OFFICE[オフィス]株式会社くらこん 本社オフィス

みんなの「距離感」が近いから一丸となって進めるオフィス

くらこん執務エリアとつながるオープンなリフレッシュコーナーは、近隣のひらかたパーク(通称:ひらパー)をもじって「くらパー」と呼ばれて親しまれている。明るい日差しのもと、みんなの顔がよく見える円形の空間で、まるで芝生のようなふかふかのソファに腰を降ろし、ランチや打ち合わせの場としても賑わっている。

オリジナリティのある空間から豊かな創造と感動が生まれる

昆布問屋として創業したのは1921年。その後、小倉屋昆布食品株式会社となって主に昆布を中心とした水産食品の製造販売を手がけ、2008年に株式会社くらこんが設立。新たな活動の枠を広げている。老舗の食品メーカーであるとともに、「塩こん部長」のTVコマーシャルなどでユニークな会社としても知られている。「自然の恵みを生かし、微笑みの食卓を演出する」という企業理念は、人々の生活のなかに浸透しているように見える。

その新しい本社が、同社所有の敷地内に誕生した。フロア面積が広い3階建てのオフィスは、1F、2Fがゲストフロア、3Fが執務フロアとなっている。海産物を扱っている同社らしさのある、「海」をモチーフにした全体的なオフィスデザインの中に、さまざまな機能空間やコミュニケーション空間を用意。一歩足を踏み入れたエントランスから、すべてにオリジナリティを感じさせるオフィスであるからこそ、創造と感動が生まれる。社員一人ひとりのいきいきとした表情が、何よりもそのことを物語っているだろう。

くらこん

くらこん左/白を基調とした心地よいエントランスホール。自然光を採り入れる、明るい吹き抜けの空間となっている。つる状のインドアグリーンを海中でゆらめく昆布に見立てるなど、同社の生業を表すイメージがデザインされている。
上/壁一面がホワイトボードになっているミーティングルーム。



くらこん「フォーカスグループルーム」と呼ばれる、消費者へのグループインタビューなどを行う部屋。表情を観察しやすいよう台形のテーブルを導入している。

くらこんオープンキッチンが設けられた「ゲストハウス」。ゲストを招いて開発商品の試食会を行ったり、社員の誕生日会を開催したり、ホームパーティー的な場として利用されている。

「灯台」の光が射すほうへ社員を乗せた船は舵をとり加速する

社員みんなの顔が見えるオフィスにしたい。そうした考えから、3Fのオフィスゾーンに全部門が同居している。固定席ワークステーションには、執務への集中と、迅速な交流を両立させる120°デスクを採用。部門ごとのチームによる働き方を支えるとともに、空間全体にさまざまな「海流」のような変化をもたらしている。

くらこん手前側のカラフルなチェアが並ぶテーブル席は、営業部のスペース。週単位で座席を変更するユニークなフリーアドレス(チーム単位で動くグループアドレス)を採用している。その他の部門は固定席とし、関連のある部門が近くに位置するようレイアウトされている。

ユニークなのは、オフィスゾーン中央に位置する、周囲より一段高い「灯台」と呼ばれるスペース。社長をはじめとする幹部が集結し、普段は自部門の部下の座席のほうを向きながら執務を行うが、振り返れば幹部同士ですぐにコミュニケーションがとれるため、意思決定のスピードアップにつながっている。また、オフィスゾーン各所から行き来しやすい配置なので、部下も頻繁に相談に訪れる。「灯台」はまさに、会社という船の行き先を指し示す場所。そして船は、この場所から新たな力を得て、時代の中を航海し続けている。

くらこん「灯台」のスペースは周囲よりも30cm高くなっている。着席した幹部の目線は、相談に訪れる部下の目線よりも少しだけ下に。この絶妙な高さ感も、人が集まりやすい理由の一つになっている。

くらこん執務エリア内に設けられた、TV会議もできるクローズドの会議室。

くらこんオフィスゾーンには、立ったままで打ち合わせをするスペースも。

くらこん固定席スペース内には、迅速な打ち合わせのためのサブテーブルを設置。



くらこん

DATA

所在地
大阪府枚方市招提田近2-1-3
オフィス対象面積
3,640.61m2
オフィス対象人員
約60名
建築設計
昭和設計
インテリア竣工
2011年9月
オフィス設計・デザイン
昭和設計
岡村製作所 相馬 浩久
  • bp vol.5掲載(2012.02発行)