社内のICT環境を改善させ、
「ないと困る」をつくり出す
これまでも社内の業務としてICT活用やシステム、インフラ整備は行われてきました。現在お二人はそれぞれ違う部署に所属されていますが、「Work Smart」の活動にはどのように関わるようになったのでしょうか?
鎮西:「Work Smart」を統括しているのは業務改革部ですが、アクションには部署の枠を越えて取り組んでいます。私も以前は沖見さんと同じ情報システム部に所属していました。業務改革部でも情報システム部でも業務を改善するための企画に関わっていたので、「Work Smart」の活動はもともとの仕事の延長の部分もあるといえます。
沖見:私も入社当初は開発としてプログラミングを書いていたのですが、4年くらい前からシステムの企画をしています。私たちにとってお客様に当たるのはオカムラの従業員。ユーザーが困っていること、こうなればいいなと感じていることを洗い出して分析し、援助することが仕事です。システム企画は開発担当に開発要求を伝えたり、パソコンが必要ならインフラ担当と連携したりと、各所を取りまとめる役割を担っています。
WiL-BEの一環として取り組むようになって、変化はありましたか?
鎮西:情報システム部にいた時は、ユーザーからの要望に対応することで手一杯ということもあり、なかなか業務改善まで手が回らなかったように思います。業務改革部に移ったということも一因ですが、前向きにICT改善業務に向き合おうという意識になりました。言われたことだけではなく、自分達が企画を立てて会社を変えるんだという風向きを活動全体からも感じています。
沖見: 今まで慎重だったことに対しても、WiL-BEとして推し進めることで、スピード感をもって着手できるようになったと思います。
鎮西:業務改善の要求も増えていますし、世の中の流れも大きいのでしょうね。オカムラのWiL-BEだけでなく、社会でも働き方改革が進みつつある。世の中の流れ、今の経営層の考え、そして組織の三位一体でプラスに働いていると思います。
ICT環境を整えるという「Work Smart」アクションですが、具体的にはどのような取り組みをしてきたのでしょうか。
沖見: 主にマイクロソフト社のOffice365導入に伴う活用促進です。全国の事業所で説明会をしたり、マニュアルを作成しました。Office365は数多くのサービスが入っていて、機能別の細かいマニュアルもあったのですが、そのまま渡してもなかなか読んでもらえません。便利な機能がわかる簡易マニュアルをつくり、どんなことができるのかを伝えました。
その次の活動としては、チャットボットの導入です。Office365を導入してすぐの頃は、使い方について、同じような質問がいろんなところから上がってきていました。そういった質問を集約して、チャットボットで答えられるようにしたのです。ユーザーはヘルプデスクの時間外でも質問できるし、こんなことを電話で直接聞くのは・・とためらわないでもいいことがメリット。社内公募で決めた“ロロ”という名前のキャラクターが質問に答えてくれます。
鎮西:チャットボットにはAIの機能が入っていて、学習して賢くなる仕組みです。まだまだ求めている答えが返ってこないこともありますが、これは今後徐々に改善していきます。
沖見:また、オカムラの提供するオフィス家具などをまとめた社内のシステムも刷新しました。非常によく使うツールなのに、出力に時間がかかるうえ、出力中は他の作業がしにくいなど、不便なところが多かったからです。短時間で対応できるように改善しました。
鎮西:営業部門向けには、営業支援システム定着のための支援も行っています。営業プロセスを見える化して、営業活動を効率的にできるようにするためのツールを導入しました。これもOffice365と同じで、使いこなせる人とそうでない人のリテラシーに差があるので、説明会を行ったり、マニュアルをつくって広報活動をしました。この営業支援システムの命題は売り上げをアップさせることで、データからはよりよい営業活動のためにどんなフォローをすればいいのかがわかります。営業担当だけでなく、マネジメント側も使わないと効果がないので、そういった意識をもってほしいということも説明会で伝えました。
基本的に「Work Smart」活動でメインとなる新しいシステムの導入って、すぐに「これは良いね」と言ってもらえることはあまりありません。もともとのやり方を変えることに抵抗のある人も多いですし。1、2年後になってやっと「ないと困るね」と言われるものだと思って活動しています。