語る訳にはいきませんけれど、私(私たち)はずーっとモノづくりの旅を続けて来たと言えるのでしょう。
 そして、私たち三人の共通項はコトの繊細性にあるのではないでしょうか。
 会場では旅を経て、繊細なる無限空間「歓びの空間」に至るコトを表現しました。
 私たちの「旅」を体験し楽しんで頂けますよう。(建築家/横河健)

横河 健 画像

建築家横河 健Ken Yokogawa (日本)

■略歴
1948 東京に生まれる
1970 ワシントン州立大学交換留学生
1972 日本大学芸術学部卒業
1972 黒川雅之建築設計事務所
1976 設計事務所クレヨン&アソシエイツ設立
1982- 株式会社横河設計工房設立
2003-2013 日本大学理工学部建築学科教授
2004-2006 JIA日本建築家協会副会長
2008-2009 日本建築学会代議員
2009-2011 東京大学大学院非常勤講師
2016- 武蔵野美術大学建築学科客員教授

■受賞歴
1989 東京建築賞 /都市計画局長賞(警視庁日比谷公園前派出所)
1999 日本建築士連合会奨励賞(平成ドミノ・堺)
1999 日本建築学会賞作品賞(グラスハウス)
1999 ベネディクタス賞特別賞(グラスハウス)
2000 グッドデザイン賞(CESS/埼玉県環境科学国際センター)
2001 BCS賞(CESS/埼玉県環境科学国際センター)
2002 JIA日本建築家協会環境建築賞(CESS/埼玉県環境科学国際センター)
2003 日本建築学会作品選奨(武蔵野市立0123はらっぱ)
2004 日本建築家協会25年賞(トンネル住居)
2006 CSデザイン賞大賞(HIROO COMPLEX)
2006 MYCOMオフィスアワード大賞(THE TERRACE)
2011 JIA日本建築家協会•協会賞(杉浦邸/多面体 岐阜ひるがの)
2012 千葉県建築文化賞(桜井邸/多面体 館山)
2013 横浜・人・まち・デザイン賞まちなみ景観部門(THE TERRACE)
2013 栃木県マロニエ建築優良賞(早坂邸・那須塩原の多面体) 他多数

小松 宏誠 画像

アーティスト小松 宏誠Kosei Komatsu(日本)

■主な活動歴
2006年「第10 回文化庁メディア芸術祭」アート部門審査委員会推薦作品(作品:浮く冬)に選出。
2010年「釜山ビエンナーレ2010 Living in Evolution」に参加。
2014年「Wearing Light」ISSEY MIYAKEとのコラボレーション。
「Lexus Inspired by Design」のCMに作品提供。
「Roppongi Hills Artelligent Christmas 2014」(港区/東京都)ウェストウォーク クリスマスデコレーションに「Snowy Air Chandelier」を制作し、この作品がDSA日本空間デザイン賞2015優秀賞を受賞。
2015年「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015」(十日町市/新潟県)に参加。
「MIDLAND CHRISTMAS 2015」ミッドランドスクエア(名古屋市/愛知県)のクリスマス装飾をデザイン・制作し、Red Dot Award 2016 Communication部門で受賞。
2017年「夏木マリ・印象派NEO vol.3 不思議の国の白雪姫」へ美術協力。 (世田谷パブリックシアター / 東京、ロームシアター京都 / 京都、ルーヴル美術館オーディトリアム / PARIS)

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サウンドアーティスト sawakosawako(日本)

慶応義塾大学環境情報学部卒業。
ニューヨーク大学 Interactive Telecommunication Programで修士号取得。
2015年6月より自由大学「DIYミュージック」教授。
2019年4月よりフェリス女学院大学音楽芸術学科非常勤講師。

■主な活動歴
2005年「hum」をニューヨークの12kからリリース、以後通算5枚のCDアルバムを発表。
2008年「Warmup at MoMA PS1」(ニューヨーク)にてパフォーマンス。
2009年、Jerome Foundationから助成金を得て、イルカの音世界についてリサーチを行う。
2010年「Audiovisions Japoneses」(MACBA、スペイン)にて音と映像のパフォーマンス。
2011年「SONARフェスティバル」(スペイン)にてプラネタリウムのための音と映像作品を発表。
2012年、東京ミッドタウン5周年記念アート「いつつのゆびわ」の六本木アートナイト演出を担当。
2014年「坂本龍一ニューイヤー・スペシャル」(NHK FMラジオ)に出演。
2016年から6シーズン連続で、Support Surfaceのファッションショーのサウンドデザインを担当。
2017年、カナダのドキュメンタリー映画「GEEK GIRLS」の全編に渡って楽曲提供。
2018年「IL SUONO IN MOSTRA」(イタリア)にて、サウンドインスタレーションを展示。
http://www.troncolon.com

開催期間 2019年7月23日(火)~8月30日(金)
平日・土曜 10:00~17:00(日曜・祝日、8月3日(土)、10日(土)は休館)
会 場 オカムラ ガーデンコートショールーム
〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町4-1
ニューオータニ・ガーデンコート3F
TEL: 03-5276-2001
シンポジウム 「旅」
2019年7月26日(金)18:30~20:30 (定員50名)
パネラー:横河健氏+小松宏誠氏+sawako氏、 アンカーマン:川向正人氏
主 催 株式会社オカムラ
後 援 日本建築家協会、日本建築美術工芸協会、東京インテリアプランナー協会 企 画 OKAMURA design space R 企画実行委員会
(委員長:川向正人、企画委員:芦原太郎、北川原温、内藤廣、中村喜久男)
協 力 株式会社礎コラム、三芝硝材株式会社、
株式会社高田製作所、廣村デザイン事務所、
株式会社Flysound
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