make with

オカムラ 株式会社オカムラ

image
image

Telecube テレキューブ by オカムラ

人々の働き方も、ワークスペースのあり方も、大きく変化してきた今日。従来なかったタイプの製品が生まれるのは必然です。
これまでのオフィス家具づくりのノウハウを結集して完成した「テレキューブ」は、ワークスタイルを革新していきます。

「テレキューブ」誕生の背景

現在の日本では、政府が主導する働き方改革の普及により、多様な働き方が認められるようになってきた。 そのひとつが、オフィスの外に一時的な仕事場をもつテレワークだ。 ちょっと時間ができた時、空港や駅のような場所で仕事したいというニーズが高まっている。 またオフィスもオープンな空間が増加する傾向にあるため、ひとりで静かに集中できる空間を求める声が増えている。 オカムラでは2017年初頭の部門横断プロジェクトにてフォーンブース型ワークブースを次のワークプレイスのひとつとして構想していた。 また海外でもブース型の製品が登場しつつあり、フルクローズ型ワークブースの必要性を確信していた。 「テレキューブ by オカムラ」(以下テレキューブ)は、こうしたテレワークをはじめとする新しいワークスタイルを的確にふまえ、 オフィス家具づくりの豊かな経験を活かして、まったく新たに開発された次世代ワークブースだ。

image
image
image

ある「提案」に可能性を見出す

「テレキューブ開発の発端は、web会議サービスを手がけるブイキューブさんからの打診でした。 当時、ブイキューブさんはweb会議もできる世界初の家具としての可動型ワークブース『テレキューブ®︎(特許申請中)』を木製の独自のブースとして企画開発発表し、 日本中に2万台設置したいというビジネスプランを考え実行していたのです」オカムラ赤坂支店の佐藤直史は、そう話す。 当時世界的に見てフォーンブースという考え方は欧米の2〜3カ国で出てきたばかりで、 この中で働くという発想は世界的に見てどこにも存在しなかった。佐藤は、この企画には可能性があると直感したという。 「オフィスの環境が変わり、働き方改革も進みつつある現在。この企画は、世の中の動きに合致すると思いました。 しかしながら、その当時は日本に同様のものがなかったのです」
そこから、企画を深堀りして、壁、床、天井を備えた完全個室でありながら、設置や移動の自由度が高いワークブースの開発が始まった。 国内にほぼ前例のない革新的な製品のため、法規などいくつものハードルがあったがブイキューブの主導によりそれぞれの解決策を見出していった。 またオカムラはそれを製品として具現化するため、社内に特別な開発チームを結成することになった。

image
image
image

上/テレキューブ開発チームの打合せの様子。デザインを検討。下/テレキューブ初期デザイン案

営業 佐藤 直史

オカムラの総合力を生かした製品開発

テレキューブの特徴は、一人用で外寸幅120cm×奥行き120cmというコンパクトさと、静かで快適な空間を両立したことだ。内部にはテーブルとソファがあり、 タブレットやノートパソコンなどで快適に仕事が行なえる。また、四方向をパネルでしっかりと覆い、床、天井を備えることで、周囲の視線や音を遮断し、 集中できる“こもり感”が体感できる。内部の壁は吸音性を備え、声や音が外に漏れにくい。また外の音が侵入しづらい遮音ドアも採用した。
デザイナーの北田一彦は、こう話す。 「オカムラの製品に、オフィス空間を自由に仕切るためのローパーティションがあり、その構造を参考にしています。 座り心地に配慮されたソファや遮音性の高いドアも、自社にあった技術を応用して取り入れました」
オカムラは家具の他にも間仕切りや建材など幅広い事業を手がけており、テレキューブの完成度を高めるために、 それらの領域を超えてノウハウを結集させることができた。照明、換気、電源の位置まで、他にもすみずみまできめ細かい配慮がなされている。
デザインで注力した点について、北田は「オフィスだけでなく、公共施設での使用を想定し、3つのことにこだわりました。 ①方向を感じさせない形状 ②浮遊感 ③丸みを帯びた柔らかなフォルム。①方向を感じさせない形状は、全体の形状に方向性を持たせないことにより、 自由なレイアウトが可能になります。②浮遊感と③丸みを帯びたフォルムは、公共空間での使用において、子供から大人までが親しみやすいデザインであること、 万が一ぶつかっても角がなく怪我をしないことなど、多様なユーザーが心地よく利用できるように配慮しました」

image
image
image

上/遮音ドアの組立・施工の様子 下左/フレームの溶接 下右/組立の確認をする北田と田中

デザイナー 北田 一彦

さらなるイノベーションへ

企画や開発のプロセスにおいて、テレキューブは異例ずくめ。当初、製品化は難しいのではという声も上がったという。
オフィス商品企画の田中優は、こう話す。「たとえば日本では消防法のため、家具に屋根をつけることは難しいのですが、屋根がないと静かな空間はできません。 そこで消火設備を組み込み、スチールや不燃クロスなどの不燃材を用いるなど、防火性を高めました。 その他にも、レイアウト変更に柔軟に対応できるようにキャスター付きにしたり、 テレキューブのコンパクトなサイズに合わせるために専用のソファを作ったり、とさまざまな課題をひとつずつクリアしてきました」

テレキューブは、オフィスの屋内空間から駅構内などの半屋外まで、幅広いシーンで活用できる「最小限のワークプレイス」と言える。その可能性は無限大だ。
「テレキューブの普及を図るコンソーシアムも設立され、この製品を使ったテレワークの推進が本格化しています」と佐藤は語る。 便利で快適なオフィスとしてテレキューブで仕事するのが、やがて誰にとっても日常になりそうだ。

image
image
image
image
image

上/工場の設計チームと試作を使い使用感を確認。
中左/テレキューブの位置を自由に動かせるために取り付けたキャスター 中右/遮音の効果を計測。外の音を遮断することでより集中できる空間を作り出す。
下左/テレキューブの設置事例(複合ビルホールエリア内) 下右/テレキューブの設置事例(オフィス内エントランス)

商品企画 田中 優

オフィスをはじめ、駅構内などの公共空間へも広がりつつある「テレキューブ」。一人用の他 にも二人用、多人数用なども展開している。 個人の集中作業だけでなく、打ち合わせスペースとしても活用できる「テレキューブ」は、より一層身近な存在になっていくだろう。

  • product_telecube
  • product_telecube
  • product_telecube