東京都 練馬区
Case Number 210204

東京都 練馬区 様

本庁舎1階 区民事務所窓口

 練馬区様は、「第2次みどりの風吹くまちビジョン」の中で"窓口から区役所を変える"を掲げ、区民事務所の利用者満足度の向上のため、サービス窓口周辺のリニューアルを実施しました。
 (1)窓口カウンター増設:待合席の混雑を緩和。
 (2)レイアウト・サイン・モニター計画:分かりやすさを向上。
 (3)申請書記載支援コーナー設置:外国人の記入支援&高齢者・障害のある方の支援(昇降カウンター)。
 庁舎全体で、利用者が"迷わない""まごつかない"工夫として入館者の視線を想定したサイン計画としています。これによって、正面玄関・地下駐車場、総合案内・2階デッキからの入館後の案内台カウンターまでの経路を、わかりやすく誘導しスムーズな動線を目指しました。
 待合いエリア内の動線は、その幅にメリハリをつけることで車椅子やベビーカーの利用者の通行や待合いに配慮しています。
 窓口カウンターは、住所変更・印鑑登録窓口(グリーン)証明発行窓口(ブルー)・交付会計窓口(オレンジ)など、3つのサービス内容ごとにサインの色分けを行っています。
 特徴的なカウンターは、練馬区の総合計画「みどりの風吹くまちビジョン」を意識して、"風がそよぐ"ような緩やかな弧を描いた形状としました。また、豊かなみどりと太陽をイメージしたサイン色と既存壁面色との調和にも考慮しています。

プロジェクトの詳細

所在地 東京都練馬区豊玉北6-12-1
オフィス対象面積 400㎡
オフィス対象人員 20名
インテリア竣工 2020年 9月
デザイン担当 オカムラ・安藤 康秀/乾 菜穂子(サイン)

メインゲート

本庁舎ホールに面した壁面に設けたゲート。奥まった区民事務所・案内カウンターに入館者を誘導するデザイン。

案内台カウンター -1

入館者が迷わないよう、案内台・発券機の存在を明確に伝える「?」ピクトサイン 。

セグメントパネル

カウンターに設置したセグメントパネル(番号付き)。待合から窓口が見渡せる、呼び出し窓口を迷わせないレイアウトに貢献。

パラペットサイン

カウンター机上面の照度を確保するLED照明内蔵のパラペットサイン。窓口の吊り数字は変更(付け替え)可能。

案内台カウンター -2

地下駐車場からの動線に設けた案内台。複数の経路からの入館者が迷わないための配慮。

証明書発行窓口

上下昇降カウンターを備えた12番ブース。職員が、利用者に適した高さに調整する。ローカウンターの高さにも調整可能。

パラペットサイン

3つのサービス窓口ごとに配色を変えたパラペットサインとセグメントパネル。案内しやすさ・利用者の分かりやすさに配慮。

職員エリア

カウンターラインを変更して拡張した職員エリア。後方に広い通行スペースを確保し、車椅子職員に配慮。

待合スペース

十分な通路幅を備えた明確な動線と床面サイン。車椅子やベビーカーでも安心して利用できるスポット。

セグメントパネル

ブース番号が認識しやすい緩やかな曲線のカウンターライン。カウンター間のパネル(1

待合スペース

メンテナンス性を重視したソファ。座面には耐アルコール性・耐次亜塩素酸のビニールレザーを、背面下には緩衝に強い張地を採用。

総合案内

既存サインとの調和を考慮しつつ、目立つ配色によるピクトサインを設置。

デザイナー

安藤 康秀

 今回のプロジェクトは、既存の内装環境を引き続き活用する部分改修でしたので、現状設備や運用状況の確認・観察からスタートしました。開庁当時の資料を頂いて改修前の運用と比較したところ、職員の方々の日々の積み重ねの結果で、最適なレイアウトで運用されていることを知りました。
 この状況を考慮に入れつつ、コンシェルジュ機能の案内台・窓口カウンター・待合席・案内サイン・案内モニターなど、それぞれの要素が協調しあう配置の検討を重ねました。
 改修では、窓口職員の狭隘な通路を広げながら来庁者の待合いスペースの確保も重視されたため、来庁者の流れを考慮した待合い席の配置の見直しを進めました。また、主要な課題であった窓口数の拡大については、カウンター形状で対応するプランを採用頂きました。完成した姿を見てデザイン提案した立場としてとても励みになりました。
 改修の前後には、来庁者と職員の皆様のご要望や評価も確認させていただきました。この経験を、今後の提案業務にも生かしたいと思います。関係の皆様ご協力ありがとうございました。

乾 菜穂子

 練馬区役所庁舎は、大理石がふんだんに使われた非常に重厚感のある建物で、今回の区民事務所が位置する1階のメインフロアは、高い天井で吹き抜けになっており、非常に心地の良い空間になっています。
 練馬区様より頂いた課題には、多様な区民サービスに対する練馬区様の前向きな取り組み姿勢を感じ、我々なりに熟考を重ねてベストと思う提案をさせて頂きました。
 当然、できることに限りはありますが、その中でメリハリをつけ、もともとの心地良さを損ねることなく、来庁者の分かりやすさを最優先に考えました。我々の提案はいくらか大胆なところもあったかと思いますが、練馬区様が積極的に採用して頂けた事が、今回の改修工事の効果を上げる事につながったと思っています。
 打ち合わせの中では、様々な課題やご要望とともに数々のサイン機能の提案に真摯に取り組む機会を頂き、私たちも勉強する事が多くありました。素晴らしい案件に携わらせて頂けたこと、また本当に沢山ご協力を頂いた練馬区様に、心から感謝しております。ありがとうございました。