Wil BE

Cross Talk

Team WiL-BE座談会
#Part.1

「スタートから約半年。
WiL-BEの『今』って、
どうですか?」

前回のインタビューでは、Team WiL-BEメンバーの薄良子氏に、オカムラが取り組んできたこれまでの働き方改革やWiL-BE誕生の背景、現場の変化、そしてこれから取り組むべき課題についてお話を伺いました。
第二弾となる今回は、「Team WiL-BE座談会」。WiL-BEの具体的な活動を、もう少し掘り下げていきます。
4つのアクションに取り組む人財開発部、人事部、業務改革部、ワークスタイルソリューション部の各リーダーに薄氏も交えて、各アクションの活動や今後の課題について全2回にわたってトークを繰り広げます。

○WiL-BE・・・オカムラが推進する働き方改革の名称。自分らしくLifeを楽しむために、いきいきと働く人でいっぱいの職場をつくっていくための活動。
○Team WiL-BE・・・2019年4月に再編されたオカムラの働き方改革を推進する事務局の名称。
○WiL-BE 推進委員会・・・全社一丸となってWiL-BEを進めるための全役員と組合委員長で構成する委員会。委員長は社長が務める。

Member

  • 岩田 裕道

    Human Development
    人財開発部長

  • 佐藤 喜一

    Work Rule
    執行役員 コーポレート担当 人事部長

  • 鈴木 人司

    Work Smart
    業務改革部長

  • 内田 道一

    Work Place
    ワークスタイルソリューション部長

  • 薄 良子

    フューチャーワークスタイル戦略部
    共創センター 所長
    Work in Life Labo. 所長

教育、ICT、制度、環境。
4つの視点で、さまざまな活動を
展開中

人財開発部、人事部、業務改革部、ワークスタイルソリューション部という4部門で、それぞれ取り組んでいるアクションについて簡単に教えてください。

岩田:人財開発部では「Human Development」という人材育成やモチベーションアップに関する取り組みを行っています。上司と部下の相互理解を深めるための面談を実施する他、e-Learning導入に向けて準備を進めています。また、これまで社内の各部署で独自に行われてきた勉強会についても、情報を集めて共有できる仕掛けづくりの準備を始めています。従業員一人ひとりの主体的に学ぶ意欲を醸成していきたいと考えています。

佐藤:人事部が担当している「Work Rule」というアクションは、新しい制度をつくり、運用していくことで、従業員がいきいきと働ける環境づくりを目指しています。WiL-BEがスタートする前から人事部では、ワークライフバランスやダイバーシティ推進プロジェクトを進めてきましたが、WiL-BEに集約されたことで、活動の輪をもっと広げていきたいです。また、労働時間の改善も大きな柱と位置付けて活動しています。

鈴木:業務改革部は情報システム部と一緒に、ICT環境を整えることで仕事力と業務効率をアップさせる「Work Smart」を担っています。場所に縛られずに働く「どこでもワーク」を実現するための環境を整備する他、仕事上で判断を迷ったり、資料のある場所を探すといった「迷う・わからない」を低減し、業務のプロセスをデザインし直しています。目指しているのは、単に仕事を効率化するだけでなく、本業で収益を上げて稼ぐためのシステムの実現、業務の再構築です。

内田:ワークスタイルソリューション部は「Work Place」を担当しています。自分たちで環境を整えて働きやすい場をつくり、効率性と創造性を高めていこうという活動です。私たちワークスタイルソリューション部はお客様のオフィス環境づくりを支援する部門なので、オカムラの本業をそのまま社内で展開しているような形ですね。

WiL-BEは、「土壌改良」!?
ポイントは、今の当たり前を
見直すこと

各アクションの活動を進めている中で、課題はなんでしょうか?

鈴木:ICTに関しては従業員の期待がとても高いのですが、世の中の技術革新のスピードが速いので、その期待を上回る満足感を得られるようにするには、導入負荷やコストがかかってしまいます。投資をなるべく抑えながらも最大の効果を出す、そのバランスを考えることが課題です。また、ICTは導入するだけでは意味がなくて、定着させてこそ効果が出るもの。導入までに金銭的にも人的にもリソースを使ってしまうと、定着までに息切れしてしまいます(笑)。周囲の人を巻き込みながら、定着化のための広報活動を助けてもらうなどの仕掛けも考えていかねばなりません。ICTとは別に、業務を「もっと早く、もっと簡単に」効率化していくことも際限がないのでハードワークですが進めていきたいですね。「まだ紙を使い続けるの?」「この書類や手続きは必要?」など、今の当たり前を見直すことから。手間のかかることをやりたくないというのは、全従業員に関わることですからね。

薄:みんなが以前から当たり前にやっている手続きも、環境の変化と一緒に変わっていいと思うんです。

鈴木:オカムラの従業員って真面目な人が多いんですよ(笑)。言ったことを着実にやる人が多い。環境が変化して無駄な作業になってしまったことも、真面目にそのまま続けてしまったりして、不満として出てきにくい。だからこそ、「これって必要?」という疑問の声が上がって、見直すことが大事だと思っています。WiL-BEは今あるいつもの通りを少しずつ変えていって、それが習慣になり、社風そのものが変わっていく活動だと認識しています。

