Wil BE

4 Action Interview

「Team WiL-BE」編成から1年、
現場のいまとこれから
- #03 Work Smart -

Work Smart

情報システム部
沖見 浩子(Okimi Hiroko)

業務改革部
鎮西 啓(Chinzei Akira)

「Human Development」「Work Rule」「Work Smart」「Work Place」の4つのアクションから成り立っているTeam WiL-BE。2019年4月に編成され、約1年に渡り活動を進めてきました。
3つ目のアクションとなる今回はICT環境を整えることで仕事力と業務効率を高める「Work Smart」アクション。担当するのは業務改革部の鎮西 啓氏、情報システム部の沖見 浩子氏のお二人です。ICTに求められることや社内ニーズをどのように汲み取り、そしてどのように応えていくのか、これまでの活動、そして今後の課題について伺いました。

○WiL-BE ・・・オカムラが推進する働き方改革の名称。自分らしくLifeを楽しむために、いきいきと働く人でいっぱいの職場をつくっていくための活動
○Team WiL-BE・・・2019年4月に再編されたオカムラの働き方改革を推進する事務局の名称。

社内のICT環境を改善させ、
「ないと困る」をつくり出す

これまでも社内の業務としてICT活用やシステム、インフラ整備は行われてきました。現在お二人はそれぞれ違う部署に所属されていますが、「Work Smart」の活動にはどのように関わるようになったのでしょうか?

鎮西:「Work Smart」を統括しているのは業務改革部ですが、アクションには部署の枠を越えて取り組んでいます。私も以前は沖見さんと同じ情報システム部に所属していました。業務改革部でも情報システム部でも業務を改善するための企画に関わっていたので、「Work Smart」の活動はもともとの仕事の延長の部分もあるといえます。

沖見:私も入社当初は開発としてプログラミングを書いていたのですが、4年くらい前からシステムの企画をしています。私たちにとってお客様に当たるのはオカムラの従業員。ユーザーが困っていること、こうなればいいなと感じていることを洗い出して分析し、援助することが仕事です。システム企画は開発担当に開発要求を伝えたり、パソコンが必要ならインフラ担当と連携したりと、各所を取りまとめる役割を担っています。

WiL-BEの一環として取り組むようになって、変化はありましたか?

鎮西:情報システム部にいた時は、ユーザーからの要望に対応することで手一杯ということもあり、なかなか業務改善まで手が回らなかったように思います。業務改革部に移ったということも一因ですが、前向きにICT改善業務に向き合おうという意識になりました。言われたことだけではなく、自分達が企画を立てて会社を変えるんだという風向きを活動全体からも感じています。

沖見: 今まで慎重だったことに対しても、WiL-BEとして推し進めることで、スピード感をもって着手できるようになったと思います。

鎮西:業務改善の要求も増えていますし、世の中の流れも大きいのでしょうね。オカムラのWiL-BEだけでなく、社会でも働き方改革が進みつつある。世の中の流れ、今の経営層の考え、そして組織の三位一体でプラスに働いていると思います。

ICT環境を整えるという「Work Smart」アクションですが、具体的にはどのような取り組みをしてきたのでしょうか。

沖見: 主にマイクロソフト社のOffice365導入に伴う活用促進です。全国の事業所で説明会をしたり、マニュアルを作成しました。Office365は数多くのサービスが入っていて、機能別の細かいマニュアルもあったのですが、そのまま渡してもなかなか読んでもらえません。便利な機能がわかる簡易マニュアルをつくり、どんなことができるのかを伝えました。

その次の活動としては、チャットボットの導入です。Office365を導入してすぐの頃は、使い方について、同じような質問がいろんなところから上がってきていました。そういった質問を集約して、チャットボットで答えられるようにしたのです。ユーザーはヘルプデスクの時間外でも質問できるし、こんなことを電話で直接聞くのは・・とためらわないでもいいことがメリット。社内公募で決めた“ロロ”という名前のキャラクターが質問に答えてくれます。

