Wil BE

4 Action Interview

「Team WiL-BE」編成から1年、
現場のいまとこれから
- #04 Work Place -

Work Place

働き方コンサルティング事業部
スペースデザイン三部 部長

藤原 篤(Fujiwara Atsushi)

「Human Development」「Work Rule」「Work Smart」「Work Place」の4つのアクションから成り立っているTeam WiL-BE。2019年4月に編成され、約1年に渡り活動を進めてきました。
シリーズ最終回となる今回は、働く場を改革する「Work Place」アクションです。“働く場”を変えることで、より効率的に働きやすく、そしてモチベーションアップに繋げていきます。活動を主導してきたスペースデザイン部の藤原 篤氏に、“働く場”の改革をどのように社内で展開していったのかを伺います。

○WiL-BE ・・・オカムラが推進する働き方改革の名称。自分らしくLifeを楽しむために、いきいきと働く人でいっぱいの職場をつくっていくための活動
○Team WiL-BE・・・2019年4月に再編されたオカムラの働き方改革を推進する事務局の名称。

場づくりをするオカムラだからできること。
働く意識を、働く場から変えていく

「Work Place」アクションは働く場を変えるという部分でオカムラの本業に通じる施策です。藤原さんはどのような経緯で、このアクションに関わるようになったのでしょうか。

おっしゃる通り、オフィスづくりというのはオカムラの本業。当然、WiL-BE編成以前からもずっと行ってきたビジネスです。ただ、本業だからといって全社的に働く場が整っていたか、さらには戦略的に改装が行われていたかというと実際はそうとも言えませんでした。そこで、2019年4月の編成タイミングできちんとチームとして動いていくプロジェクトが始動しました。

私はこれまで実務として、多くの国内外のオフィス改装に携わってきました。お客様のところへ出向き、調査するところから、具体化するところまでをお手伝いする仕事です。ですから、「Work Place」アクションが動き出した際に、リソースを持っている私たちの部門がアクションの主導を担うことになったというのが経緯です。

「Work Place」アクションに関わることについて、どのようなお気持ちでしたか。

WiL-BEの編成を機に体系的に全社で取り組もうということで、これは大きな方向転換だなと感じました。そもそも、働くことを考える上で環境は非常に大切です。お客様に対しては「働く場が変化すれば、働く意欲や効率も当然上がっていきます」というお話をよくしているんです。でも、そう話をしている一方で自分たち自身を振り返ってみたとき、「オフィス環境づくりの“プロ”として、オカムラは自身のオフィス環境ともっとしっかり向き合うべきではないか」という想いが生まれてきました。

そこで自社のオフィスに目を向けて、改めてオフィスを改装する意義や目的を考え直す根本のところから取り組みを始めました。各事業部が独自で行ってきたことを体系的に整備し、取り組むべき意義や目的を明確にしていけば、今後オカムラ本業にもつながるアクションになるのではないかと考えました。

アクションへの関わり方を模索する中、
見えてきた自分たちの役割

体系的にオフィス改装を行うために、まずはどのようにアプローチしていったのでしょうか。

これまで、会社全体でどんな流れでどのくらい改装や移転が行われていたのかまずは洗い出すところからスタートしました。リサーチをしてみると、その年の業績によって改装が実施されるか決まってくることが多いと分かりました。改装を計画している拠点数は結構な数が上がってくるのですが、部門ごとのさまざまな事情が計画の実行にも影響してくるため、必ずしも希望すれば改装ができるというわけではありません。

このような社内ならではの状況もあって、改めて洗い出してみると、すべての改装をクライアントワークと同じように動いていては叶わないだろうと思いました。そこから私たちチームのポジショニングを試行錯誤したのです。

「Work Place」アクションを進める上で、チームのポジショニングとはどのようなものでしょうか。

始めのうちは、私自身を含め社内で「Work Place」のアクションを担当するチームは、オフィスを改装するときの実務をお手伝いをする部署だと認識されていました。つまり改装する事業所がクライアントで、われわれがコンサルや設計といった実務サービスを提供する、という関係性です。しかし、拠点は全国に多数ありますしメンバー自身の実務もありますので、かかりきりになることはできません。そもそも自分たちの働くオフィスは、自分自身で納得したものをつくらなければ愛着は持てない。長年の経験から、人から提案されたものを受け入れるだけでは、結局改装後に “なんだか居心地の悪いオフィス”と感じてしまうだろうと思いました。

そこで、私たちチームの役割やポジションが一つの鍵だと考えました。WiL-BEの大前提は、そこで働く本人たちが、制度やICT、働く場を自ら考えるということです。「Work Place」アクションもその精神に乗っ取って、対象部門のみなさんが自分たちで考え、理想の場づくりを行えるようになるためには、どうしたらいいのかという考えに切り替えたのです。

