小田急電鉄株式会社 新型「小田急ロマンスカー・MSE(60000形)」用 アルミ製インアームテーブル付車両用シートを納入

車両形式60000形2編成分(16両)の一般車両用席、身障者用席等、全930席を納入しました

製品・サービス 教育・文化施設
2008年4月24日 ※記載内容は発行時のものです

株式会社 岡村製作所は、2008年3月15日より営業運転を開始した小田急電鉄株式会社の地下鉄相互乗入用の新型ロマンスカー・MSE向けに、車両用シート(2編成全930席分)を納入いたしました。 今回納入した車両用シートでは、ビジネス客の利用を想定してテーブル使用時の振動軽減に配慮したインアーム式テーブルを採用しています。テーブルをセットした状態でもシートを回転させることが可能で、乗客の使い勝手を向上させるとともに車内清掃時の作業性にも貢献します。また、クッション性やリクライニング性能など、人間工学に基づくさまざまな技術を導入することで、快適な乗り心地、座り心地を実現しています。 シートのデザインは、MSEの外観・内装デザインを担当した建築家 岡部憲明氏(岡部憲明アーキテクチャーネットワーク代表)の監修によるものです。技術と一体化したトータルデザインで、上物のシート部を岡村製作所が、下部の回転式脚台部を車両用シート最大手の天龍工業株式会社(本社:岐阜県各務原市、代表取締役社長:福西 健二)が製作しました。

小田急ロマンスカー・MSEについて

新型の小田急ロマンスカー・MSEは、座席指定特急として初めて東京メトロ線へ乗り入れています。 平日は、北千住から大手町・霞ヶ関のビジネス街を通り本厚木、唐木田を結ぶ「ビジネス特急」として、土休日には北千住と箱根湯本を結ぶ「観光特急」として運転を開始しています。さらに年間30日は有楽町線・新木場駅まで乗り入れるベイエリア向けのベイリゾート特急として運転します。 外観の色彩は、地下鉄内でも明るさを感じさせる「フェルメール・ブルー※」を基調とし、ロマンスカーの継承してきたカラーである「バーミリオン・オレンジ」の鮮やかな帯を窓下に配置しています。

※17世紀のオランダの画家、フェルメールが作品の中で用いた青色で、その美しさは「フェルメール・ブルー」と称えられています。

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車両シートの特長

1.ゆとりを実現するシートデザイン

人間工学に基づいて設計されたシートにより、長時間の着座においても疲れにくくなっています。 また、背もたれの傾斜角度を11°に設定し、背もたれ自体の厚さを薄くすることでシートピッチ(983mm)以上のゆとりを感じさせる設計となっています。シートの素材には、地下鉄内を走行する上で必要な安全基準を満たした素材を使用しています。

2.インアーム式テーブル

ビジネス客の利用を想定して、テーブル使用時の振動軽減に配慮したインアーム式テーブルを採用しています。テーブルを出したままの状態でシートを回転させることが可能であり、乗客の使い勝手と車内清掃作業の負荷軽減に大きな役割を果たしています。

3.シートの張り材に落ちついた色調であるグレー色を採用

ビジネス客を中心としたビジネス特急として使用することから、グレーを基調とした落ち着いた色調を採用しています。また、カラーアクセントとしてカーペットと同じワインレッドを用いています。

4.「木」の温もりを生かしたインテリア

肘の側面背もたれの背面、肘の側面、テーブルには木目柄を使用することで温かみと柔らかさを与えています。また、肘とテーブル、手掛けにはアルミを使用しており、部分的にシャープな質感も持ち合わせています。

5.快適な乗車をサポートする様々なアイテム

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6.車両室内

2.3mの高い天井は空間に広がりを与え、電球色の間接照明を使用することで車内を柔らかく包んでいます。また、荷物棚下の自然な色合いの電球色LED照明と、ワインレッドのカーペットが上質な空間を演出します。

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新型「小田急ロマンスカー・MSE(60000形)」向け 車両用シート

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岡部憲明(おかべ のりあき)氏 略歴

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岡部憲明アーキテクチャーネットワーク代表、神戸芸術工科大学教授、芸術工学博士

ポンピドゥー・センター設計チームを経て、レンゾ・ピアノとともにパリやイタリアの都市を拠点に活動。88年、関西国際空港旅客ターミナルビル設計競技に優勝し、同作品にて日本建築学会作品賞を受賞。95年、岡部憲明アーキテクチャーネットワークを設立(代表)。代表作に小田急ロマンスカーVSE、MSE、牛深ハイヤ大橋、ヴァレオユニシアトランスミッション厚木工場など。著書に『エッフェル塔のかけら』(紀伊国屋書店)、『関西国際空港旅客ターミナルビル』 (監修 講談社)、『可能性の建築』NHK人間講座(日本放送出版協会)など。

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