鎮西:チャットボットにはAIの機能が入っていて、学習して賢くなる仕組みです。まだまだ求めている答えが返ってこないこともありますが、これは今後徐々に改善していきます。

沖見:また、オカムラの提供するオフィス家具などをまとめた社内のシステムも刷新しました。非常によく使うツールなのに、出力に時間がかかるうえ、出力中は他の作業がしにくいなど、不便なところが多かったからです。短時間で対応できるように改善しました。

鎮西:営業部門向けには、営業支援システム定着のための支援も行っています。営業プロセスを見える化して、営業活動を効率的にできるようにするためのツールを導入しました。これもOffice365と同じで、使いこなせる人とそうでない人のリテラシーに差があるので、説明会を行ったり、マニュアルをつくって広報活動をしました。この営業支援システムの命題は売り上げをアップさせることで、データからはよりよい営業活動のためにどんなフォローをすればいいのかがわかります。営業担当だけでなく、マネジメント側も使わないと効果がないので、そういった意識をもってほしいということも説明会で伝えました。

基本的に「Work Smart」活動でメインとなる新しいシステムの導入って、すぐに「これは良いね」と言ってもらえることはあまりありません。もともとのやり方を変えることに抵抗のある人も多いですし。1、2年後になってやっと「ないと困るね」と言われるものだと思って活動しています。

新しいシステムの導入は、
根気強さと試行錯誤が鍵となる

アクションを進める中で、印象的だった出来事はありますか?

鎮西:社内にはまだまだシステムに対して苦手意識を持っている人が多いように感じています。そんな中で、比較的年齢層の高い部署へ新システムの操作説明会に行ったのですが、とても熱心に聞いていただけて、全員が使いこなせるようになったんです。その時に、システムの操作習得にはやる気があれば年齢は関係ないんだと確信しました。

沖見:私はOffice365に入っている社内SNSツールのYammerがここまで盛り上がるとは思っていませんでした。どう使ってもらえばいいのか最初はちょっとイメージできなかったのですが、皆さんが活発にやり取りしてくれたおかげで便利さに気づいたんです。Yammerは所属部署内だけのものではなく全社で見ることができ、興味のあるグループに参加できる。最初に「Office365について語ろう」というグループをつくって気軽に質問できる仕組みを用意したのですが、それ以降はいろんなグループが発生し、WiL-BEのグループもYammerを使って発信しています。新しい仕組みを積極的に活用してもらえて良かったです。

鎮西:ちなみにグルメ情報のグループもあります。仕事とは直接関係がないのではと懐疑的になる人もいるかもしれないのですが、Work in Lifeという観点からはいいのかなと。仕事の合間の息抜きやコミュニケーションの活性化につながっていますよ。

沖見:Office365は個人アカウントにアイコンが入れられることもよかった。基本的に本人の顔写真を設定してもらうよう勧めているので、それまで直接顔を知らなかった人の、人となりやイメージがお互いに分かるようになったのも効果的でした。

取り入れるだけがゴールではない。
定着と浸透の先に、働きやすさがある

アクションに関してはさまざまな試行錯誤がある中で、「Work Smart」の今後の課題は何でしょうか?

沖見:具体的な課題例を2つあげると、1つ目はチャットボットの普及です。チャットボット自体が比較的新しいツールで、導入後にこれだけの効果が出れば成功だという評価基準が設定しにくいところはあります。今は回答できない質問を3割以下にすることを目標に掲げていて、数字的にクリアしているものの、それだけでいいのかな?と思うことも。チャットボットの回答に対して、「いいね」または「参考にならなかった」ボタンを質問した人に押してもらって効果測定としているのですが、ボタンを押すのを忘れてしまう人もいるようです。今後のために、忘れずにボタンを押してフィードバックしてもらうように社内に広報をしていきたいです。

チャットボット“ロロ”が質問に答えます

またオープン当初は1日50~80件の質問がありましたが、最近は少し減少気味。質問する必要がなければいいのですが、チャットボットの存在が忘れられているだけかもしれません。多くの人に気軽に使ってもらいたいです。現在はOffice365に関する質問に限定していますが、他ジャンルの質問にも答えられるようにしていくことも検討しています。