「Work Place」アクションを進める上で、チームのポジショニングとはどのようなものでしょうか。

始めのうちは、私自身を含め社内で「Work Place」のアクションを担当するチームは、オフィスを改装するときの実務をお手伝いをする部署だと認識されていました。つまり改装する事業所がクライアントで、われわれがコンサルや設計といった実務サービスを提供する、という関係性です。しかし、拠点は全国に多数ありますしメンバー自身の実務もありますので、かかりきりになることはできません。そもそも自分たちの働くオフィスは、自分自身で納得したものをつくらなければ愛着は持てない。長年の経験から、人から提案されたものを受け入れるだけでは、結局改装後に “なんだか居心地の悪いオフィス”と感じてしまうだろうと思いました。

そこで、私たちチームの役割やポジションが一つの鍵だと考えました。WiL-BEの大前提は、そこで働く本人たちが、制度やICT、働く場を自ら考えるということです。「Work Place」アクションもその精神に乗っ取って、対象部門のみなさんが自分たちで考え、理想の場づくりを行えるようになるためには、どうしたらいいのかという考えに切り替えたのです。

これまでの当たり前が変わっていく、
改装事例の中から可能性が見えてきた

全国にある事業所それぞれに背景は異なると思いますが、そこをどのように体系立てていったのでしょうか。

次のステップとして、プロジェクトを進めていく上で参考としてもらうためのガイドブックやマニュアルづくり、改装後のプロジェクトレポートの形式を整えました。ガイドブックを参照することで、オフィス環境以外の事業部や改装経験のない人でも、プロジェクトの目的やゴールを明確にしてスムーズに実施ができるようにしています。さらに、実際にオフィス改装を進めていく上で、困ったことを問い合わせる窓口やサポートメンバーを設定。改装完了後には、プロジェクトレポートを通じて情報収集も行いました。

オフィス規模や、地域性も考慮するとなると大がかりなプロジェクトですね。進めていく中で、苦労した部分はありましたか。

拠点によってはもともと業務上の関わりが薄いオフィス環境部門と、スーパーマーケットなどの什器を扱う商環境部門がそれぞれフロアの隣同士に同居しているケースもあります。そういった場合は事業本部が異なるため、両部門の意向が揃わなければなかなか実現しないという苦労がありました。

この同居型ケースの改装を昨年良いかたちで実現したのが、埼玉県・大宮市の拠点です。同支店ではオフィス環境と商環境の支店長がどちらも改装にとても前向きで、協力して取り組みました。改装時に肝となったのが、両支店を隔てる「壁」です。同居型のオフィスは多くの場合、キャビネットなどで2部署の間に「壁」をつくり、スペースを分けていました。しかし数年経つと、メンバーの増減でスペースに過不足が出てきます。こちらの支店では席がないと嘆くのに、向こうの支店では席が空いているという状況も出てくる。まずは、その壁を取っ払ってしまおうという大胆な計画でした。

さらに空間を有効に活用するため、執務エリアの一角に他拠点の従業員が気軽に立ち寄れるサテライトワークエリアを設置。大宮は交通の便が良く、首都圏からの乗り換えのポイントでもあります。例えば埼玉県内に住む他拠点の従業員が外出先からわざわざ首都圏の事務所まで戻らなくても、自宅に近く、セキュリティの安全性が保たれている支店でテレワークができるのです。完成後に実際にオフィスを見学させてもらったのですが、それまで交流が少なかったオフィス環境と商環境、2部署のメンバーがフリーアドレスのデスクで並んで仕事をしている様子をみて、本当にこんなことが実現できるんだ!と大変感動しました。

働く場が変わることで新たな交流が生まれる。すでに業務面でも、それぞれのクライアントを紹介しあうなど予想以上のシナジー効果が出てきています。

改装PJ用のガイドブックを作成

改装PJ用のガイドブックを作成

主体性を持って取り組めば、
思いもよらないアイデアが生まれる

アクションを進める中で、気づいたことや変化はありましたか。

改装後のプロジェクトレポートを見ると、皆さんものすごい熱量で改装に取り組んでくれていることが伝わります。これは、自分の働く場に対する興味・関心の表れ。私たちの想像以上に働く場への想いがあるのだと気づきました。また、そういった想いは、時として私たちが想像もできないような面白いアイデアを生む原動力にもなります。

例えば、とある事業所で商環境のチームだけでオフィス改装を行った事例がありました。改装するにあたり自分たちでアイデアを出し合い、商業施設で活用される手書きの看板やデジタルサイネージをオフィス内に導入。私を含め、オフィス環境の所属メンバーでは思いつかないような面白いアイデアが散りばめられていました。普段の業務でオフィス改装に関わることのない事業部のメンバーが、自分たちの力で自分たちのオフィスを完成させたのです。さらに、オフィス内の空間を活用して社内イベントを企画するなど改装後の運用でも良い効果が見られています。

