物語は、202X年のある日の朝からはじまります。未来の住人になった気分で、人々の生活や働き方を覗いてみましょう。
彼女がこの物語の主人公、ナオミです。天気の良い朝、洗濯物を外で干しています。もしかすると、面倒な「洗い終わった衣服をハンガーに通す」のは自動化されているかもしれませんね。
ナオミ一家で飼っている犬が、空から飛んでくる何かに気付きました。
荷物をドローンを使って宅配してくれるサービスです。機体の下にある楕円形の箱の中に、荷物が入っています。この6枚羽のマルチロータータイプのドローンは、円盤状の機体をくり抜くようにプロペラが配置されるとともに、外周が発光することで視認性を高めており、安全性に考慮されたデザインになっていることが伺えます。
ドローンが届けてくれた荷物はこのコップのようですが、もしかすると、ナオミが食べているサラダも、朝食の宅配サービスで一緒に運ばれてきたのかもしれません。
「お母さんおはよ!」
「おはよう、早くご飯食べなさい、遅れるよ」
「アイちゃん、おはよう」
小学校3年生のアイちゃん、ナオミに続いて「おはよう」と声をかけたのは、ナオミ一家のAIアシスタントのクルミです。ナオミは朝食をとりながら、クルミから重要度の高いメッセージが届いたことを知らされ、ビデオメールの内容をチェックしています。どうやら、ナオミのチームの提案がクライアントで採用され、さらに別の仕事の依頼をもらえたようです。場所を問わず、自宅でも簡単に仕事を進めることができ、生活の中に仕事が無理なく溶け込んでいます。
「クルミさん、トーストお願い!」と、AIアシスタントに依頼をしただけで、人間が機械に食パンをセットすることもなく、わずか45秒で自動的にトーストが焼き上がる、近未来の調理家電です。少し古い時代の電子レンジをモチーフとしたデザインのこのクッキングマシーン、依頼者・調理予定の品・調理に必要時間などがパネル前面に表示されます。
また、「トーストお願い」というように、枚数を指定していないにも関わらず、依頼者のアイの意図を汲んで、状況的に適切だと判断された枚数(=1枚)を調理し始めているクルミの優秀さも素晴らしいですね。
新しい仕事の依頼を受けたナオミは、さっそく仲間にそのことを知らせます。「クルミ、チームのみんなにメッセージをお願い」と、クルミに依頼をしますが、テキストメールなのか、ボイスメールなのか、ビデオメールなのか、アバターでのチャットなのか、どういった手段であるかを指定はしていません。クルミはどんな反応をするのでしょうか。
ナオミからどんな手段でメッセージを送るかの指定がなかったため、クルミは「どんな内容ですか?」と聞くとともに、レコーディング状態(赤の表示)になって、あらゆるメッセージングに対応できるスタンバイに入りました。
クルミはこの後、ナオミのメッセージ内容がテキストベースにするべき内容であればテキストメールを、ボイスメールがよいと判断されればボイスメールを作成してくれます。また、受け取る相手の状況に応じて、例えば自転車に乗っている最中の人であれば、ボイスメールを配信し、画面をみている人に対してはテキストやビデオメッセージを送ることでしょう。
「お母さん、その服かわいい!」とアイちゃんが言っているのは、xRショッピング中のナオミの新しい服。この服はクルミがナオミのラッキーカラーでコーディネートしたものです。クルミが「アイちゃん、どうかな?」と聞くと、アイは「クルミさん、やるねぇ!」とクルミのコーディネートを誉めました。
この日から、夫のケイスケは海外出張のようです。
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