2つ目の課題は、社内資料の置き場であるナレッジサイトの改善です。これまで各所に散らばっていた販促資料や取扱説明書をひとまとめにして探しやすくしよういう試みです。置き場としてのサイトはオープンしたけれど、目的の資料の検索方法が、まだまだわかりやすいとは言えない状態です。どうすればより使いやすくなるのか現在試行錯誤している状況です。

鎮西:今後は、今まで行った施策をより周知、浸透させていきたいです。仕組みを入れるだけで終わってしまっては意味がありません。システムに100%の能力があったとして、今のところ活用されているのはまだ50%にも満たないと感じているので、もっと使い倒してもらいたいです。人によってリテラシーの差もあるとはいえ、本当にいい仕組みであれば誰もが使ってくれるでしょうし、そのあたりは悩んでいるところです。チーム内でも定着のために何をすべきか常に議論していて、全社に向けて「Work Smart」関連の満足度アンケートも実施する予定です。

手探りでもとにかく前へ、
考え尽くしてより良いICT環境へ

アクションを進める上で大切にしていることは何でしょう?

鎮西:スピード感をもってチャレンジすること。そして全員にとって100点の満足度をすぐに得られるということは難しいので、今は例えば60点の状態でもひとまず前に進むことを大切にしています。システムについての改善要望は声として上がってはくるのですが、万人がどう思っているのかは分かりません。一つひとつの意見は大事にしながらも、全員の声というのを気にして止まってしまったらどこにも行けないぞと思って進めています。

沖見:システムやAIは何でもできる、と思われがちですが、もちろん苦手分野もありますし、すべての要望を機能に盛り込んでしまうと複雑化して使いこなせなくなります。そうすると逆に使う時に困ってしまうので、さまざまな要望への見極めが必要だと思っています。

鎮西:ある人にとっては良い機能でも、他の人には良い機能とは限りませんから、せめぎあいですよね。それと私個人としてのポリシーは、考え尽くして諦めないこと。新しい仕組みもどんどん出てくるし、すぐにはわからないことでも調べることから始めるしかない。わからないからどうしようではなくて、わからないことが当たり前。そこから少しずつでも学んで成長していけばいいというマインドで構えています。

WiL-BE COLUMN
-あなたの考える「Work in Life」とは?-

「WiL-BE」を推進していく上で、オカムラが提唱する理念「Work in Life」はとても重要です。仕事も、家族や友人、趣味、休み、健康など学びと同じように自分の人生の中の一つとして捉えていくという考え方は、自分らしい働き方、そして生き方に通じています。ここでは、各アクション担当者にご自身の「Work in Life」について伺います。現在のLifeとWorkの割合、そして理想とする割合についてどのように考えていますか? 

※本来のWork in Lifeの考え方ではWork は Lifeの中の1つと捉えますが、ここでは分かりやすくするため、Lifeの中のWork 以外を Life として表しグラフにしています。

沖見’s VOICE

現在は一日の多くがWorkで埋まっています。Lifeに当てているのは、例えば朝に録画しておいた深夜放送のアニメを見て、夜帰宅後に朝の連ドラと「あさイチ」を見たりすること。朝夜逆転してますね(笑)。Lifeの割合が今は35%と低いため、理想としてはWorkとLifeの割合を反転させたい。今日はノー残業デーなので、映画を見て帰りたいと思っています。

鎮西’s VOICE

今はLifeとWorkが50%ずつ。Workでは、18時半くらいには帰れる日も多いですし、以前と比べて業務時間自体は減っているので、すごく大変な状態というわけではありません。Lifeでは子どもがまだ小さいので、これから大きくなればこの割合も変わって仕事の割合が増えるのかなと思っています。周囲の先輩をみていても、年齢や経験を重ねることで仕事がより面白くなってくる予感がありますから。ただ、理想としてはWorkを3分の1くらいにして、残りを家族との時間と、自分自身の時間も持てるようにしていきたいです。

※2020年3月4日 取材

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