  • 改装後の支店エントランス

  • 拠点メンバーでつくりあげた改装後のオフィス

  • フリーアドレス初挑戦の拠点では固定席化を防ぐため、ぬいぐるみを席に置くアイディアを導入

アクションを進める中で大切にしていることを教えてください。

事務局が介入しすぎないことです。「Work Place」の取り組みは、各拠点で自主的に進めることに意味があります。仮に、私たちが介入しすぎてしまうと、受け手側はどうしても意見が言いにくくなる。そういう関係性は良くないと考えています。自分たちの働く場を自分たちで考えて自由につくることができる。これは普通はなかなかできない、貴重な体験です。ぜひ積極的に楽しみながらプロジェクトに取り組んでいただき、より多くの拠点で実施してほしいと思っています。

でも、相談されたりするとついつい手伝いたくなってしまいますよ(笑)。直接現場に行っていろいろ伝えたくなりますが、そこはグッと我慢です。現場に入る代わりに、ガイドブックなどの資料は極力わかりやすく工夫しています。例えば、改装業務をしたことがない人でも理解しやすいように、ステップごとの説明や言い回しなどをアレンジしています。そういった資料づくりの面でも私たちのサポートを最大限活用してもらいたいです。

アクションを通して変化する意識を
さまざまなものに展開していきたい

働く場の変化からこの1年でさまざまな効果が見えてきていますが、今後の課題はなんでしょうか。

オフィス改装に関しては、現状では全拠点が対象とはなっていません。実施の見通しが立てづらく、また担当者が改装業務と実務を兼任することになるため大変な面もあります。

今後は全社に「Work Place」アクションに関わってもらえるような仕組みをもっと考えたいです。例えば、年度ごとに改装や移転を完了した拠点から、見た目のデザインだけでなくプロジェクト全体が優良なものはアワード形式で表彰するなど。楽しみながらモチベーションを上げていくことができれば、面白いかもしれません。

働く場の変化からこの1年でさまざまな効果が見えてきていますが、今後の課題はなんでしょうか。

オフィス改装に関しては、現状では全拠点が対象とはなっていません。実施の見通しが立てづらく、また担当者が改装業務と実務を兼任することになるため大変な面もあります。

今後は全社に「Work Place」アクションに関わってもらえるような仕組みをもっと考えたいです。例えば、年度ごとに改装や移転を完了した拠点から、見た目のデザインだけでなくプロジェクト全体が優良なものはアワード形式で表彰するなど。楽しみながらモチベーションを上げていくことができれば、面白いかもしれません。

今後の具体的な活動を教えてください

現在、収集した改装プロジェクトレポートをまとめています。これらのデータを今後は社内で公開する予定です。さまざまな事業所の事例を公開することで、自分たちもやってみたい!と刺激になればと期待しています。さらに、このデータは将来的にオカムラの事業でも参考にできると考えています。自社の資産としてデータを蓄積していくことも「Work Place」アクションの意義ではないでしょうか。
また、改装後一定期間を経過した拠点に対しての事後調査や維持改善のサポートなども必要になってきますね。
最後に、WiL-BEの他アクションとの連携も重要です。働く場が変われば意識も変化します。そこから派生して、例えば「Work Rule」のアクションである「カエル!活動」の一環としてオフィス美化プロジェクトの立ち上げなど積極的な運用へとつながっていきます。改装後は従業員のモチベーションも上がるので、うまく次の行動へ繋げていくようにサポートするのも私たちの役目です。この1年で道筋は見えてきたので、今後はWiL-BE各アクション同士の連携も実現できるようにしていきたいです。

WiL-BE COLUMN
-あなたの考える「Work in Life」とは?-

「WiL-BE」を推進していく上で、オカムラが提唱する理念「Work in Life」はとても重要です。仕事も、家族や友人、趣味、休み、健康など学びと同じように自分の人生の中の一つとして捉えていくという考え方は、自分らしい働き方、そして生き方に通じています。ここでは、各アクション担当者にご自身の「Work in Life」について伺います。現在のLifeとWorkの割合、そして理想とする割合についてどのように考えていますか?

※本来のWork in Lifeの考え方ではWork は Lifeの中の1つと捉えますが、ここでは分かりやすくするため、Lifeの中のWork 以外を Life として表しグラフにしています。

藤原‘s VOICE

ここ最近、リモートワークが推奨されるなど世の中の影響を受け、自分の中での優先順位が変わりつつあります。とはいえ、最近組織変更があったばかりとあって、今はワークの割合が多めですね。理想としては50:50にできたらと思っています。会議の時間など自分でコントロールできない部分をどうするのか、これは目下の課題ですが、自分で働き方をデザインして、自分らしく働く。そんな働き方が理想です。

※2020年3月4日 取材

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