Okamura Design Space R

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第16回ポスター画像

タイトル「Somesthetic-身体性-」

 オカムラデザインスペースR(ODS-R)は、「建築家と建築以外の領域の表現者との協働」を基本コンセプトに、毎年1回、7月に開催しておりますが、16回目の今年は9月に開催することになりました。一人の建築家(企画建築家)を選び、「いま最も関心があって、挑戦してみたい空間・風景の創出」をお願いしますが、目指すのは建築家の個展ではなく、建築家ともう一人の表現者(コラボレーター)が協働することによって初めて可能になる新しい空間・風景づくりです。前年の12月にスタートして、マンスリー・ミーティングを重ね、オープニングの日を迎えます。  今年は、企画建築家を新居千秋さんにお願いしています。新居さんが展示のコンセプトとして提案されたのは「身体性」で、分かりやすく言えば、「人がもっているスケール感覚を体感する場づくり」です。つまり、身体性あるいは身体的空間に「スケール」からアプローチする試みです。いま流行りの「素材」ではなく「スケール」だということを強調すべきかもしれません。そもそも、「身体性」にせよ「スケール」にせよ、新居さんご自身が1980年代、90年代から考えてこられたもので、それを、どうODS-Rの枠組みの中で具体化するかを巡って、議論が重ねられました。マンスリー・ミーティングでは、似ているようで全く空間性が異なるとも言える4つの茶室を取り上げて、小さなスケール群の集まりであるにもかかわらず、隣り合うスケールを変えることで部分や全体の空間性が劇的に変わることを、模型をつくって何度も確認しました。そうした作業を通して見えてくる空間の主要な要素(スケールを体現するもの)をピックアップして、展示の構成要素が決められていきました。地域や時代を超えて、いろいろなスケールやそれを具体化する要素を比較検討するのは、とても刺激的で、興味の尽きないものでした。  コラボレーターに選ばれたのは、「人間の視感覚の論理的な研究をもとに、現代的なアプローチにより新たな知覚体験を生みだす」アーティストの3名 大原崇嘉氏+古澤龍氏+柳川智之氏です。彼らが使うのは光。彼らが操作する人工の光によって、ある小さなスケールの空間とその周囲に、実際の茶室空間にも似た、移ろい、輝き、漂い、消滅する雰囲気(情感)が現れてきます。  ぜひ、大勢の皆さまに、会場に立ち、全体・部分を見、そして内部に入って、体験していただきたいと願っています。 (企画実行委員長/川向正人)

新居 千秋画像

建築家新居 千秋Chiaki Arai(日本)

1948年 島根県生まれ
1971年 武蔵工業大学工学部建築学科卒業(現 東京都市大学)
1973年 ペンシルベニア大学大学院芸術学部建築学科修了
1973年 ルイス.I .カーン建築事務所
1974年 G.L.C(ロンドン市テームズミード都市計画特別局)
1977年-2017年 武蔵工業大学講師(現 東京都市大学)
1979年-2010年 東京理科大学講師
1980年 新居千秋都市建築設計設立
1998年 ペンシルベニア大学客員教授
2013年-2015年 シンガポール国立大学 外部卒業判定員
2017年- 東京都市大学客員教授(旧 武蔵工業大学)
ウェブサイト CHIAKI ARAI URBAN & ARCHITECTURE DESIGN http://www.chiaki-arai.com/

大原 崇嘉画像

アーティスト大原 崇嘉Takayoshi Ohara(日本)

1986 神奈川県生まれ
2010 武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科 卒業
2012 東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻 修了
2012-2015 視覚伝達デザイン学科研究室 助手
美術作家、プログラマー
http://takayoshi-ohara.com
http://yanagawa-ohara.com

古澤 龍画像

アーティスト古澤 龍Ryu Furusawa(日本)

東京藝術大学絵画科油画専攻卒業
2012年 同大学の映像研究科メディア映像専攻 修了
東京藝術大学芸術情報センター教育研究所助手、非常勤講師、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)産業文化研究センター研究員を経て2018より東京藝術大学大学院映像研究科映像メディア学博士課程在籍
絵画の空間性と質感性の見えの関係や、色の現れ方についての研究を行う。制作では絵画や映像という視覚メディアだけでなく、照明による鑑賞環境の変容を扱い、"画面"の成立条件を問う作品を制作している。
http://ryufurusawa.com

柳川 智之画像

アーティスト柳川 智之Tomoyuki Yanagawa(日本)

1985年愛媛県生まれ
武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業
情報科学芸術大学院大学(IAMAS)メディア表現研究科修了
武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科助手などを経て、フリーランスのデザイナー・プログラマとしても活動。2018年より明星大学デザイン学部非常勤講師。
色や形など基礎造形に関する研究を行いながら、作品を制作・発表している。
主な展覧会に「網膜思考|Retinal Thinking」(art space kimura ASK?/ASK?P、2015年)、「&(アンパサンド)がカタチをひらくとき」(川崎市市民ミュージアム、2016年)など。
http://yanagawa-ohara.com

開催期間 2018年9月27日(木)~10月17日(水)
平日・土曜 10:00~17:00(日曜・祝日は休館)
会 場 オカムラ ガーデンコートショールーム
〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町4-1
ニューオータニ・ガーデンコート3F
TEL: 03-5276-2001
シンポジウム 「Somesthetic- 建築の身体性について -」
2018年10月4日(木)18:30~20:30 (定員50名)
パネラー:新居千秋氏 +大原崇嘉氏+古澤龍氏+柳川智之氏、 アンカーマン:川向正人氏
主 催 株式会社オカムラ
後 援 日本建築家協会、日本建築美術工芸協会、東京インテリアプランナー協会 企 画 OKAMURA design space R 企画実行委員会
(委員長:川向正人、企画委員:芦原太郎、北川原温、内藤廣、中村喜久男)
協 賛 株式会社エステック
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