薄:そうですね。いきなり変えようといっても、突然風土は変わりませんから。一人ひとりの行動を変えて、当たり前を変えていくことが大切ですね。

岩田: WiL-BEの活動って、土壌改良に似ていると思うんです。特に「Human Development」の人材育成に関しては、重要だとわかっていながらも、急ぎではないから後回しでいいと考えられてしまうことがあります。でも時間をかけて変えていかないといけません。WiL-BEでは3年計画を立てて施策を進めていますが、従業員の皆さんと一緒に取り組みと意見交換を重ねながら、地道に少しずつ変化させていければと思っています。人材育成の一環として研修をしていますが、今までは知識吸収型がほとんどでした。でも今年度からは、知識面はe-Learningで予習し、研修はグループ討議を通じた気づきやアウトプットの場にしてもらって、職場でその気づきを実践してもらう形に変えています。最近も課長向けのフォローアップ研修を行ったのですが、部下への指導に悩んでいたある受講者に対して、「部下の指導は叱り方ではなく、相手がどれだけ納得するのかが重要だ」と他の受講者から意見が出たりと、講師も感心するような会話がどんどんと出てくるようになり、手応えと変化を感じているところです。

佐藤:私は長年、長時間労働を改善しようと働きかけてきましたが、長時間労働が企業を支えていると考えてきた人たちの意識をどうやって変えていくのかが「Work Rule」の課題ですね。それと新しい制度を考える際、いろんな職種の人がなるべく公平に使えないといけません。例えば、在宅勤務の制度は工場勤務だとそのままは使えませんが、では、どんな制度があれば効率的に労働時間を使えるのだろうと考えていく必要があります。労働時間に関しては働き方改革関連法が施行されたタイミングということもあって、しっかり遵守できています。それぞれの職場から業務で改善すべきことも次々と出てきていますが、やれることはまだまだあると感じています。今まではシステムを変えないとできないと思っていたことも、自分たちが行動すれば変わっていくんだと実感できていると思うので、これを大きな一歩にしていきたいですね。

内田:私は4つのアクションの中で、従業員に与えるインパクトが最も大きいのは空間だと思っています。昔からよく「人が環境をつくり、環境が人をつくる」と言われてきましたが、衣食住などの環境に関わることは本能的にインパクトがあるんです。「明日から席がなくなります」と言われたら、従業員は驚きますよね。ただし注意しなければいけないのは、プラス思考で意識が変わらないとワークプレイスづくりがマイナス方向に変わってしまうということです。つまり環境を変えると同時に、意識改革にも取り組まないといけません。重要なのは、自ら考えて行動に移す自立した意識づくりです。そして環境を通じて、従業員が持っている力を引き出していくのが、我々の役割だと思っています。

これから続くWiL-BEの取り組みも、
「まずは言ってみよう、やってみよう」の精神で

環境が変わったことで、意識や行動が変化した具体例はありますか?

内田:先日、赤坂のオフィスで、従業員とその家族に向けたイベント「ファミリーデー」が初めて開催されました。「オフィスを家族に見て欲しい」という若手従業員の提案から始まったのですが、これは環境が働いている人の気持ちを変え、行動を起こした現れだと思います。

薄:こちらのオフィスには働きやすい環境を整えるための自治会があります。フリーアドレスのオフィスでいかに従業員同士を交流させていくかを考える中で、もっとコミュニケーションを取って、モチベーションを高めていく取り組みとして、「ファミリーデーをやってみたい」という意見が出たんです。WiL-BEについて実施した社内アンケートでも、家族を大切にしている人が一番多かったのですが、「家族に自分が働いている姿や場所を見せることで仕事を理解してもらい、よりよいコミュニケーションにつなげたい」という思いがあったようです。

ファミリーデーには、従業員の子どもが多数参加。お祭りの装飾や子ども向け自社製品の紹介コーナーを設けるなど、誰でも気軽に楽しめる場になるようなさまざまな工夫を施しました。

佐藤:もともとオカムラの創業者は「良い家庭は良い人をつくり、良い人は良い会社をつくる」という考えの持ち主で、昔から家族を大事にするようにと言い続けていました。ファミリーデーの企画は従業員自身の働きがいも上がるでしょうからいいと感じましたね。

薄:ファミリーデーだけに関わらず、オカムラはやりたいことに対して、否定しない会社ですよね。やってみたいことは言ってみれば、受け入れてくれる。

内田:我々4人は社歴が長いですが、振り返ってみても会社に全てダメだって言われたことはあまりないんですよ。やりたいことを提案すると、「やってみれば」って言われる。もちろん社内手続きや予算の管理はしっかりとしなさいと言われますけどね。

薄:ただ、みなさんの下の世代は少し違う認識を持っていたようにも感じます。世代のせいもあるのか、言うべきか迷ってしまうというか、なんとなく言いにくいよねっていう雰囲気というか…。今は少しずつ変わってきましたし、ある意味元に戻ってきたのかもしれませんね。

佐藤:そうなんですよ。オカムラはもともとは昭和20年に何もないところからスタートした、いわばベンチャー企業ですから。何をつくればいいんだろう、まずは言ってみよう、やってみようという精神でやってきたんです。ところが業績が伸びてくると、そういう精神が忘れ去られてしまった時期があったのではと思います。

内田:会社が大きくなると組織と従業員に溝ができてしまいがちで、それを壊すためにもボトムアップの活動や、もう一回原点を見直すことも必要なんでしょうね。

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